本報告の目的は,子どもをめぐる関係者間の連携における早期ダイアローグによるミーティング(以下,EDミーティング),およびフォローアップミーティングの効果を,一つの事例を通して検討することである。フィンランドでは,早期ダイアローグは「未来語りのダイアローグ」の土台とされており,支援の早い段階から関係者との協力関係を構築するために,支援者が自らの懸念を表明して協力を求めることが特徴である。
ここでは,小学校でファシリテーターによるEDミーティングとフォローアップミーティングを試みたプロセスを検討した。ミーティングへの参加者は,ミーティングを要請した支援者と登校が難しくなった児童の両親,学校の担任と校長の5名で,そこにファシリテーター2名が加わった。2つのミーティングを通して,支援者の懸念は軽減され,参加者間の関係は変化した。それらのプロセスは,両親と児童の親子関係や,学校における児童と教員の関係にも影響したことが推測された。
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