近年商業施設等において,人の数の計測を行うことは,混雑の緩和やマーケティング効率の向上に繋がるため重要なものとなっている.そこで人数計測を行うには導入コストがかからないwebカメラを使った画像処理による手法が適していると考えられるが,従来の手法では人物の重なりで精度が低下するため,本研究では重なりを考慮した手法を提案する.
近年では, 小型飛行ロボットの幅広い応用に向けた研究開発が進んでいる.我々は, 小型飛行ロボットを導入した屋内案内システムの構築について取り組んでおり, その一環として、小型飛行ロボットを導入した人追従システムについて検討を行っている.本システムでは飛行ロボットに搭載した単眼カメラを用い, 人体向き推定を行う.そして, 推定した人体向きの動きに従って, 飛行ロボットが人追従を行うシステムの実現を目指す.本論文では主にその人体の向き推定についての検討結果を述べる.
ステレオカメラを用いる歩行者検出手法では、ステレオマッチングを用いた手法が多く提案されている。ステレオマッチングでは、対応点探索処理を行っているため、計算量が莫大という問題がある。本稿では、3台のカメラを用いることで対応点探索処理を行わずに任意の3次元領域に存在する対象物を認識できる計算量の少ないシステムを提案する。
2台のカメラを用いることで駐車場における、空きスペース検出手法を提案する。両カメラから得られた画像に、2種類の射影変換を施し、画像間の位置ずれの違いに基づいて空きスペースかどうかを判定する。路面が重なる射影変換と、車両のバンパー部が重なるものを用いる。後者の変換係数は2本のポールを用いて求める。
本研究では、霧の時に、車載ステレオカメラでリアルタイムに障害物認識する効果向上のために、霧の写真特徴を分析し、アルゴリズムを提出しました。引導フィルタの原理を説明し、引導フィルタとブロックマッチングと組み合わせ、認識向上の結果を分析しました。そして、霧の天気状況に対応するため、フィルタパラメーターの設定と霧削除の効果の関係を分析しました。
DLPプロジェクタを用いて投影される出力画像の量子化手法について考える。量子化によるフレームレートの向上など、映像表示システムとしての能力を高めることが可能となる。本研究ではDLPプロジェクタを構成するカラーホイールの設計問題を扱い、量子化画像における光量と画質の関係について解析を行う。
近年,電子機器の操作方法において直感的で分かりやすい操作が可能なNUIが注目されている.本発表ではKinectを用いたジェスチャ認識と指先本数認識によるTV操作を行うNUIシステムの構築を試みる.また,ジェスチャ認識については軌跡の閾値による認識と機械学習による認識の2種の認識精度について比較考察を行う.
近年,タブレット端末利用の需要が高まっており,市場も拡大傾向にある.しかし,タブレット端末を使用する際に不便だと感じたことの調査では,文字入力がしにくいという回答が多数存在する.市場で流通している入力装置では,価格や可搬性の低下といった問題があるためAR技術とタブレットPC内臓のカメラを用いた入力装置を提案する.
本研究では,操作者の顔の向きに応じた遠隔地の映像を表示する遠隔地回視システムについて,操作者の動作を視覚情報として受取るまでの遅延が,操作性にどのような影響を与えるかを検証した.ヒューマンオペレータの制御特性を対象物を捉え続ける動作から,McRuerのクロスオーバーモデルを用いて解析を行った.
海洋温度差発電(OTEC)とは海洋表層の温海水と深層の冷海水との温度差を利用して発電するシステムのことである.海洋上の設置が想定されるOTECプラントの遠隔監視システムがこれまでに開発されているが,本研究ではOTECからの取得データの情報がよりクライアント側に伝わるようにするためにユーザインターフェイス機能を向上させた監視システムの開発を行う.
本研究では大学等の教育機関の学生実験において、パソコンだけでなくタブレット端末を活用したモデルベースに基づいた効果的な制御教育を支援するシステムを開発します。本システムでは複数台の端末で情報を共有しつつ分担して作業を進めることができるので、学生たちは協力して実験を行うことができます。
非線形連続-離散モデルに対する非ガウス型のフィルタとスムーザについて講演する。まず、Fokker-Planck方程式の解に正規性を仮定することで非ガウス型のフィルタ式を導出し、重点サンプリングの手法を導入する。そしてこのフィルタに基づく非ガウス型のスムーザを提案する。最後に、ベンチマーク問題を使用したシミュレーションにより各アルゴリズムの性能を検証する。
無線通信では信号を伝送する際にアナログ信号からデジタル信号に量子化する。その際に量子化誤差が生じるが、この量子化誤差がシステムへ大きな影響を及ぼし、所望の結果が得られない場合がある。本研究ではΔΣ変調器をA/Dコンバータとして用いて、併合システムにおける量子化誤差による影響を低減化させる手法を挙げる.
多変数のメカニカルシステムに対する状態と未知入力を推定する方法を提案する.最適レギュレータの極限特性により得られるフィードバックゲインの陽表現を利用して,容易に状態推定器と未知入力推定器が導かれることを明らかにするとともに推定器の低次元化手法についても考察する.また数値シミュレーションにより提案する手法の有効性を検証する.
すでに,筆者らは,2次評価関数の下での定常Kalman-Bucyフィルタのための最適観測ゲイン行列を求める問題について考察し,最適性の条件と最適解の計算方法を提案している。しかしながら,従来のアルゴリズムでは,誤差共分散行列について,逆行列演算を頻繁に実行することが要求され,次元の高いシステムへの応用は困難であった。本論文では,この逆行列演算の頻度を飛躍的に減少させることができるアルゴリズムを提案し,数値例にてその有効性を明らかにする。
筆者らは,すでに,2次評価関数のもとでの定常Kalman-Bucyフィルターのための最適観測問題について考察し,最適性の条件と最適解の計算方法を導出している。ここでは,ある時刻まで時不変の係数行列を持つ定常Kalman-Bucyフィルターがその時刻において最適観測を用いた定常状態にあるとき,この時刻以降に係数行列が時間変動した際に,最適観測ゲイン行列を求める問題を考察する。各時刻のパラメータ・セットに対する定常解により与えられる観測ゲイン行列と最適観測ゲイン行列との関係について考察する。
非線形制御理論では,同次システムが指数安定性,有限時間安定性などの漸近安定性を示すことが知られている.本発表では確率同次システムについて収束率を考慮した安定性を議論し,それらの安定性の条件を確率リアプノフ安定論に基づいて示す.さらに,確率同次システムに対する同次制御則の設計法を示し,収束率を保証した漸近安定化が可能となることを示す.
確率ノイズが加わる非線形ダイナミカルシステムの安定性をリアプノフ型関数として特徴化する問題を取り扱う。従来の結果では、遠方ノイズ直交性の仮定が必要であったが、本発表ではこれを完全に取り除くことが可能であることを示す。結合システムの取り扱いにおいて、新たに可能となることも明らかにする。
本講演では,離散時間確率システムの実用確率漸近安定性に関する定理を示す.主結果として,まず確率的1ステップConsistencyという性質を定義する.つぎに,この性質を有する離散時間確率近似モデルを考え,このモデルの安定性から,対象とする厳密離散時間確率システムの実用確率漸近安定性が導かれることを示す.
本研究では,マルコフ過程に依存したランダム行列を介して状態が遷移する離散時間確率系を扱う.まず,そのマルコフ過程(したがって対応するランダム行列)に不確かさがない場合について,LMIに基づく安定条件を示す.続いて,系が確率的ポリトープで特徴づけられる形で不確かであるとした仮定のもとで,その条件をロバスト安定条件へ拡張する.
本稿では,ネットワーク化制御における消費電力を考慮した自己駆動制御を提案する。提案法では、プラントが毎時刻ではなく必要なときのみコントローラと通信し制御することで、通信の頻度を削減し省電力化を実現する。さらに本稿ではアクチュエータや物理的制約などの制約も陽に考慮した設計を行なう。これを実現するため、縮小集合の概念を用いることによりシステムの可安定領域を特徴付ける。
本研究では,電力ネットワークシステム等の多数のサブシステムからなる大規模系の制御問題に対し,階層的で分散的な制御系設計のアーキテクチャを提案する.特にサブシステム集団のアグリゲーション,ローカルな制御,グローバルな制御目標との関係を議論する.
本論文では,木構造を有するセンサネットワークを用いた分散的な遅れ補償状態推定方を提案する.提案手法において,各ノードは隣接ノードとのみ通信を行い,情報統合を行う.また各ノードでの推定値は統合された情報を元に計算する,推定誤差の収束は観測値に複数遅延を持つオブザーバの誤差収束の問題へと帰着される.
本研究では,ヘテロジニアスなダイナミクスをもつ大規模なマルチエージェントシステムに対して,効率的にフォーメーション制御問題の解決を目的とする.本稿では,固有構造配置法を階層的に用いた手法の提案とその正当性の証明及び,シミュレーションによりフォーメーション制御問題を効率的に解決できることを示す.
本稿では、不均一なサブシステムからなる階層ネットワーク構造を持つマルチエージェントシステムの代数的連結度を求める方法を提案している。ここでは、均一なサブシステムに対する著者らの結果を拡張する。サブシステムが不均一な場合もそれらがある代数的条件を満足すれば、均一な場合と同様に代数的連結度が計算できることを明らかにする。
我々は内閣府SIPプロジェクトにおいて,多種多様な消費者の嗜好・状況を考慮し新たな価値を共創するテーラーメイド設計・生産システムを提案し,その検証・可視化に向けたスマートファクトリシステムを構築している.本発表では,納期や費用に対するユーザの希望を考慮し,製造スケジュールの変更・調整を可能にする運用法を検討し,スマートファクトリ実機で検証を行う.
マスカスタマイゼーションを対象とする日程計画立案を目指す。総納期遅れ最小化を目的として、計画段階では組合せオークションを適用し企業及び顧客にとって全体最適な計画を立案する。運用段階では特急オーダに素早く対応するためシングルオークションを適用し、顧客が希望する納期に間に合うように計画を修正する。計算機実験を行い、その有効性を評価する。
鉄道の運行スケジュールに対し,乗務員を割り当てることを乗務員スケジューリング問題という.本稿では,急行列車と各駅停車が混在する大手私鉄を対象とした乗務員スケジュールの自動作成について述べる.スケジュールの作成は,作成過程での組み合わせ爆発を回避するために,「部分行路」を用いた段階的な最適化により行う.
空港に到着する航空機は適切な時間間隔を保ちながら滑走路の手前で1列に合流する.移動体の軌道と到着順序を最適化する手法を合流最適化手法と呼ぶ.従来手法は1つの合流点しか扱うことができなかったが,大空港は平行滑走路を持つため複数の合流点を扱うことができる合流最適化手法が必要である.本研究では複数合流点に対応した手法を提案する.
本論文では,マルチボディダイナミクスに基づいて,大型重量構造物の搬送を担う5つの車軸と3つのステアリングを有する連結車両システムにおいて,各車軸,各関節に掛かる力を算出する数学的な枠組みを新たに提案する.これらの力を定量的に解析することで,搬送対象物の転倒,横滑り等の危険を回避することが可能になる.
予防安全技術の一つとして,後輪の左右の駆動力差を使用したスリップ現象の軽減が行われている.これは従来の前輪操舵に加え後輪の左右の駆動力差を用いることで車両がスリップした際にも車両の安定性を保つものである.本論文では各タイヤの摩擦限界を拘束条件とし,これを破ることなく目標軌道への追従を達成する車両運動制御をモデル予測制御を用いて行う.
超小型4輪インホイールモータ電気自動車に対して階層的な制御系設計の方法が提案された.これはモデルを三つの階層に分け,それぞれの階層に対して制御器を設計する手法である.本論文では階層の一つである電気自動車の剛体運動に着目し,ヨーレートに関する規範モデルが速度に依存する場合に対してモデルマッチング法を用いて制御器を設計する.
車両を対象とした制御応用技術の発展により、近年、様々な車両運動制御システムが開発されている。特に大型車は操縦安定性を失いやすく、横転防止を目的とした研究も盛んである。本稿では、アクティブエアサスペンションを装備した大型車を対象に、コーナリング時における走行安定性の向上を図る制御手法を検討する。
地球温暖化や資源枯渇問題などを背景に,太陽光発電を活用した分散型電源の導入が進展している.しかしながら,太陽光発電設備の認定量が電力会社の接続可能量試算値を超過したことから,出力抑制指令に対応可能なインバータを使用することが条件となりつつある.本研究では,電力会社からの出力抑制指令への対応が可能なインバータ群の分散制御手法の実機検証を目的とする.
本研究では風力発電を大規模導入した電力システムにおいて、ヒートポンプに対して電力価格を提示して需要を喚起・抑制しつつ、蓄電池と火力発電機を制御することで需給一致を目指す。ヒートポンプを直接制御できるとした先行研究のモデルを用いて、ヒートポンプに対して価格提示を行う場合でも同等の需給調整能力が得られることを示す。
経済産業省が実施した「次世代エネルギー・社会システム実証事業」の一つとして、北九州市において行われたデマンドレスポンス社会実証をもとに、手動で節電を行う家庭の特徴を述べる。特に、電力価格の上昇に応じて一気に最大限の節電を行う家庭の割合と特徴をまとめる。
本論文は,イングランド・ウェールズの電力市場のベンチマークモデルを利用し,区分的線形モデルを用いて表現される一日前市場を考慮した先物市場における電力供給戦略を考える.特に,先物市場の電力供給戦略としてQ学習を用いることで,両市場で得られる利益を最大化する電力供給戦略を導出する.また,得られた先物市場と一日前市場の電力供給戦略の関係性を解析する.
将来の自由化されたエネルギー市場において,大規模な数の需要者との取引やデマンドレスポンスを行うアグリゲータが重要な役割を担うと考えられている.本研究では,1個の公益事業体,数個のアグリゲータ,多数の需要者からなるエネルギー需要ネットワークを考え,市場支配力を最大化するアグリゲータの設計とその特性について議論する.
本研究では,線形対称エージェントを持つ有向グラフ上のマルチエージェントシステムにおいて,エージェントが通信を行う際に外乱が発生すると仮定した場合の確率的な合意解析を行う.また,事前に得られる情報のみから,達成したい平均合意までの反復回数を求める停止則の解析も行う.
合意ネットワークのエッジ切替に関して,その外乱に対する感度の解析が行われている.そこでは,切替L2ゲインが切替後のトポロジーに依存しないことが示されていた.本研究は,その理由が切替後の出力のL2ノルムが切替後のトポロジーに依存しないためであることをあきらかにした.
本稿では電力市場における電力価格設計問題を扱う.電力需要家や電力供給者の意思決定として,常に最適な行動を選択するとは限らないリグレットマッチングを用いることで現実的なモデル構築を行う.また,収束性として本手法の解が相関均衡を満たすことを示す.最後に数値シミュレーションによって提案手法の有効性を確認する.
RBFを利用した性状推定
近年,自動車のエンジンは制御が複雑化しており,データの計測に大幅な時間を費やす.この問題に対し実験計画法による自動計測にて時間短縮に取り組んできたが,運転限界領域まで計測ができず計測誤差が生じてしまう.本研究にて,運転限界領域まで計測を可能とする実験手法を提案し計測精度の改善を行う.
天井クレーンによる液体搬送システムの制御系設計について報告する.タンク・ロッド連成系に対して,ロッド及びスロッシングを抑制する制御系として,ノッチフィルタ状のFF制御器とH2/H∞制御系設計を用いたFB制御器による2自由度制御器を設計する.設計した制御器を用いて実験を行い,その有効性について検証する.
東京ガス4番目のLNG受入基地として2016年3月に営業運転を開始した日立LNG基地において、従来は運転開始後に構築していた訓練シミュレータを基地建設中に先行構築し、プラント制御システムのソフトウェア製作・検査過程におけるソフトウェアの妥当性検証に活用した。また、基地操業の更なる高質化を志向して、プラント制御システムのオンラインで動作するダイナミックシミュレータを構築したため、それらの取組みについて報告する。
ブロック積み替え問題とは,コンテナターミナルにおけるコンテナのように,何層かに積まれたブロックを決められた順序で取り出す際,必要となる積み替えの回数を最小化する問題である.本研究では,ブロック積み替え問題に対する分枝限定法において,既探索の部分問題を効率的に判定するために,memory-based dominanceの適用を試みる.そして,数値実験によりその有効性を検討する.
一次ハイブリッドペトリネット(FOHPN)の拡張と実問題への適用に関する研究を行っている。本論文では、一次ハイブリッドペトリネットによる交通信号制御問題と経路選択問題の最適化モデルの提案をする。交通信号制御問題は一次ハイブリッドペトリネットの最適発火系列問題として表される。多くの従来研究において交通信号制御問題と経路選択問題はそれぞれ独自に研究されてきた。本論文では交通信号制御問題と特定車両の経路選択問題を同時に最適化するモデルを提案する。ラグランジュ緩和によるFOHPN分解法を用いることでこのような大規模問題を効率的に解くことができる。その数値実験結果を示し提案手法の有効性を検証する。
複数のエネルギー管理システム間で余剰エネルギーを融通できる状況下で,不確かな市場価格を考慮して電力取引市場における電力調達に関して検討する.
電力ネットワーク等における全体最適化を念頭に,多数のエージェントの持つ効用関数からなる大規模最適化問題を考え,それぞれの効用関数のばらつきと,達成可能な最適解との関係について解析する.
複数の2輪車輌型ビークルが斜面上を走る状況の下で、フォーメーション制御を考える.斜面上を走行する場合、横滑りしないという非ホロノミック制約のために、ビークルにかかる重力の影響は、その姿勢によって変化する.本研究では、各ビークルにかかる重力の影響を推定する外乱オブザーバを導入することによって、重力の影響を考慮した新しいフォーメーション制御則を提案する.
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