目的:前期高齢者を対象に,COVID–19の流行から2年経過した時点(第6波)におけるフレイル様状態に対する主観的認識とフレイル予防行動の変化を明らかにすることとした.
方法:A市住民基本台帳から無作為抽出した要介護認定のない前期高齢者1,400人を対象に,フレイルの知識,フレイル様状態に対する主観的認識,4つのフレイル予防行動(栄養バランス,社会活動,個人で行う運動,グループで行う運動)についての無記名自記式質問紙調査を行った.
結果:分析対象者は657人とした.フレイルの認知度は26.6%,フレイル様状態に対する主観的認識をもっていた者は23.7%であった.4つのフレイル予防行動を中止または開始した者はそれぞれ10%未満であった.フレイル予防行動の継続者のうち,その頻度が減ったと回答した者は社会活動32.4%,次いでグループで行う運動25.8%の順で多かった.
考察:フレイル予防行動は,COVID–19発生から2年後の流行下では中止や開始といった新たな行動変容があった者は少なかった.対人接触の機会を減らすよう求められていたため,社会活動のような他者との交流を伴う予防行動への影響が現れたと考えられる.また,客観的な機能低下が明確でない段階において自身の変化を自覚している高齢者が一定数いた可能性が示唆され,健康状態悪化の自覚をもつ前に予防的な取り組みを行える体制構築が必要である.
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