大動脈バルンパンピング(IABP)装着患者への看護師の清拭実践を基に,「IABP装着患者への清拭規準」を作成し,患者の評価を基にその有用性を評価した.対象患者はIABP装着患者20名とした.対象患者の清拭前後の副交感神経活動(0.15-0.40 Hz)を測定し,清拭前より清拭後に副交感神経活動が上昇した15名の記述分析を基に「IABP装着患者による清拭のComfort評価表」を作成した.またその15名の患者に実施された清拭を基に「IABP装着患者への清拭規準」を作成した.作成した「IABP装着患者への清拭規準」と「IABP装着患者による清拭のComfort評価表」をIABP装着患者5名に適用した結果,IABP装着患者5名中4名が清拭前よりもComfortレベルが上昇した.
看護実践から作成した清拭規準は,清拭で重症患者を安楽にする視点となり,Comfort評価表によって患者の評価を推定できる可能性があるといえる.また清拭によるComfortの提供は,患者との信頼関係構築に導く可能性があるといえる.
抄録全体を表示