岩手医科大学歯学雑誌
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2 巻, 3 号
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総説
原著
  • ネコの大脳皮質SIII areaで検出された歯髄性応答neuronの局在証明への応用
    鈴木 隆, 松本 範雄, 平 孝清, 高松 隆常, 林 謙一郎
    1977 年 2 巻 3 号 p. 136-144
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

    従来の電気凝固法によるmarking techniqueに改良を加え, spot sizeと電気量との相関を系統的に調査した。細胞外液と等価に考えられる模擬回路を用いtungsten微細電極に生ずる分極効果を調べたところ, 直流方式の分極効果は甚だ大きく電流は僅かに10秒しか流れなかった。そこで, 持続時間0.5秒, 1Hzの矩形波電流を用い分極を可及的に除去した。ネコの大脳皮質に微細電極を刺入し, 種々の条件で通電を行い, それにより生ずるelectrolytic lesionの大きさを指標に電気量(電流×通電時間/2)とspot 面積の関係を計測した。一定の電流の範囲内では, 電気量とspot面積は正比例した。このspot diameter-coulomb curveからmarkingに最適な電気量を求めたところ12×10-6~15×10-6 coulombであった。体性感覚野SIIIにある歯髄電気刺激に応ずる単1 neuronを電気生理学的に検出してのち, この方法を適用し, その細胞の局在部位を調べたところ, その細胞は前suprasylvian回の中部の第3層深部に位置していることが判明した。

  • 名和 橙黄雄, 石関 清人, 立花 民子
    1977 年 2 巻 3 号 p. 145-151
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

    生後1日目のウサギ新生仔臼歯のエナメル質表面の観察を行なった。Tomes’ process pitsは歯根側では蜂巣状で咬頭側では平滑化してくる。エナメル芽細胞はトームス突起を歯根側では蜂巣状の小窩に入れているが, 小窩の変化とともに植立が浅くなり, 縮合エナメル上皮の状態では多数の細胞質突起をエナメル表面に出してかろうじて接着している。エナメル芽細胞表層は中間層とおもわれる網状の線維構造で被われている。

    咬頭頂部のエナメル質は網状の線維構造をもった薄層で被われ, 構造的にはエナメル芽細胞を被う中間層と類似しているが, 正確な由来は不明である。

症例報告
  • 越前 和俊, 大淵 義孝, 小島 誠, 水野 明夫, 関山 三郎, 野田 三重子, 佐藤 良三
    1977 年 2 巻 3 号 p. 152-159
    発行日: 1977/11/15
    公開日: 2018/12/23
    ジャーナル フリー

    今回われわれは, 左側鼻前庭部に腫脹をきたしたものに摘出手術を施行し, 鼻歯槽嚢胞と診断された1症例を経験したので報告する。

    症例は47歳女性で, 約5~6年前左側鼻翼下部に圧痛を伴う腫脹が出現し, 某耳鼻科にて黄色粘稠性内容液の吸引を受け症状は消退したが, 約1年前より同様の症状が発現したため, 同耳鼻科より紹介された。局所々見としては, 左側鼻前庭外側より底部にかけ, 後方は下鼻道に至る, いわゆるGerber隆起が認められた。口腔内所見では相当歯肉唇移行部より鼻翼直下にかけ小指頭大, 半球状の暗赤色を呈する腫瘤が認められ, 約1mlの半透明な粘稠性内容液が吸引された。X線造影写真では梨状口左側下縁部上前方に16×15×11mmのひょうたん形の境界明瞭な造影像がみられ, 歯牙との関連はなく, 軟組織内に生じた嚢胞性疾患と考えられた。治療は2%リドカイン浸潤麻酔下に口腔内より嚢胞摘出術を行い経過良好である。病理組織像では, 嚢胞壁内面は呼吸上皮や重層扁平上皮により被覆されていた。上皮下は大部分粗な結合組織で形成され, 一部には密な膠原線維および 硝子化がみられた。臨床所見をも合わせ, 鼻歯槽嚢胞と診断された。

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例会記事
岩手医科大学歯学会第4回例会抄録
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