くも膜下出血の典型的な症状は「突然の激しい頭痛、嘔気・嘔吐」である。くも膜下出血で背部痛を主訴に受診する例は極めて稀であり、背部痛の原因精査時に偶発的に早期診断・治療し、救命できたくも膜下出血の1例を教訓的な症例として報告する。
症例は70歳代の女性。搬送当日の昼頃から突然の背部痛が出現し、痛みは背部から頸部に移動し大動脈疾患疑いで救急搬送された。
来院後の血圧は高値が継続していたが左右差はなかった。軽度だが後頸部痛の訴えもあり体幹造影CT検査に加え頭部CT検査も行い、くも膜下出血の診断に至った。第1病日に開頭クリッピング術、スパイナルドレナージ術が施行され、第50病日に独歩で自宅退院した。非典型的な症状であっても致死的な頭蓋内病変が隠れていることに留意しなくてはならず、詳細な問診・身体診察をもとに本疾患を早期発見・治療し社会復帰が可能となった症例であった。
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