本研究の目的は救急初療室での看取り経験で救急看護師が感じるモラルディストレスとその対処を明らかにすることである.救急初療室での看取り経験がある看護師11名を対象に,半構造化面接を行い,得られたデータを質的に分析した.分析の結果,救急看護師が感じたモラルディストレスは【家族の心情を汲んだケアができない不全感】【患者へ最善のケアができない無力感】【家族へ意思決定支援ができない後悔】【医師と話し合う機会を持てないことへの虚しさ】を含む4つのカテゴリが抽出され,モラルディストレスを感じた時の対処は【蘇生処置が行われる状況で感じた怒りを他者へ話す】【蘇生処置で感じた感情は抑圧し他者に表出しない】【看取りの時間を作れなかった後悔を他者へ吐露する】【初療で行うべき行動が取れなかった経験を省察する】を含む6つのカテゴリが抽出された.看取りを経験した看護師は様々な場面からモラルディストレスを感じており,違和感やジレンマを共有する機会を持つ必要性が示唆された.
本研究の目的は,看護基礎教育において専門看護師資格をもつ大学教員(University Faculty Qualified as Certified Nurse Specialist:以下CNS大学教員)が行っている教育実践内容を明らかにすることである.CNS大学教員8名に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.分析結果より385のコード,14のサブカテゴリーから,5のカテゴリーが抽出された.CNS大学教員が看護基礎教育における看護実践力向上のための教育実践内容は,CNS教育課程で培った知識と臨床経験から【観察力を鍛える】【臨床の知を活かす】力を活用し,学生に【創造性を高める】教育実践を行い,【プロフェショナルリズムの育成】を行っていた.さらに,看護基礎教育での経験が少ないことから《教育者としての未熟さ》を実感しつつも,基礎教育における【自己の能力開発】として看護実践力向上に向けて自己研鑽を行っていることが明らかとなった.
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