日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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32 巻 , 3 号
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原著
  • 西村 翼
    2012 年 32 巻 3 号 p. 249-256
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2013/03/12
    ジャーナル フリー
    超短波をメカニカルフォースとして用いた場合,チタンインプラントのオッセオインテグレーションにどの様な影響を及ぼすかを調べることを目的に,ラット脛骨を用いて形態学的ならびに物理学的に解析した.エーテル麻酔下の10 週齢雌ラット両側脛骨に円筒形のチタンインプラント(直径1.19mm ×長さ 1.5mm)を埋入した.術後1 日目より左側脛骨埋入部に皮膚上より3cm の距離から超短波(ピーク出力132W,平均出力44W,照射時間20 分)にて週 3回照射を行い Ultra short wave 群(以下 USW 群)とした.また反対側には照射を行わず対照群とした.その後1,2,4 週にラットは 2 群に分け,1 群はトルク試験,他の1 群は軟エックス線写真撮影後,EDTA にて脱灰,通法に従い脱水,パラフィン包埋をし,切片を作製,H-E 染色および TRAP 染色を行った.トルク試験では, 2,4 週目において USW 群で有意に高いトルク値が認められた.軟エックス線写真所見では, 2,4 週目で USW 群により多くの不透過像が認められ,H-E 染色像では,2,4 週目ともに,対照群と比較して USW 群のインプラント体周囲に幼若骨の形成が多く認められた.TRAP 染色では, 4 週目の USW 群では,インプラント体に接触している新生骨表面に多数の多核巨細胞が認められた.TRAP 陽性細胞数は USW 群において多く,術後4 週目においては有意差が認められた.超短波がインプラント治療における骨とチタンインプラントとのオッセオインテグレーションに対して応用可能であることが示唆された.
症例報告
  • 大久保 直尚, 森本 浩嗣, 西森 憲司, 古味 伸一
    原稿種別: 症例報告
    2012 年 32 巻 3 号 p. 257-266
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2014/11/10
    ジャーナル フリー
    咬合崩壊をきたした患者の治療において最も重要なことは,その原因の究明と安定した咬合を再建するための治療計画を策定することである.崩壊した咬合の再建のためには,原因の除去,プロブレム・リストの作成,治療計画といった一連の流れに沿った治療が絶対条件である.そのためには現症の診査にとどまらず,治療目標を決定するための診査診断が適正に行われる必要がある.とくに顎位の不安定な症例や,アンテリアガイダンスが失われたものは,経験や勘に頼ったものが多く,これらは治療が長期に及ぶだけでなく良好な結果が得られない危険があるため,診査診断から治療計画の立案,実行というプロセスを守ることが重要である. 今回,顎関節症の症状を伴う咬合崩壊をきたした患者に対し,原因を考慮した咬合再構成を行い,良好な経過を得られた一例を報告する.【顎咬合誌 32(3):257-266,2012
  • 石橋 貴樹
    2012 年 32 巻 3 号 p. 267-281
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2014/11/10
    ジャーナル フリー
    私の診療所では咬合再構成の最終目標の一つを咀嚼運動の改善におき,ME 機器を使用した咀嚼運動パターンの解析をもとに咬合再構成を進めている.日常臨床における咀嚼運動測定の時期は初診時,プロビジョナルレストレーション装着時,最終補綴物装着時,咬合調整後,およびメンテナンス時で,それぞれの段階での咀嚼運動パターンを診断や再評価の参考としている.また最終補綴物装着時は,咀嚼運動を再現できる咬合器を使用して咬合調整部位をシミュレーションし,口腔内で咬合調整をおこなうことで咀嚼運動の改善に努めている.本稿では私の診療所で行っている咬合再構成の進め方を紹介し,その各段階でどのように咀嚼運動のデータを活用して治療を進行させているかを,具体的に症例を通して報告する.【顎咬合誌 32(3):267-281,2012
  • 田中利哉
    2012 年 32 巻 3 号 p. 282-286
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2014/11/10
    ジャーナル フリー
    今日,インプラント補綴を行っていくうえで,さまざまな設計やマテリアルが存在する.そして製作方法によってもそれぞれ設計が変わってくる.またCAD/CAM の登場でそのバリエーションも多くなった.筆者自身,毎日の臨床で数種類のCAD/CAM を使って歯科技工を行っている.しかし,CAD/CAM が便利な場合とそうでない場合がある.1 歯欠損からフルマウスリコンストラクション,術者可撤式や,患者可撤式,固定式,メインテナンスのやりやすさなどの条件によりそれぞれ設計は違ってくる.①CAD/CAM を使った設計では,フレームにチタンを利用することができ,また,パッシブフィットが実現できる.②内冠をガルバノとスクリューを用いてで連結する設計は外しやすさと強度,壊れたときの対策がみたされる.③ブリッジタイプのインプラントをミリングして前歯と臼歯を連結する設計では,フレームが分割されているので,上部構造が壊れたときに前歯部および左右の臼歯部をそれぞれ修理することが可能となる.【顎咬合誌 32(3):282-286,2012
  • 永井 孝信, 吉永 修, 園田 晋平, 三村 彰吾
    2012 年 32 巻 3 号 p. 287-292
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2014/11/10
    ジャーナル フリー
    当院で10 年前に根管治療後8 年経過して,巨大な根尖病変が形成され,根管,根管孔も異常に大きく,従来の根管充填材のガッターパーチャ―での充填が不可能と思われる歯に対して,生体親和性に優れ,根管壁に化学的に結合するMTA セメントを充塡材として使用し,病変が縮小し,良好に経過している.根尖孔の拡大された症例に対してMTA は有効であると考えられる.【顎咬合誌 32(3):287-292,2012
  • 顎関節症状を主訴とする1症例
    松村 圭一朗
    2012 年 32 巻 3 号 p. 293-301
    発行日: 2012/11/30
    公開日: 2014/11/10
    ジャーナル フリー
    卒後6 年の未熟な私は,臨床でのスキル(dentistry)に対する不安以上に,日々の診療の中で診査・診断について悩むことが多い.『病態』=『患者さん自身に今何が起こっているか』を把握せずに治療を開始すると,思いもよらぬ結果になることがある.そこで,『病態把握』と『口腔医学における病因論(stomatology)』を考慮し,診断に組み込むことが適確かつ包括的な治療計画へと結びつくのではないかと考える.本症例は,全身既往歴としてメニエール病をもつ患者であるが,規格化した診査項目に沿って診査・診断を行い,生活習慣癖指導と前歯部接触型スプリント(診査及び治療の目的)を2 週間使用.症状は軽減傾向を認めたが,治療経過としては再評価までとなっている.症例を通じて,私なりの見解を述べてみたいと思う.【顎咬合誌 32(3):293-301,2012
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