動物の行動と管理学会誌
Online ISSN : 2435-0397
55 巻 , 2 号
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原著論文
  • 張 珣, 韓 芳, 周 子娟, 陳 大朋, 植竹 勝治, 王 靖宇, 田中 智夫
    2019 年 55 巻 2 号 p. 71-81
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/09/03
    ジャーナル フリー

    盲導犬訓練のコストを削減するために、早期適性判断の研究が多く行われてきた。本研究は、改良されたパッシブテスト(MPT)における行動反応と心拍数との関連性を明らかにすることを目的とした。実験対象はラブラドール・レトリーバー51頭、ゴールデン・レトリーバー13頭、ラブラドールとゴールデンのミックス2頭、計66頭を用いた。8ヵ月の訓練の前にMPTを行い、ビデオで行動を記録した。心拍数の変化は、RS 800CX Polar-System心拍数モニターによって記録された。訓練後、中国大連盲導犬訓練センターによって、37頭が盲導犬失格と判定された(FGD)。MPTを用い、犬の活動レベルとオーナーへのアタッチメントを検討した。その結果、盲導犬として合格と判定された候補犬(GD)の活動レベル(2.22±0.10)はFGD(3.12±0.16)より有意に低かった(P<0.001)。アタッチメントレベルには、両群間に有意差は認められなかったが、エピソード1において、GD(3.34 ± 0.15)はFGD(2.78 ± 0.19)より有意に高く(P<0.05)オーナーに対してより安定した愛着度を持つと考えられた。低活動レベル(<2.5)の候補犬では、GDの安静時心拍数はFGDより有意に高かった(P<0.001)。この研究により、活動レベルが低く、オーナーに対する安定した愛着を持ち、安静時の心拍数が高い候補犬が、盲導犬としての訓練性に優れることが示唆された。

  • 増田 洋史, 福森 理加, 箭内 莉奈, 竹内 絢香, サラントラガ , 杉野 利久, 長尾 慶和
    2019 年 55 巻 2 号 p. 82-93
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/09/03
    ジャーナル フリー

    本研究では、中鎖脂肪酸カルシウム(MCFA-Ca)給与が離乳期の肉用子ウシの発育性および栄養代謝に及ぼす効果について調査した。ホルスタイン種と黒毛和種の交雑種オス子ウシ16頭を8頭ずつ2群に分けた(MCFA-Ca区およびコントロール区)。全ての子牛は121日齢で離乳した。離乳10日前(Day-10)から離乳84日後(Day84)にわたり、MCFA-Ca区の子ウシにはMCFA-Caを含む添加剤(MCFA-Caとして1日27g)と配合飼料を給与した。コントロール区にはMCFA-Caを含まない添加剤と配合飼料を給与した。チモシーは自由採食とした。測定項目について、添加剤および配合飼料の摂取量を毎日記録した。また、Day-10, 0, 13, 22, 50および84において体重測定および採血を行い、血中代謝産物濃度(グルコース、総コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、総ケトン体、尿素態窒素)および代謝性ホルモン濃度(インスリン様成長因子1; IGF-1、インスリン、成長ホルモン、グルカゴン)を測定した。その結果、試験期間における添加剤や配合飼料の摂取量、平均日増体重および血中代謝産物濃度については、両処理区で有意な差は認められなかった。しかしながら、離乳後のインスリン濃度がコントロール区に対して、MCFA-Ca区で有意に低く推移した。また、試験期間を通じてIGF-1濃度がコントロール区に対して、MCFA-Ca区で有意に高く推移した。以上から、離乳期の肉用子ウシへの中鎖脂肪酸カルシウム給与は発育性に影響することなく、代謝性ホルモンの分泌を変化させることが明らかとなった。

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