Analgesia Nociception Index( ANI )は心拍変動に基づき副交感神経活動を反映する指標であり, 全身麻酔中の侵害受容モニタとしての有用性を指摘されている. 本研究では, 下肢手術において全身麻酔下で施行された末梢神経ブロック(PNB)後のANI 上昇によるPNB の成功および覚醒時疼痛の予測についての有用性と, 残存痛に対するANI を指標にしたオピオイド
追加投与の妥当性を評価した. 前向き観察研究として,全身麻酔下で下肢手術を受けた成人30 例に術後PNBを施行した. ANI の最大値が10 以上上昇した場合を有効なPNB と定義し, 上昇が10 未満の場合はプロトコールに基づきフェンタニルを投与した. 覚醒時疼痛はNumeric Rating Scale (NRS) で評価した. 28 名について最終的な解析が成された. PNB 後のANI は有意に上昇した一方, フェンタニル後の変化は乏しかった. ANI の10 以上の上昇はNRS 4 未満を高い陽性的中率(0.91) で予測したが, 感度は限定的(0.42) であった. またANI 単独によるオピオイド調節には限界が示唆された.
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