草と緑
Online ISSN : 2424-2551
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7 巻
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 伊藤 幹二
    2015 年7 巻 p. 2-11
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    近年のグローバル化の進展は,生物多様性・生態系サービスの環境的・経済的価値とその持続可能な利用・管理が国際的な規範となり,地域の生態系や社会が持続可能でなければ人類の発展はないと認識されている.雑草とは,人が環境を変えたことによって生まれる生物である.生活圏の様々な緑地生態系の理解や改善は,この非意図的に発生・生育する雑草の特性を無視しては成り立たない.緑地雑草生態系の現状と課題について,1.緑地雑草の侵入と繁茂 2.緑地雑草の生態系デイスサービス 3.緑地雑草生態系の特徴4.緑地雑草に関わる不都合な真実 5.緑地雑草生態系の管理の視点で解説した.今必要なことは,雑草問題を科学的に認識し,‘持続可能な雑草生態系管理基準づくり’と各種緑地の個別性に基づいた雑草の最良管理慣行を実行すること喫緊の課題である.
  • 稲垣 栄洋
    2015 年7 巻 p. 12-19
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 柴田 昌三
    2015 年7 巻 p. 20-29
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 伊藤 操子
    2015 年7 巻 p. 30-37
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    日本人にとって人里の草本として親しまれ利用されてきた「ヨモギ」の中身が,近年の社会の変化に対応して如何に変貌してきたか,ならびに今日の都市・市街地雑草としての旺盛な繁茂を支えている植物的特性である地下部の発達と機能を中心に解説している.ヨモギは古来,様々な効能をもつ民間薬,虫よけ,ほくち,もぐさ,また食用として利用されてきた.ヨモギが都市域で猛威を奮うようになったのは,このような利用がなくなったこともあるが,列島改造時代の土壌の大規模攪乱と客土もための土壌移動で大量の繁殖体の侵入・拡散があったこと,法面緑化用にヨモギの種子が大半国外産で遺伝的に多様化したことが考えられる.また,年間2回程度の刈取りはシュートの増加を促すにも関わらず,鉄道,道路,河川敷,空き地等がほとんどこの方法で管理されていることも,本草の増加につながったとみられる.一方,地下部の発達と機能をみると,根茎は親シュートの周りに放射状に形成され,その後秋季に二次,三次根茎は分枝し,それぞれの先端が上向き出芽したシュートを中心に同じことが毎年繰り返され広範囲に根茎系を広げる.伝播・繁殖は根茎断片と種子による.ヨモギの水分吸収力は非常に大で,夏季の水分競合が街路樹や植込みの枯れの原因となる.
  • 吉岡 俊人, 青山 のぞみ
    2015 年7 巻 p. 38-47
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    約200種ある水田雑草のおよそ2割は,山地や湿地の希少植物に比べても,とりわけ絶滅の危険度率が高いことが報告されている.この衝撃的な事実に接しても,身近なはずのある雑草が地球上から失われてしまうというような,切迫した危機感は持ちにくいかもしれない.アゼオトギリ(Hypericum oliganthum)は,その名のとおり,関東以西の水田畔に生えるオトギリソウ科の雑草である.この植物は,以前は,やや少ないながらも普通に見られたが,2000年の環境省調査では全国で約800個体のみの生存とされ,絶滅危惧IB類に指定された.福井県では,2008年に日本最大規模の個体群が発見されたが,用水パイプライン化工事の影響で,2010年には当時の2割弱の自生株数となった.ヒトが引き起こす生きものの危機ならば,人に生きもののことを知ってもらう他は,それを守る手立てはないだろう.ここでは,これまでまとまった知見がなかったアゼオトギリの植物像が初めて詳述される.本稿によって,アゼオトギリやその生育環境の保全に対する理解が進むことが期待される.
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