本実験では,下顎切歯の歯間離開処置がマウスの情動行動に及ぼす影響を検討した.40匹のマウスを用い,対照群20匹と歯間離開処置を行った処置群20匹に分け,情動行動の評価として強制水泳法に基づくswimming behavior,climbing behavior,immobility behaviorを測定した.測定は,歯間離開処置後1日目,2日目,7日目に行った.その結果,処置群では対照群と比較してclimbing behaviorが1日目と2日目で有意に増加し,immobility behaviorが1日目と2日目で有意に減少していた.以上の結果から,歯間離開処置はマウスの情動機能に一時的な影響を及ぼす可能性が示唆される.
抄録全体を表示