日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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34 巻 , 3 号
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原著
  • 谷内 秀寿, 岡藤 範正, 三溝 恒幸
    2014 年 34 巻 3 号 p. 199-209
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    目的:20 世紀後半より全部床義歯の人工歯排列は歯槽頂間線の法則では対応できないことを指摘する報告が増えてきた.本報告ではこの問題を解決すべく,歯科教育・臨床に応用でき平易な歯槽頂線描記法を考え検討した.方法:形態の異なる5 組の上下顎無歯顎石膏模型に教育経験3 年以上の歯科医師10 名に歯槽頂線の記入を依頼した.次に,それらの歯槽頂線を精査し,歯槽頂部をより多く含む直線を検討し,その描記法を考案した.そして,再度同じ5 組の無歯顎模型に教育経験3 年以上の歯科医師と臨床経験10 年以上の歯科技工士の10 名に新しく考案した方法(新歯槽頂線)に準じて歯槽頂線を記入してもらい,その結果を従来法の歯槽頂線の結果と比較して有効性を検証した.結論:我々が考案した新しい歯槽頂線の描記法は,従来法の歯槽頂線に比べて①義歯の歯列部を代表する歯列線に近い.②歯槽頂をより多く含む直線である.③描記線には個人差が表れ難い.④顎堤の吸収量の影響を受けにくい,ことなどが認められた.
  • ——無作為化プラセボ対照比較試験——
    仲筋 宣子, 仲筋 耕作, 北澤 高志, 南 清和
    2014 年 34 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    歯周病は生活習慣病として位置づけられており,様々な研究で食事や多くの栄養素が歯周病と関連していることが報告されている.本研究では,歯周病の治療時に“ コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”サプリメントの摂取効果を調べるため,34 名の歯周病患者を対象として無作為化プラセボ対照比較試験を行った.被験者を“コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”摂取群(サプリメント群)とプラセボ摂取群(プラセボ群)にランダムに割り付け,歯周ポケットの深さ(Probing pocket depth; PD)とプロービング時の出血(Bleeding on probing; BOP)について,治療前,4,8, 12週時に検討した.その結果,治療前のPDが4mm以上の場合,摂取8週時におけるサプリメント群の平均PDは3.36 ± 1.34mm であり,プラセボ群と比較して統計学的に有意に小さかった(p<0.05).さらに,サプリメント群での平均BOP ポイント数は,8 週時で7.79 ポイント,12 週時で7.35 ポイントであり,プラセボ群と比較して有意に小さかった(それぞれ19.54 ポイントと20.77 ポイント,p<0.01).これらの結果は,”コラーゲン・亜鉛配合ゼリー”が,歯周病の症状の進行を抑える可能性を示唆している.【顎咬合誌 34(3):210-217,2014
  • ——デジタル式顎運動計測装置をもちいて——
    木村 拓郎, 貞光 謙一郎, 加藤 泰二, 島田 卓也, 福山 房之助, 櫻井 健次, 安光 崇洋, 野田 欣志
    2014 年 34 巻 3 号 p. 218-224
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    日常臨床において咬合再構成を行うにあたり,タッピングポイントを確認しながら,術前・術中・術後と診査し治療を行う.しかしながら一概にタッピングポイントと言われるもののポイントの三次元的な位置を示した報告は少ない.そこで今回われわれはデジタル式顎運動計測装置(アルクスディグマII:カボ社製)を用いタッピングポイントについて検討を試みた.また,正常者と顎機能障害者(以下,異常者)との比較も合わせて行った.被験者には正常者として20 ~40 代の男女20 名.異常者として顎口腔系機能障害の診断のため顎運動を計測した20 ~ 50 代の男女6 名を採択した.被験者にライトタッピング(以下,タッピング)を行わせ,データを採択した.被験 者ごとのタッピング5 回計測時の級内相関係数(ICC)は,正常者,異常者共に0.999 以上を認め高い再現性が確認された.また,両者のタッピングは収束を認めるとともに,両者間のタッピングのばらつきには有意差は認められなかった.これらの結果より,タッピングは機能的な水平的下顎位を採得する際の有用な指標であることを裏付けるものとなった.【顎咬合誌 34(3):218-224,2014
症例報告
  • 神田 省吾, 江原 雄二, 安光 秀人, 大西 吉之, 江原 大輔, 桑原 明彦, 咲間 義輝, 山上 哲贒
    2014 年 34 巻 3 号 p. 225-230
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    目的:今回,我々はインプラント患者の高齢化による全身状態の変化を評価するため,65 歳以上の患者におけるインプラント治療について調査を行った.材料と方法:対象とするインプラントは,スクリュー型インプラントシステム(POI インプラントシステム*1 回法2 ピースインプラント(以下1-2 インプラント):POI EX(以下EX):2 回法3 ピースインプラント(以下2-3 インプラント):京セラメディカル社)とした.対象としたのは,165 名で男性77 名,女性88 名であり平均年齢72.6 歳,手術時の平均年齢は63.2 歳であった.埋入したインプラント体は666 本(脱落11 本,除去13 本)で生存率96.4%であった.165 名中,有病者は74 名であり,高血圧,糖尿病の罹患率が高かった.またメインテナンス中に有病者が6 名増加し,74 名から80 名に増加した.調査したインプラント数は1-2 インプラント293 本,EX 123 本と,2-3 インプラント250 本の666 本であった.結果:使用したインプラント体の幅径は,いずれのインプラント体も3.7mm,4.2mm が多く使用され,骨内長は,1-2 インプラント,2-3 インプラントとも骨内長10mm が多く埋入されていた.EX においては骨内長12mm が最も多く埋入されていた.上部構造物は323 例で,セメント固定式309 例,術者可撤式10 例とオーバーデンチャ―4 例であった.考察:高齢者に対するインプラント治療は,全身的,精神的疾患に留意しつつ,使用するインプラントシステムは,最小限の外科的侵襲にて摘出できるシステムを選択し,患者の高齢化あるいは全身的,精神的変化に対応したメインテナンスしやすい補綴設計の変更を可能にする補綴を考慮したものが望ましい.【顎咬合誌 34(3):225-230,2014
  • 浅香 美由紀 , 長谷川 雄一
    2014 年 34 巻 3 号 p. 231-237
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    および歯周病の発症は,口腔内細菌によって形成されるプラークに起因しており,いずれも適切なプラークコントロールを習慣づけることにより予防することができる.平成22 年国民健康栄養調査によると,口腔清掃用器具の使用状況として歯ブラシは96%だが,歯間ブラシは20%,デンタルフロスは12%である.通常使用する歯ブラシでは歯間隣接面のプラークの除去率は58%であり除去することが難しいために,この部位から歯肉の炎症が生じ歯周病へと移行することが多い.このことから歯間清掃用具のデンタルフロス,歯間ブラシなどを使用する必要がある.しかしその重要性を認識していない患者が多いのが現状である.また歯間清掃用具の中でも特にデンタルフロスの重要性を理解し活用することで,隣接面のう蝕予防と歯周病予防が可能である.そこで当院における口腔衛生指導を含め,特にデンタルフロスに注目したジンジバルプラークコントロールについて,繰り返しの指導により良好な結果を得られた一症例を提示し,考察を加えて報告する.【顎咬合誌 34(3):231-237,2014】
  • 赤松 由崇, 加藤 泰二, 貞光 謙一郎
    2014 年 34 巻 3 号 p. 238-244
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    複数歯にわたる歯の欠損や著名な摩耗を生じている症例においては本来の顎位から変位している可能性が考えら れる.そのような場合咬頭嵌合位で修復処置を行っていくか,顆頭安定位を模索して修復処置を行っていくか迷うことが多い.本症例では著明な咬耗が認められ強いブラキシズムが疑われる患者に対して,既存の顎位を検討し顆頭安定位と思われる顎位と大きなずれが認められないことを確認したうえで,患者のライフスタイルや要望に合わせインプラントを用いて咬合の確保を行ったので報告する.【顎咬合誌 34(3):238-244,2014
  • 柴原 由美子
    2014 年 34 巻 3 号 p. 245-251
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    下顎第二大臼歯の歯内-歯周病変は,樋状根など,歯内療法に困難な要素が多く治療の見通しを立てることが難しい.本症例は,全身状態に様々なリスクをかかえ,外科処置を選択できない条件下で,樋状根,歯内-歯周病変,垂直的骨吸収などの問題を有する下顎第二大臼歯に対して,CBCT 画像診断,根管形状に即した根管拡大,自然移動により良好な結果を得たものである.【顎咬合誌 34(3):245-251,2014】
  • 杉山 豊
    2014 年 34 巻 3 号 p. 252-262
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    顎関節の雑音を訴えた患者のうち,顎機能不全症問診表,下顎運動解析装置によって診査をした90 名に対して,クリックの発生するタイミング,波形の変曲点の特徴などを分析した.顎関節におけるクリックがどのようなメカニズムで発症するのか,精密な診査・診断ができればその後の治療も可能となる.その診査・診断には精密な下顎運動解析装置が有効な手段であるため,代表的なクリックについて診査・診断をおこない,クリックの消失に至った症例を提示して考察した.顎関節の雑音を訴えた患者の中で顎機能不全問診表の記入,下顎運動を採得した90 名を分析すると,クリックの発生するタイミング,波形から3 種類のクリックに分析することができた.全被験者のうち61%が関節円板前方転位,23%が復位性関節円板内側転位,10%が関節円板後方転位と予測され,不明が6%という結果であった.異なる3 種類のクリックを生じた3 症例に対して,分析結果を元にスプリントを用いたところ,すべての症例においてクリックは消失した.【顎咬合誌 34(3):252-262,2014】
  • 松原 明日香
    2014 年 34 巻 3 号 p. 263-271
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    今回,長期間のブラキシズムが原因で,咬合が低下した75 歳の女性の患者に対し,治療用義歯で咬合高径と顎位を回復し,審美性,発音,咀嚼機能を中心に調整しながら最終補綴に移行した.5 年半経過後,顕著な問題は認められない.本報告では自分が行った咬合再構成の妥当性も含めて再評価したので報告する.【顎咬合誌 34(3):
  • 西山 和彦
    2014 年 34 巻 3 号 p. 272-280
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    現在,様々な半調節性咬合器が存在するが,使用できる機能はその咬合器に備わるものに限られるため,別の機能を使用することができない.そのため,咬合器に付着した模型を,簡単に別の咬合器に付け替え,さらに,多種類の咬合器付属部品を装着ないしは交換することで,診断・チェアーサイド作業・技工作業において,様々な咬合論に基づく術式を応用できる咬合器支援システムを開発・構築し,高い汎用性と簡便性を得ているので,その概要を紹介した.抄録【顎咬合誌 34(3):272-280,2014】
  • 松岡 力
    2014 年 34 巻 3 号 p. 281-292
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    歯科医師は顎機能障害が主訴の症例において顎関節症という診断を下した場合,はじめに咬合由来か否かの鑑別診断を行う必要がある.そして咬合由来であると診断した場合,咬合と顎口腔機能との調和を考慮しなければならない.本症例は顎関節症の治療において咬合違和感と顎口腔系の機能不全が改善されないことを主訴とする症例である.本症例において咬合機能不全による修復物の繰り返される破損は,過度の咬合挙上による顎機能異常が原因と判断した.この原因に対して,咬合高径を下げる治療が必要であるが,下顎位の変更において,咬合高径を下げるためのプロトコールなどは見当たらなかったので,任意に選出した咬合挙上の手法や捉え方について記された文献を参考に用いて,そのプロトコールを逆の流れで考え,5 つの評価基準を設定して治療計画において段階的に進める処置後の毎経過観察ごとに評価を行った.治療後の結果は症例に適切と思われる咬合位において,顎関節部からみた適切な下顎運動と顆頭位の維持も得ることができ,顎口腔系の生理的に調和のとれた機能回復と患者の満足も得られたので報告する.【顎咬合誌 34(3):281-292,2014】
連載
  • 歯周組織に起こる末梢血管の障害と歯周疾患の関連
    音琴 淳一
    2014 年 34 巻 3 号 p. 301-306
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    前回,歯槽骨の吸収に影響を与える疾患,とくに骨粗鬆症について,歯周病との関連について述 べた.骨粗鬆症であるから歯科治療のリスクが大きい,骨粗鬆症の治療薬とくに「ビスフォスフォネートを服用しているから歯科治療ができない」という「極端」な認識も見受けられるので,患者さんの対診をとって内科医と連携しながら治療することが必要である. 最近の事例では,むしろ骨粗鬆症治療が歯周治療と並行して行われていれば,重度歯周炎であっても歯槽骨吸収の進行がある程度抑制できる(図1).しかし,歯周病に罹患しているため細心の注意が必要となる.歯は顎骨から付着の緩い上皮を破って植立しているため,口腔内細菌は顎骨に直接到達しやすい構造となっているからである.さらに薄い口腔粘膜は傷害を受けやすいので,厚みのある角化歯肉が症状の安定には必要になる.菌血症(補足1)など歯周病細菌の増殖に注意して,プラークコントロールが肝要である.
  • 金銅 英二
    2014 年 34 巻 3 号 p. 307-316
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
    神経障害性疼痛は,知覚神経が機能異常を起こし痛みを惹起している.近年,神経障害性疼痛の発症メカニズムに関して様々で活発な研究が行われ,神経障害性疼痛に関与する神経伝達物質や関連分子が神経回路のどの部位でどう作用しているのか,その詳細が明らかになりつつある.正常状態の場合,知覚神経細胞は末梢で各種の刺激を受けると,その刺激情報は電気的な信号に変換され中枢へと伝えられる.一方,中枢側の終末では電気的な変化を受け,神経伝達物質が放出される。その物質が次の神経細胞の細胞膜上の神経伝達物質受容体に結合し,再び電気信号変換が惹起され,さらに上位中枢へと伝えられる.これらの電気信号変換や神経細胞間の伝達機構において,過剰興奮や過敏反応,脱抑制などが生じ,神経障害性疼痛が発症していることが明らかになってきたが,まだ全てが解明されたわけではない.現在までに明らかになっているメカニズムを概説し,神経障害性疼痛に対する理解を深め,臨床現場の様々な痛みへの最良の診断方法や治療法が一日も早く確立されることに期待したい.【顎咬合誌 34(3):307-316,2014
  • 第5回 二重圧排法
    宇根丘 大典
    2014 年 34 巻 3 号 p. 326-327
    発行日: 2014/04/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
  • 第6 回 クラウン,インレーのセット
    久保 達也
    2014 年 34 巻 3 号 p. 328-329
    発行日: 2014/11/25
    公開日: 2015/12/23
    ジャーナル フリー
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