日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
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8 巻, 1 号
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  • 片川 久美子, 小林 淳子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,Donabedianによる質の評価とサービス・マネジメント論の枠組みに基づいて乳幼児健診に対する母親の満足感に関連する要因を検討することである.対象は,Y県内7市で乳幼児健診を利用した母親1,812名で,質問紙調査を実施した.調査項目は,基本属性,健診結果の評価(総合的な満足感,健診への期待に対する満足感と期待の差(S-E),健診への推薦度),健診過程の評価(肯定的な関わり,否定的な関わり),健診構造の評価(全体的な会場の環境,診察・相談の環境,健診の設定)である.「健診結果の評価」を従属変数としてパス解析を行った結果,母親の「総合的な満足感」が高まる要因は,母親の体調が良いこと,「健診結果の評価」に含まれる「S-E」得点が高いこと,「健診構造の評価」に含まれる「健診の設定」,「診察・相談の環境」の評価が良いこと,「健診過程の評価」に含まれる「肯定的な関わり」があること,「否定的な関わり」がないことであった.「S-E」得点が高まる要因は,第2子以降の健診であることや「全体的な会場の環境」の評価が良いこと,「否定的な関わり」がないことであった.「健診への推薦度」に影響する要因は,「総合的な満足感」であり,「S-E」は影響していなかった.「総合的な満足感」を軸として,母親それぞれの健診への目的が達成されたかどうかということや,健診構造,健診過程の側面から評価していくことが,健診利用後の満足感を評価する指標となる可能性が示唆された.
  • 尾﨑 伊都子, 柳堀 朗子, 白井 みどり, 門間 晶子, 山口 洋子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    目的:老人クラブへの会員の出席状況とその関連要因を明らかにし,その活動と支援のあり方を検討することである.方法:愛知県A市B区の17の老人クラブ会員921人を対象に,自記式調査票を用いて調査した.老人クラブへの出席状況(ほとんど出席,時々出席,欠席)を目的変数とし,その関連要因として設定した項目(属性,健康状態・活動能力,社会活動,老人クラブ以外のグループ活動,居住地域との関わり・環境,老人クラブでの活動と満足感)との関連を,χ2検定と一元配置分散分析により分析した.結果・考察:1.分析対象728人(82.1%)のクラブ出席状況は,ほとんど出席182人(25.0%),時々出席249人(34.2%),欠席297人(40.8%)であった.2.社会活動や老人クラブ以外のグループ活動の実施状況が低い者は,クラブ出席状況も悪く,老人クラブを含めた社会活動への参加には活動能力の維持が必要と考えられた.3.クラブ出席状況と活動能力との関連から,「欠席」群には活動能力が低下して出席が困難な状態にある者,活動能力は維持しているが出席に積極的な意義を見出せていない者がいると考えられた.4.クラブでの役割や活動への積極的な関わりは,出席を決める重要な要素になっているが,それが出席者の固定化という問題を招いている可能性が示唆された.結語:老人クラブは身近な社会参加の場として,活動能力の低下した者も出席できるような支援が必要である.また,運営方法や活動内容を見直し,欠席会員の出席の動機を高めていくことも必要と考えられた.
  • 笹原 千穂
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    壮年期の在宅脳血管障害患者は,身体機能は比較的良好だが,活動的な生活ではなく生活の満足度も高くないと報告されている.本研究の目的は,壮年期にある脳血管障害患者の在宅生活に関わる願望を具体的に明らかにし,地域生活を支援するための看護上の示唆を得ることである.質的研究方法を使用し,データは40〜50代の10名を対象とした.日々の思いを聞く中から,本人ができればこうしたいと思っていることを聞き出せるようなインタビューを試み,帰納法的に分析を行った.その結果,【良くなりたい】【役に立ちたい】【趣味・得意なことをしたい】【自由に外出したい】【情報がほしい】【サービスへの意見・提言】というカテゴリーが抽出された.本研究の対象者は,ADLがほぼ自立している者が多かったが,次のような看護上の示唆が得られた.(1)願望の内容に共通していたことは,自分も主体的に何かをしていきたいということであった.(2)願望は発症前から好きだったこと,得意なことに関連して話される場合が多かった.(3)願望の内容は個別性が高く,また既存のサービスだけでは対応できない願望もあった.今後は願望の実現に向けて当事者とともに支援示方法を検討していくことが課題と考えられた.
  • 永田 千鶴, 東 清巳
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    目的:在宅療養が困難な状況下での高齢者および家族に対して,どのような訪問看護・介護介入(以下,介入と称す)がセルフケア能力を向上させ,在宅療養の継続を可能にするかを明らかにするために,療養困難な状況を構成する要素と介入について検討した.対象および方法:対象は,平成13年〜15年度のK県訪問看護職研究会で報告された,在宅療養が困難な状況下で療養を続けている8事例の高齢者・家族と,訪問看護師およびホームヘルパー(以下,ケア提供者と称す)である.方法は,報告された在宅療養を困難にしている状況に関する記述,療養者・家族のセルフケア能力の向上と介入に関する記述を抽出し,質的に分析した.結果および考察:在宅療養が困難な状況を構成する要素には【精神機能の低下】【家族関係の悪化】【生活リズムの乱れ】【困難な援助関係形成】【もろい生活基盤】【コントロールされない病状】が抽出された.また,在宅療養が困難な状況下で,結果としてセルフケア能力を向上させた介入には[信頼を築く][感情の表出][活動性を高める][調整][傾聴][共感][受容][専心][安心・安全の保証][まき込まれる][関わりつづける][臨床判断][かけに出る][距離化を図る][承認][環境整備]が抽出された.そして,8事例中7事例に,セルフケア能力の向上が認められ,向上が認められなかった要因の一つに,当事者以外の家族関係の調整不足が示唆された.本研究で認められたセルフケア能力の向上の多くは,数値で測定されるアウトカム改善の視点からは認識されにくく,事例検討によるセルフケア能力の向上と介入方法の詳細な分析が,在宅療養が困難な状況下での援助方法に意義をもっと考えられた.
  • 中谷 久恵, 池田 和子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 41-45
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,20歳代・30歳代労働者の運動実態と健康意識を把握し,運動意欲に関連する因子を明らかにすることである.調査対象者は電子機器製造会社に勤務するフルタイム従業員550人のうち,20歳代,30歳代の433人である.2002年4月の定期健康診断時に自記式留め置き法によるアンケート調査を行った.調査内容は基本属性(年齢,性別,家族,BMI),運動実態,運動意欲,健康意識である.回収は382人からあり,有効回答372人(85.9%)を分析した.運動実態は,"運動している"と自覚している「運動認識」の人が31.2%で男性が有意に多く(p<.01),週2回以上の頻度で運動している「運動習慣」のある人が16.7%であった."運動したい"という意思をもった「運動意欲」がある人は57.8%で,女性(73.3%)が男性(58.0%)に比べ有意に多かった(p<.01).女性は運動意欲があっても運動できていない実態が明らかとなった.重回帰分析の結果,「運動意欲」を高める因子は性別,年齢,BMI,健康への関心度であった(p<.001).これらより,運動習慣により運動を継続している人よりも,運動をしていなくても健康への関心がある人ほど運動意欲をもっていることが示された.
  • 錦戸 典子, 田口 敦子, 麻原 きよみ, 安斎 由貴子, 蔭山 正子, 都筑 千景, 永田 智子, 有本 梓, 松坂 由香里, 武内 奈緒 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    保健師の用いる支援技術として,グループを対象とした支援は日常的に用いられており,重要な支援技術であると言える.先行研究として,いくつかの質的研究や活動報告などがみられるものの,保健師によるグループ支援に共通の枠組みや具体的な支援技術については十分に明らかにされていない.本研究では,保健師によるグループ支援技術を体系的に整理するための端緒として,保健師によるグループ支援の方向性と特徴を明らかにすることを目的に,既存文献からの知見の統合,ならびにグループ支援に関する概念枠組みの検討を試みた.システマティックレビューに基づいて17文献を選択し,それぞれの文献中に記載されている保健師によるグループ支援の具体的な働きかけを表しているフレーズを抽出した.それらを統合し,さらに抽象度を上げて分析した結果,「グループの形成支援」,「グループの主体性獲得の支援」,「グループ活動の地域への発展の支援」の3つのカテゴリーが,保健師によるグループ支援の方向性として抽出された.このうち,主体性獲得の支援,ならびに,地域への発展の支援に関しては,保健師活動におけるグループ支援に特徴的な支援の方向性であると考えられた.保健師は,グループ支援活動を地域ニーズの中で捉え,地域全体のエンパワメントの視点で関わっている可能性が示唆された.
  • 齋藤 茂子, 小田 美紀子, 落合 のり子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    地域看護実習において保健師学生が体験する地域保健医療福祉活動が多様化し,広範囲にわたるようになった.多様性のある地域看護活動を健康課題を中心に体系化することにより,学生の理解を図る地域看護活動モデルを開発し,その有効性について検討した.S看護短期大学地域看護学専攻,2002年度および2003年度の修了生を対象に,就学時の地域看護実習記録に記載された実習体験内容と実習目標達成度自己評価結果を分析した.その結果,学生が実習で体験した地域保健医療福祉活動の内容は,小分類96項目,中分類21項目,大分類7項目に分類された.地域の人々の生涯にわたる健康づくりの体験が,各年度ともに全体験内容の7割弱を占めた.なかでも中分類の子育て支援,老人保健事業・健康日本21,障害児・者支援の項目は,小分類数が多かった.また,実習目標達成度自己評価結果は,以下の3つの目標の達成度が低い傾向にあった.(1)保健医療福祉活動を行う行政組織と財政基盤について理解する,(2)環境に関する課題や対策について考察する,(3)保健師の力量形成のための職場づくりを考察する.以上の結果から,実習前に強化できる学習課題,実習では体験し難い学習課題を明らかにした.また,学生が実習で体験した地域の保健医療福祉活動の体験内容を分類する過程において健康課題を中心とした地域看護活動モデルを開発した.
  • 河原田 まり子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    目的:本研究の目的は,職場の管理監督者が労働者の心の健康問題に対処し,職場のメンタルヘルスケアを推進するうえで学びたいと思っている内容を産業看護職の視点から明らかにすることである.方法:管理職を対象に行ったメンタルヘルスケアに関する研修会において参加者が質問した163個の質問内容を分析し,意味内容の類似性により分類しカテゴリー化した.研修会は事業所の保健師が企画・実施したもので,2000年から2002年の間に25回開催され,748名の管理職が参加した.結果:管理職が学びたいと思っている内容として,次の5つのカテゴリーが抽出された.1.心の健康問題の理解:発病の原因,検査・治療の内容,2.心の健康問題をもつ職員への対応:就労中の職員への対応,療養中の職員への対応,職場復帰時の対応,主治医との連携,3.職場環境の問題:職場のストレス要因,職員間のコミュニケーション,世代間のギャップ,4.メンタルヘルスケアの方法:セルフケア,保健スタッフによる健康相談,管理職による予的ケア,社会資源の活用,5.職場のメンタルヘルスケア体制の整備:職場復帰システムのあり方,プライバシーへの配慮,人事管理との連携
  • 清水 暢子, 細谷 たき子, 別所 遊子, 長谷川 美香
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 65-72
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    目的:地域における高齢者の転倒予防を目指した音楽運動プログラムを作成し,介入前後の身体機能,転倒予防自己効力感,転倒経験,運動自信感等を検討した.さらに,介入前後の身体機能の変化,転倒予防自己効力感の変化,転倒経験の変化の3変数の関連を検討することを目的とした.方法:F県M町在住の高齢男女45名(75.6±7.4歳)を対象に,3カ月間,鳴子を使った体操等約60分間の音楽運動プログラムを実施し,身体機能8項目,転倒経験,運動習慣,外出頻度,転倒予防自己効力感,運動自信感,運動意欲を介入前後で調査した.結果:身体機能5項目で,介入後の値に有意な向上がみられ,転倒経験回数の減少,転倒予防自己効力感,運動自信感に有意な改善がみられた.身体機能の変化は,転倒予防自己効力感の「服の脱着」「布団からの起床」の2項目の変化と正の相関関係がみられ,さらに,転倒予防自己効力感の「薄暗い場所を歩く」「両手に荷物を持って歩く」「簡単な掃除や片付け」「簡単な買い物をする」の4項目の自信向上と転倒経験回数の減少と関連していた.結論:本音楽運動プログラムは,身体機能の維持・向上と転倒予防自己効力感,運動自信感の向上,転倒経験回数の減少に貢献することが示唆され,また,転倒経験回数の減少には,歩行や移動行動を起こす自信がつくまでの支援が必要であることも示唆された.
  • 丸谷 美紀
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 73-80
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    目的:保健師が日常の活動の中で地域の風土・気質・生活習慣等の文化的背景を捉えて活動へ組み込む様相を調査し,地域の文化に根ざした保健師活動の展開方法を明らかにする.方法:地域の文化に根ざした活動を行っている保健師3名に,聞き取り調査および援助場面への参加観察を行った.保健師の援助行為,援助行為に伴う保健師の認識,援助対象者の援助に対する言動を調査し,地域の文化的背景の捉え方,それらの内容,それらの活動への組み込み方,援助対象者の反応および変化,を抽出しカテゴリーとして分類・整理する.各カテゴリーに即して,地域の文化的背景を捉えて活動へ展開する様相を読み取り,パターンとして分類・整理する.結果:地域の文化的背景の捉え方は〈蓄積してきた情報の想起と確認〉など6つに,それらの内容は〈地場産業に密着した生活〉など6つに,活動への組み込み方は〈地場産業が継続できる健康管理の検討〉など6つに,援助対象者の反応および変化は〈新たな生活習慣の定着〉など5つに整理された.地域の文化的背景を捉えて活動へ展開する様相は【地場産業に密着した生活を想起して確認し,地場産業が継続できる健康管理を検討し,その結果,健康に対する認識が改善・強化する】等の11パターンに整理された.考察:地域の文化に根ざした保健師活動は次のように展開されることが明らかになった.活動や自己の生活を通じて,住民の健康に与える影響と問題の対処に活用するという2側面から,地域診断に必要な項目を組み合わせて,地域の文化的背景を捉える.それらを,住民に受け入れやすい方法の検討,地域の長所を活かすという形で活動に組み込む.
  • 黒柳 弘美, 白井 英子
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,在宅神経難病患者へのケアマネジメント過程における保健所保健師の特徴的な役割を明らかにすることである.調査方法は面接であり,都道府県立保健所保健師4名を対象に,受け持ち神経難病患者1例の事例のニーズと支援内容を把握した.分析は面接内容を逐語録に起こし,事例ニーズと支援内容とに分類整理した.さらに事例ニーズと支援内容が岡本らのケアマネジメントの枠組みのどの項目に該当するかを照合した.その結果,保健師の役割の特徴とケアマネジメントの傾向について,以下のことが明らかになった.保健師の特徴的な役割は,(1)病気の専門的知識に基づいた事例のニーズの把握と支援,(2)関係者への疾患理解のための教育的支援,(3)公的サービスの導入による問題解決,(4)家族のQOL向上を目指した家族支援,(5)連絡会議による関係者間の連携・調整の推進であった.保健師4名が共通して捉えていた事例のニーズは,適正な保健医療領域では,悪化予防・生命の危機への対応,本人・家族の在宅療養領域では,漸次的機能消失・予後の予測に伴う本人の苦悩への対応,病気の受容・生活との折り合い,家族の負担への支援の項目であった.さらに,保健師が実施したケアマネジメント過程は「利用者支持とニーズ分析」「チームによる協議と計画」「適正な連結とフォローアップ」であり,モニタリングと評価・フィードバックの過程は実施していない傾向がみられた.
  • 安田 貴恵子, 北山 三津子, 嶋澤 順子, 森 仁実, 御子柴 裕子, 酒井 久美子, 菱田 一恵, 和光 由起
    原稿種別: 本文
    2005 年 8 巻 1 号 p. 88-93
    発行日: 2005/09/15
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    介護の実施途上にある介護家族の介護体験内容と認識の肯定的側面を捉えて,その内容から介護体験を通して何かを得ることを促すという視点から援助を考察する.方法は,現在の介護内容と経過,介護開始後の困難の内容と対処方法,現在の困難の内容と対処方法,家族員の協力状況とそれに対する認識,介護対象者に対する受けとめおよび介護することに対する受けとめを質問項目とする半構成面接を行ってデータを収集した.面接の過程では介護者が語る内容を注意深く聞き,介護者が意図していることや込めている思いを推察して対象者に確認した.介護者17人から得た介護体験の内容と認識の肯定的側面は,介護対象者に合った介護方法を習得する,家族・親族からの協力を得る,介護対象者の理解が深まる,介護者自身の意識・行動の変化,家族・親族以外の支援者の支援を得る,介護対象者との人間関係・相互理解が深まる,介護や医療・福祉への関心が高まるという7項目に整理できた.介護対象者に合った介護方法を習得するについては,16人から確認し,その内容は介護の基本に通じるほど豊かなものであった.援助としては,実施介護に込めている考えを問いかけることにより介護者はその意味を意識化できる.そのためには,肯定的側面についての視点をもって家族介護支援に関わることが重要である.
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