草と緑
Online ISSN : 2424-2551
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ISSN-L : 2185-8977
15 巻
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 伊藤 幹二
    2023 年15 巻 p. 1-13
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
    増大する生活圏の雑草リスクは都市・市街地から農村地帯まで及んでいます.この状況は雑草植生自体の変化や除草作業の削減に帰されがちですが,雑草生態系が引き起こすリスクの本質を視ることなく,対症療法的対応を続けてきたことが最大の原因です.日本は戦後,官民あげて除草剤の導入に邁進し,それゆえ薬剤使用に何層もの法的規制を作り上げた結果,適切で多様な雑草対策の選択肢が著しく狭まることになりました.このように「原因:ペスト」よりも「手段:ペステイサイド」に焦点を当ててきた日本の問題点を,雑草リスク・管理への認識と対応の歴史的流れから考察し,さらに,国際情勢との乖離を示すため,欧米の雑草リスク管理の現状と国際的ルール(SPS協定など)をも紹介しています.
  • 黒川 俊二
    2023 年15 巻 p. 14-23
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
    一年生の帰化アサガオ類(アメリカアサガオ,マルバルコウ,マルバアサガオ,ホシアサガオ,マメアサガオ)は,種子休眠性を持ち埋土種子集団を形成すること,長期にわたって発生すること,つる性で作物によじ登ること,防除を必要とする期間が長いことなどからダイズ作を中心に農地で深刻な問題となっている.観賞用に持ち込まれた種と輸入穀物への種子混入によって持ち込まれた種があり,両者間で国内分布にも多少の違いがある.農地以外では路傍,鉄道,水路沿い,太陽光パネル下,都市部の植栽地など様々な場所で発生し,フェンス,ガードレール,電柱・電線などインフラ施設へつるの巻きつきによる雑草害も懸念される.一方で,それらの場所で発生している地域は限られており,国内外のこれまでの知見と合わせて考えると生活圏の緑地管理場面への侵略性は現段階では高くないと判断された.
  • 伊藤 操子
    2023 年15 巻 p. 24-35
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
    公園その他のインフラ,庭園,ゴルフ場コースなど生活圏に広がる芝地は,樹木と同様に永年性である「芝草」が形成する「芝生」と,共存する雑草,虫,微生物等および土壌で構成される「芝地生態系」です.そして,この生態系の質を左右する最大の要素は雑草であることから,雑草の水準を下げることが適切な芝地管理の基本となります.そのためには,芽が地際や地中にあり,芝地で受ける淘汰圧(刈込み・踏圧)に対して再生力旺盛な「芝地雑草」と称される一群の生活様式を把握する必要があります.これらの種が,いかに高度な適応戦略をもって芝地に生きているのか,スズメノカタビラ,ヒメクグ,メヒシバといった主要草種について,著者らの研究例をもとに具体的に説明しています.また,雑草の芝地への侵入・拡散様式,芝生との競争関係についても考察しました.
  • 佐治 健介
    2023 年15 巻 p. 36-42
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
    全国に2,000以上も存在するゴルフ場は,日本列島の土地利用史と風土に特徴づけられ,世界に類を見ない形で存在しています.また,その緑地は芝生と残地森林で構成され,まぎれもなく地域の重要なグリーンインフラです.「列島ゴルフ場の科学」(著者:伊藤幹二・伊藤操子,企画:NPO法人緑地雑草科学研究所)は,その視点で「日本のゴルフ場」を時間的・空間的な広がりの中で俯瞰した初めての本です.内容は4部で構成され,「世界に類のない日本のゴルフ場の特色」,「ゴルフ場緑地がもつ自然力」,「ゴルフ場緑地管理が難しくなっていく現実」を踏まえ,最後に「ゴルフ場の存続に何ができるのか」が考察されています.本書の特色をより理解していただくために,企画団体会員・ゴルフ場関係者数名から頂いた所感も掲載しています.
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