岩手医科大学歯学雑誌
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36 巻 , 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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研究
  • 羽田 朋弘, 三上 俊成
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 1-18
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    多形腺腫は唾液腺おいて最も高頻度に発生する良性の上皮性腫瘍である.導管上皮由来の細胞と,筋上皮細胞由来の細胞が二相性に増殖していることが病理学的特徴である.WT1遺伝子は小児腎腫瘍であるWilms腫瘍の原因遺伝子として単離されたが,現在ではさまざまな腫瘍においてWT1遺伝子および蛋白の発現が確認されている.しかし,多形腺腫での発現はいまだ明かでない.本研究では多形腺腫におけるWT1蛋白の発現を免疫組織化学的に検索し,腫瘍マーカーとしての有用性を検討した.また,併せてRT-PCRおよびin situ hybridizationにてWT1 mRNAの発現を検索した.免疫組織化学的検索には多形腺腫のホルマリン固定パラフィン包埋組織30例を用い,対象組織として正常唾液腺を使用した.また,多形腺腫8例においてRT-PCRを,さらに3例においてin situ hybridizationを行い,WT1 mRNAの検索を行った.その結果,多形腺腫30例の全例において増殖した腫瘍性筋上皮細胞にWT1蛋白の発現がみられた.RT-PCRでは8例中7例にWT1 mRNAの発現がみられ,in situ hybridizationでは増殖した筋上皮細胞にWT1 mRNAの発現がみられた.したがって,多形腺腫の腫瘍性筋上皮細胞にWT1蛋白およびWT1 mRNAが発現しており,本腫瘍の診断にあたって,抗WT1抗体を用いた免疫組織化学が腫瘍性筋上皮細胞マーカーとして有用であることが示唆された.
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  • 大橋 祐生, 藤村 朗
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 19-34
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    骨欠損に対して再生医学的アプローチをする上で,骨再生組織への新生血管による血液の供給や循環は,安定した骨の形成や感染防御の面において重要であると考えられる.本研究は,bFGF徐放システムによる骨再生モデルを用いて,マイクロフォーカスCTにより同一個体の経時的な骨再生の経過を観察し,連続組織標本を作製することで,骨再生と血管新生の関係を明らかにすることを目的とした.実験方法は,10週齢のWistar系ラットの頭頂骨に直径7mmの骨欠損を形成し,実験群にはbFGF 10μg含有酸性ゼラチンディスクを埋入した.また,対照群には同ディスクに生理食塩液を含浸させたものを埋入した.埋入後2日,1週,2週,4週に同一ラットをマイクロフォーカスCTにて撮影し,三次元画像解析ソフトにて三次元的に骨再生の経過を観察した.また,埋入後1週と4週に連続組織標本をFilm-transfer法にて作製し,H-E染色を行った後,冷却3CCDカメラ装着光学顕微鏡にて二次元コンピューター画像に入力し,再生骨と新生血管の同定を行った.実験の結果,マイクロフォーカスCT所見では,実験群は埋入後2日で再生現象を確認することができなかったが,埋入後1週,2週になると軽度の骨再生が認められ,4週まで継続していた.骨体積計測の結果,埋入後2日,1週,2週では実験群と対照群との間に有意差は認められなかったが,4週には対照群に対し実験群では有意に体積が増加していた(P<0.05).このことから,bFGFによる骨再生誘導は埋入後1週から2週の時期から行われ,4週には骨再生が行われていることが示唆された.組織学的評価では,埋入後1週において,新生血管は,対照群に対し実験群は有意に多く観察された(P<0.001).また,埋入後4週においても実験群は有意に多くの新生血管が観察された(P<0.001).これにより実験群は多数の新生血管により継続的に栄養供給が十分に行われていることが示唆された.以上のことから,骨欠損部へのbFGF含有のAGD埋入によりbFGFが徐放され,血管新生により血液循環と骨断端部への栄養供給が行われ,骨再生誘導に効果を現していることが考えられた.
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  • 鳥谷 悠, 小林 琢也
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 35-45
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    高齢化が進む中で,咀嚼が心身に及ぼす効果が注目され,口腔機能の維持は生命維持に不可欠であることが明らかにされている.口腔に機能障害を持った際の全身や脳機能に及ぼす影響は,動物実験を中心に検討が進められており,ヒトにおける口腔機能と脳機能との関係については不明な点が多い.近年,非侵襲的脳機能マッピング法が広く応用されるようになり,健常若年者におけるTapping,Clenching,咀嚼運動などの口腔機能と脳活動の基礎的データが集積されている.しかし,健常高齢者における加齢と口腔との関係を脳機能の観点から検討した報告はほとんどない.そこで,本研究では,加齢が咀嚼時の脳機能活動に変化を与えるか否かを明らかにすることを目的とし,若年者と高齢者の咀嚼時の脳機能活動の変化を3T-fMRIを用いて検討した.対象は,健常若年有歯顎者9名と健常高齢有歯顎者10名とした.実験課題は咀嚼様運動と咀嚼運動の2課題とした.実験タスクは30秒間の安静と,30秒間の運動課題を交互に3回繰り返すブロックデザインとし,画像解析には画像解析ソフトSPM5を用いた.その結果,単純な開閉口運動に近い咀嚼様運動時では,若年有歯顎群と高齢有歯顎群とも一次運動野,体性感覚野,補足運動野で同様に賦活を認め,賦活に違いを認めなかった.しかし,咀嚼運動では若年者と高齢者の脳賦活の様相は異なることが明らかとなった.若年有歯顎群では,一次運動野,補足運動野,体性感覚野,視床,大脳基底核,小脳に賦活を認めた.高齢有歯顎群では若年有歯顎群で認めた賦活部位に加えて,前頭前野での賦活と補足運動野の賦活の広がりを認めた.このことより,高齢者において同じ運動に対してより広範な脳領域が活性化されることは,加齢により低下した機能を代償するために若年者では活性化されない運動神経回路を構築して機能を維持している可能性が示唆された.
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  • 佐藤 和朗, 村田 純一郎, 富岡 宗弘, 清野 幸男, 横田 光正, 水城 春美, 三浦 廣行
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 46-52
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    左右非対称のない下顎前突症患者に対する下顎枝矢状分割術において,ポリ-L-乳酸製(PLLA)ミニプレート固定法による術後の顎態の安定性について検討を行った.両側下顎枝矢状分割術(SSRO)を施行し,下顎骨の後退量に左右差のない患者40名(男性17名,女性23名)を対象とした.これらの骨固定に際し,PLLAミニプレートを使用した患者22名(男性9名,女性13名)をPLLAプレート群とし,チタンミニプレートを使用した患者18名(男性8名,女性10名)をチタンプレート群とした.手術直前,手術後1か月,手術後1年に撮影した側面頭部X線規格写真の分析を行い,顎態の安定性について検討した.その結果,手術後1年ではPLLAプレート群およびチタンプレート群両群の男女ともに著しい後戻り様変化は認めなかった.このことから,SSROを用いた左右差のない下顎後退術に対するPLLAミニプレート固定は,術後顎態の安定性の観点からはチタンミニプレート固定と比較して何ら問題点はなく,プレートの除去手術が回避できる点で有益であると考えられる.アレルギーの有無や,顎骨の移動量等を総合的に判断し,PLLAミニプレートかチタンミニプレートを選択することができると考えられる.
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症例
  • 成石 浩司, 澤田 俊輔, 村井 治, 武田 泰典, 川村 貴史, 若林 香枝, 桑島 幸紀, 三浦 廣行, 國松 和司
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 53-58
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    水酸化カルシウム製剤は,根未完成歯のアペキシフィケーションに用いる薬剤である.我々は,8歳の男児が転倒時に顔面を殴打し,右側上顎中切歯が完全脱臼した症例を経験した.脱臼歯は早急に整復固定したものの失活歯となり,同時に歯肉腫脹も認めたため,根管治療(アペキシフィケーション)が必要と診断された.根管内の失活歯髄を除去した後,市販の水酸化カルシウム製剤を適応した後,症状は速やかに改善した.今後約2〜3年の経過観察の後,最終根管充填処置を行う必要があると考えられる.
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  • 齋藤 大嗣, 青村 知幸, 古城 慎太郎, 香木 千尋, 羽田 朋弘, 水城 春美, 三上 俊成, 武田 泰典
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 59-64
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    石灰化嚢胞性歯原性腫瘍(以下CCOT)は病理組織学的に,裏装上皮内にghost cellの出現とそれらの石灰化を特徴とし,また,歯牙腫をはじめとする歯原性腫瘍を合併することがある.さらに,CCOT症例の半数前後は埋伏歯を伴うことが知られているが,複数の埋伏過剰歯を伴うことは稀である。今回われわれは,歯牙腫と8本の埋伏過剰歯を伴ったCCOTの1例を経験したので,その概要を報告する.症例は40歳代の男性で,近歯科医院を受診した際にX線検査にて右側上顎洞部に嚢胞様透過像が認められ,精査・加療目的に当科紹介となった.初診時,上顎右側側切歯から右側第一大臼歯部の頬側歯肉に弾性軟の腫脹を認め,波動が触知された.CTにて,右側上顎洞および鼻腔の下部に境界明瞭で単胞性の嚢胞様病変を認め,病変内部に大小の石灰化像および歯牙様石灰化像を認めた.全身麻酔下にて摘出術および対孔形成術を施行した.摘出組織ではCCOTとともに歯牙腫ならびに8本の埋伏歯を認めた.病理組織学的に上皮層内にghost cellとその石灰化がみられた.文献的に本症例のように複数の埋伏過剰歯を伴ったCCOTはきわめてまれであった.
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  • 川村 貴史, 千葉 卓, 八木 正篤, 古城 慎太郎, 瀬川 清, 水城 春美, 三上 俊成, 佐藤 泰生, 武田 泰典
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 65-70
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    類腱型のエナメル上皮腫(desmoplastic ameloblastoma:DA)は,エナメル上皮腫の一亜型で,豊富な膠原線維の増生からなる間質と石鹸泡状のエックス線透過像を特徴とする.DAは,X線学的に境界不明瞭で,腫瘍周囲の被膜がないため切除範囲の設定が困難で,典型的なエナメル上皮腫と比較して,再発の割合が高いと考えられている.2006年9月,58歳の男性が,下顎右側臼歯部歯肉の腫脹と顎骨の膨隆にて近医より当科を紹介受診した.画像所見において,腫瘍の境界は不明瞭で,腫瘍は下顎骨下縁にまで及んでいた.生検の結果,組織学的に類腱型のエナメル上皮腫と診断された.下顎区域切除術ならびにチタンメッシュトレーと腸骨からのPCBMによる下顎骨再建を施行した.術後4年経過した現在,再発はみられていない.
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  • 間山 寿代, 福田 大介, 清野 幸男, 三浦 廣行
    原稿種別: 本文
    36 巻 (2011) 1 号 p. 71-78
    公開日: 2017/03/07
    ジャーナル フリー
    初診時年齢9歳0か月の女児で,埋伏した上顎右側中切歯と位置異常の犬歯を伴った骨格性III級の一症例を報告する.埋伏した中切歯は逆生で歯根が屈曲していた.中切歯を抜去後,犬歯は抜去した中切歯の位置に自然に移動したが萌出は認められなかったため,上顎歯列にNanceのホールディングアーチを装着し犬歯の牽引を開始した.上顎犬歯はマルチブラケット装置を使用して十分なスペースを獲得した後,中切歯の位置に排列した.骨格性III級に対しては,上顎前方牽引装置を適用し顎間関係の改善を行った.マルチブラケットによる治療期間は,犬歯のスペース獲得のために11か月,牽引のために1年4か月,下顎を含めた全顎的な歯の排列のために2年11か月を要した.中切歯部に排列された犬歯は機能的にも問題はなく,形態修正を施すことにより審美的回復を得ることができた.
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岩手医科大学歯学会第71回例会抄録
特別講演
受賞講演Ⅰ
受賞講演Ⅱ
一般演題
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