近年、伝統木造建造物用材の入手難が顕在化している。本稿では、この確保策検討に向けた基礎的な考察を行った。伝統木造建造物の文化的価値の構成は多様であり、高い公共性が認められる物件に限らずに確保策を実施する必要がある。また、確保策は多様なリスクや不確実性を本来的に避けられない。政策論理の精緻化と、長伐期経営による生産費用上昇に関する検討、リスク分散のための政府と民間部門の役割分担を今後の課題として挙げた。
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