ブリーフサイコセラピー研究
Online ISSN : 2432-9371
Print ISSN : 1880-5132
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研究報告
  • 辻本 聡
    2019 年 28 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2019/11/09
    ジャーナル 認証あり

    神経言語プログラミング(Neuro-Linguistic Programming: NLP)は人間のコミュニケーションや学習の仕方,それに基づいた治療の方法論が体系化されたもので,誰しもが優れた結果を得るために活用できるとされている。しかし,技法が発展する中,本来は来談者の内的体験を重視する治療姿勢であったはずが,方法論が手順化されているために治療者の援助が単純化され,来談者の体験が軽視されているという問題が指摘されている。また,中には複雑な技法もあるため,治療者が行使する特殊な技能とみなされやすく,来談者の主体的な活用が困難になるということも生じる。本稿では,改めてNLPの概説に触れた上で,フラッシュバックによって外出困難となった事例を提示し,NLPの基本とされるモデルやツール,技法の活用で改善に至った経過を報告し,来談者自ら実施できる効果的なNLP治療について考察した。事例からは,1)症状を「体験様式」として再構成する,2)「地図」による見立ての共有,3)技法の「練習」,といった工夫によって,来談者と共同したNLPの実践が可能となり,基本的な技法でも治療効果を高めることができると同時に,NLPが本来志向する「来談者自らが活用可能」という目的を果たせることが示唆された。

  • 廣瀬 雄一
    2019 年 28 巻 1 号 p. 14-25
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2019/11/09
    ジャーナル 認証あり

    本研究で筆者は,ナラティヴ・セラピーにおける外在化と脱構築にあたっての留意点について,事例をもとに検討した。自責感に悩むうつ病の男性クライエントは当初,セラピストが外在化を試みた問題を切り離すことに難色を示した。「手を切れない」と言ってその問題と対抗することをためらったのである。しかしそこに持ち込まれた森田療法の,すっきりしない感覚を受け入れ,それを切り離すのではなく共存しようとするあり方は,脱構築と治療の進展を促した。また本研究はナラティヴ・セラピーを日本での臨床においてどう効果的なものにするか,という検討としても重要な意義をもつと考えられた。

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