アカヒレタビラ Acheilognathus tabira (a) sensu Nakamura (1969) の卵は鶏卵形で,稚魚の背びれにはセボシタビラ A. tabira subsp. (b) sensu Nakamura のような黒斑がないことが知られている.宮城県名取川水系の農業水路で採集したアカヒレタビラの成魚および稚魚を観察したところ,搾出完熟卵は長楕円形で(長径2.50±0.063mm,短径1.22±0.085mm),稚魚の背びれには黒斑がなく,黒色素胞が広い範囲に散在していた.種としてのタビラまたはアカヒレタビラには従来知られていない変異がある.