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2025 年 7 巻 conference 号 p.
0-
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
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小木曽 弘尚, 西村 晃一
2025 年 7 巻 conference 号 p.
1-2
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,小学校低学年児童において説話プログラムの実践により自己肯定感及び学級適応にポジティブな影響を及ぼすか検討した。t 検定を行った結果,実験群において学級満足度の「被侵害」に有意な差が示され,実施後の得点が低かった。
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小学生を対象とした自由記述分析を通して
水流 卓哉, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
3-4
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,学級集団のゴール像とされている自治的集団における児童の学級認知について,探索的に検討することを目的とした。自治的集団と見なすことができる学級に対し,学級集団に対する肯定的認知と否定的認知について問う自由記述調査を行った。その結果,学級に対する児童の肯定的認知を示唆した記述は, 「親和的な関係性」「温和な雰囲気」「学級の秩序」 「課題解決志向」「主体的な学習者」の5つのカテゴリーが生成された。また,学級に対する児童の否定的認知を示唆した記述は, 「対人関係上の問題」 「対人技能の課題」「学級の無秩序」の3つのカテゴリーが生成された。これらを踏まえ,研究者や教員にとって理想像と称されている自治的集団においても否定的な認知や不適応感を抱く児童が一定数存在するということが明らかとなった。
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小野塚 由萌, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
5-6
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,友人関係が本来感に与える影響とそのプロセスを明らかにし,本来感の高群,低群のプロセスを比較・分析することで友人関係における本来感を高め得る要因を明らかにすることを目的とした。小学校6年生を対象に,友人関係に関する調査を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)で分析を行った。その結果,友人からの受容や共感的な関わりが自分らしくいることを支えており,高群と低群では友人とのつながり方に違いがあることが示唆された。
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作澤 蓮, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
7-8
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,自尊感情の高い児童がどのようなプロセスで強みを活用しているのかを明らかにすることを目的とする。小学校4年生の自尊感情が高い児童6名を抽出し,授業時間・休み時間・清掃時間における強み活用の様子の観察,及びインタビューを実施した。修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)による分析の結果,強み活用のプロセスには,家族や教師,友達などの他者からのフィードバックが大きく影響していることが示唆された。
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対人感謝に着目して
山本 裕貴, 西村 晃一
2025 年 7 巻 conference 号 p.
9-10
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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担任信頼感と共同体感覚の差について,対人感謝の違いに着目して検討した。小学4~6年生 277 名を対象に質問紙調査を行った。対人感謝の合計得点をパーセンタイル値が等しくなるよう3位点で分類した上で,それぞれ一要因分散分析を施した。結果,全ての下位尺度で有意な主効果が得られ,多重比較を行ったところ「低群<中群<高群」という差が認められた。対人感謝は担任信頼感や共同体感覚を育む上で,重要な要素であることが明らかとなった。
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小学3年生を対象として
山嵜 翔
2025 年 7 巻 conference 号 p.
11-12
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では、児童が何度も話合いを行い、プロセスチェックカードを作り直していくことで、目的意識、プロセス意識、プロセスの時間意識が高まるか。そして、その結果児童が自律的な話合いを行えるかを明らかにすることを目的とする。プロセスチェックカードにより、目的意識をもった発言やプロセス意識、プロセスの時間意識をもった発言が話合いの中で見られた。よって、児童が何度も話合いを行い、プロセスチェックカードを作り直していくことで、目的意識、プロセス意識、プロセスの時間意識が高まったことが明らかになった。そして、その結果児童が自律的な話合いを行えたことが明らかになった。
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髙津 朱里, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
13-14
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,児童がピア・メディエーションのスキルを習得することが,学級における安心感を醸成するプロセスを明らかにすることを目的とした。カリキュラムオーバーロードの観点から,池島・竹内(2011)のトレーニングプログラムを修正し,週に1時間,全4時間のプログラムを第一筆者が行うアクションリサーチの方法を用いた。友人同士の対立場面における介入行動意図尺度の結果,改変した簡略版プログラムにも一定程度の効果が認められた。また,児童の振り返り記述を M-GTAにより分析した結果,3個のカテゴリーと,18 個のサブカテゴリー,56 個の概念が生成され,安心感が醸成されるプロセスが示唆された。
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目黒 士郎, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
15-16
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
文部科学省は、子どもたちのウェルビーイングに対する主観的な認識が変化したかについてエビデンスを収集していくことが求められるとしている。本研究では,クラス会議における,児童の幸福感に対する認知の変容とプロセスを検討することで,クラス会議が児童のウェルビーイングにどのような影響を与えるのかを明らかにし,今後の日本の学校教育が目指す子どものウェルビーイングの向上に寄与することを目的とし,小学校5・6年生を対象にクラス会議を実施し,幸福感の認知の変容について,M-GTA を用いて分析した結果, 児童は安心感を土台とした尊敬と共感に基づく関係を築き,相互に貢献し合うことで幸福感を高める可能性が示された。
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坂田 翔馬, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
17-18
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
近年,学校現場で関心の高まる非認知能力について着目し,クラス会議が非認知能力に与える影響を明らかにすることを目的として研究を行った。木下・赤坂(2022)のデータ分類の方法に依拠して自由記述を似た概念同士をまとめ,カテゴリーを抽出した。抽出したカテゴリーの得られたデータ数に対して,カイ二乗検定を行った。その結果,社交性,達成意欲,他者尊重,協同,自己効力感,積極性,やりぬく力,責任感,楽観性のカテゴリーが抽出された。また,カイ二乗検定の結果に有意差が見られ,ライアン名義の多重比較を行ったところ,社交性が有意に多く,達成意欲や他者尊重,協同において同様の有意差が見られた。この結果から,クラス会議を行う事で,非認知能力の他者とコミュニケーションをとる力や目標を立て挑戦や努力を行う力に影響を与える事が推察される。
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寺西 萌夏, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
19-20
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,クラス会議において,傾聴や相互尊敬などの他者尊重のルールを個人が意識することで,児童相互の受容的態度及び自己開示が促された。それに伴い,意見の多様性が認知され,互いの意見を探究したり整理したりすることが児童の創造的思考を促し,学級の集団創造性が発揮されていたと言える。
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小林 弓理, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
21-22
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,中学校において実施するショートクラス会議がどのようなプロセスで生徒の学級への意識に影響を与えるのかを明らかにすることを目的に行った。ショートクラス会議を 10 回行った時点において,全ての生徒を対象に半構造化インタビューを行い,その内容を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析を行った。その結果,ショートクラス会議が関わり合う定常的な話し合いの場として機能することによって,話し合いスキルを高めながら伝え合うことの良さを実感し,関係性が広がることによって,生徒が学級に関心を向けるという仮説プロセスが生成された。
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髙橋 由希, 加賀 光太郎, 坂田 翔馬, 髙津 朱里, 目黒 幸士郎, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
23-24
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,小学校におけるクラス会議を通じて自治的集団がどのように形成されるか,その変容プロセスを明らかにすることであった。3年生を対象にクラス会議を実施,会議後の振り返り記述を M-GTA で分析した。結果,自治的集団尺度において全体及び下位項目で有意な変容が見られた。振り返り記述から,児童はクラス会議を通じ,課題解決をしながら仲間とのつながりを深め,これをもとに児童同士が安心感や信頼感を持ち,思いやりや協力の重要性を実感するきっかけとなった。こうした関係性の構築を通じて,児童は仲間を認め合う姿勢や意欲,自信が育まれ,自治的集団の基盤を形成していったのではないかと考えられる。したがって,クラス会議を通して,自治的集団の育成に影響を及ぼすことが示唆された。
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高橋 弘樹, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
25-26
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,よりよい人間関係の形成及び学級経営の充実を図るために,クラス会議において教師が勇気づけの考えに基づいたフィードバックを行うことで,児童の共同体感覚の下位項目である自己受容に及ぼす影響を小学生版共同体感覚尺度,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて検証することである。
量的な分析の結果では,児童の共同体感覚及び,自己受容に正の変容が確認されたこと。質的な分析の結果では,32 個の概念と9個のカテゴリーが生成され,児童は【貢献する気持ちの高まり】によって生起した意欲や行動を【他者からのフィードバックによる自信と喜びの実感】をしていることから,児童の共同体感覚の自己受容に影響を及ぼす過程が見出された。また,所属感や信頼感の高まりによる【人間関係の深化】を経て,【他者からのフィードバックによる自信と喜びの実感】をして,自己を肯定するプロセスが捉えられたことから,教師が勇気づけの考えに基づくフィードバックを行うこと,信頼できる学級の仲間からの言葉かけがあったことによって,児童の自己受容に影響を及ぼした可能性が示された。
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教師の語りの質的分析
小島 貴之, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
27-28
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,担任の学級経営や学級開きに対する考え方や信念をインタビューから明らかにし,その担任が学級開きにおいてどのような語りをするのかについて質的に明らかにすることを目的とした。インタビューの分析から,対象者は多様な人と関わりをもつことや,学級経営では自分らしさを発揮しながらも安心して過ごせるような場にしたいと考えていることがわかった。さらに学級開きについては,横糸づくりを意識し良い点を伝えたり,伸びやかな雰囲気を作り出したりすることに重点を置くこと,どの学年においても多様性を尊重し,安心して過ごせる場であってほしいということを伝えることが明らかとなった。
学級開きの語りの分析から,信頼感の構築と安心感の形成を土台としながら,生活スキルや教室マナー,コミュニケーションといった児童が適切な行動を取れるようなスキルを身につけていくことが学級開きの中核を成し,その上で学習プロセスを児童と共有して学習意欲を高めることのできるような学習指導を行っていること,適宜必要なフィードバックをしていることが明らかとなった。
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髙橋 祐哉, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
29-30
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,小学生のペア学習においてペアの相手を変更する手立てを加えることにより,相互性の高いペア類型へと変容する「協働」類型化への効果を検証した。分析の結果, 「協働」類型ペアが増加し,ピア指向性質問紙からは,児童は今回のペア学習が文章作成に有用であると感じたことが明らかとなった。また, 「協働」類型化の対象である「支配」類型児童の質的な分析からは,児童が「協働」類型化した理由を明らかにすることができた。ペア学習におけるペアの変更は「協働」類型化を促す手立てとして効果的であることが推察された。
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弱い紐帯を拡充していく児童へのナラティブ的探究
佐橋 慶彦
2025 年 7 巻 conference 号 p.
31-32
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
授業中の自由交流を記録したところ“休み時間もいつも一緒に過ごしている”ような「強い紐帯」で結ばれた相手とばかり交流していた子ども達が,徐々に交流の範囲を広げ“普段は一緒に過ごしていないが必要に応じて交流できる”関係である「弱い紐帯」を増やしていることが分かった。そこで,その背景にどんな物語があったのか,一人一人の中でどのような変容があったのかを明らかにするためにナラティブ的探究を行った。
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安藤 郁音, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
33-34
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では小学校第 6 学年を対象にクィア・ペダゴジーに基づいた授業を実施した。クィア・ペダゴジーに基づいた授業実践を通じて,児童のジェンダー観・セクシュアリティ観の変容を明らかにすることを目的とし,事前事後のアンケート,学習前の発話と学習後の振り返り記述の分析を行った。その結果,クィア・ペダゴジーに基づいた授業実践が児童の考えや価値観を揺さぶり,異性愛規範やジェンダー規範に影響を与える可能性が示唆された。
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小学5年生「振り返りジャーナル」の継続実践を通して
前田 考司
2025 年 7 巻 conference 号 p.
35-36
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
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飴谷 彩原, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
37-38
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
中・高等学校の英語教育において,Can-Do リストを用いた学習到達目標の設定が進められ,小学校の英語教育においても Can-Do リストを用いた授業づくりが求められている。本研究の目的は,振り返りシートを用いた Can-Do 自己評価を行う授業における児童の有能感に与える影響を明らかにすることである。事前・事後で有能感に関する質問紙調査の分析,振り返り記述の SCAT による分析を行った。その結果,振り返りシートを用いた Can-Do自己評価を行う授業は,児童が自らの学習成果や進捗状況を把握することを可能にし,児童の有能感の向上に寄与していることが示唆された。
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大学,教職大学院,附属中学校の連携による3年間の縦断的調査を通して
渡邉 信隆, 菱田 一哉, 杉本 任士
2025 年 7 巻 conference 号 p.
39-40
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,中学校における探究学習の指導の成果と課題を明らかにすることを目的とする。1年次から3年次にかけての生徒の資質・能力の変化に関して質問紙調査を用いて分析し,学習形態や指導方法が生徒の自己評価や学習成果に与える影響を検討した。その結果,1・2年次では生徒が探究に必要な資質・能力を個別に捉えていたが,3年次になるとそれらを関連付けて理解する傾向が見られた。また,3年次の生徒は学習態度や情報処理能力,自己評価能力の面で高い値を示し,指導の積み重ねが探究学習に有効であることが示唆された。一方で,自己評価は2年次以降低下する傾向があり,学習のマンネリ化や個別探究への移行による戸惑いが影響していると考えられる。今後の課題として,探究学習の学習形態の工夫や,協働学習に対する生徒の意識改善のための全校的な取り組みが求められる。
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熟練教師による談話分析を検討する
竹岡 正和
2025 年 7 巻 conference 号 p.
41-42
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究の目的は小学校 2 年生における自治的集団形成過程について,メーハンの I-R-E 発話連鎖という概念に基づき,熟練教師による児童の予想外の反応に対するフィードバックの役割を明らかにすることである。授業における教師と児童の談話分析をした結果,以下の 3 点が示された。第 1 に,教師は児童の予想外の反応に対して直接解決するフィードバックを行うのではなく状況提示の未解決なフィードバックを行っていることが示された。第 2 に,未解決なフィードバックを行った後,すぐに児童の視界から消えていた。その結果,児童は質問の機会を失い児童同士で問題解決するために再思考が促されることが示唆された。第3に,教師は解決・未解決なフィードバックを場面に応じて即興的に使い分けて未解決なフィードバックで再思考を促し,児童が問題解決する雰囲気の醸成を行っていることが示唆された。
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五十嵐 健一, 山本 裕貴
2025 年 7 巻 conference 号 p.
43-44
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
教師の心理的安全性と教科指導学習動機について,小学校~高等学校,特別支援学校の教師 171 名を対象に質問紙調査を行った。心理的安全性の差で低・中・高群に分け,一要因分散分析を行ったところ,教科指導学習動機の下位尺度「無関心」において有意な主効果が認められた。また多重比較を行ったところ,低群>中群・高群という結果が示され,心理的安全性が低い教師は高い教師より,教科指導の学習に無関心である可能性が示唆された。
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関原 夢実, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
45-46
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,新人女性教師が保護者対応でどのようなことで困り,どのような支援を必要としているのかをインタビューから明らかにすることを目的とした。インタビューの分析から,新人教師は保護者対応で様々な困りを感じ,周りの人が話を聞き,伝え方を一緒に考えてくれる支援を必要としていることが明らかになった。今回の調査・分析では,女性教師に着目したが,保護者対応での女性ならではの困り感を明らかにすることはできなかった。また,ポジティブな性格かネガティブな性格かによって保護者対応での困り感が変わると推察された。
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SCAT の分析から見えてくるもの
阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
47-48
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
若手教師の早期退職問題を背景に,初任の 1 年間を過ごすことができた教師の経験を分析し,その状況を見取ることを目的とした。初任教師 2 名に年 7 回,感じたことを語ってもらい,その内容を SCAT の手法で分析した。その結果,①職場の同僚性の存在,②教師独特の役割を肯定的に受け止める姿勢,②無自覚に拡張的な発達研究の方法論的サイクル(1)を回していることが示唆された。
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修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析
服部 純平
2025 年 7 巻 conference 号 p.
49-50
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では、小学校初任者教員が「優しさ」と「厳しさ」をどのように意識し、統合させながら学級経営を行おうとしているのか,その過程を明らかにすることを目的とする。分析の結果、初任者教員が【子どもの納得感を得】、【子どもに合わせた柔軟な対応】を意識することで厳しさと優しさの統合を図ろうとする姿が明らかとなった。
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教室環境づくりにこだわりをもつ教師へのインタビュー分析を通して
若林 里歩, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
51-52
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
児童の力を最大限に発揮させる多様な教室環境づくりが求められることを背景に,現職教員5名へのインタビュー分析を通して,教師がどのような意図や思いをもって座席配置を考えているのか明らかにすることを目的とした。その結果,①小学校で主に用いられている座席配置は「スクール型」「コの字型」「アイランド型」 ,②座席配置において重要視することは,教師の働きかけ方の違いによって「配置」と「形」に二分する,③フリーアドレス制の難しさ,④様々な席替えの方法と教師のねらいが明らかになった。
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小学 6 年生のコミュニケーション力と自己肯定感の向上
田中 栄太郎
2025 年 7 巻 conference 号 p.
53-54
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
この研究では,小学 6 年生を対象にペップトークの教育実践を行い,その効果を探った。プログラムを通じて,子どもたちのポジティブ思考やコミュニケーションスキルが向上し,自己肯定感や友人関係も改善されたことが分かった。クラスの雰囲気も温かくなり,ペップトークが日常の教育現場で有効であることが示された。他の学年や学校への応用の可能性もあり,今後の教育アプローチにおいて重要な示唆を得られた。
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児童の自己有用感にもたらす影響について
中村 亮健, 佐橋 慶彦
2025 年 7 巻 conference 号 p.
55-56
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,低学年において多重知能理論(以下,MI 理論)を活用することが,児童の自己有用感にどのような影響をもたらすかについて明らかにすることを目的とした。具体的には,MI 理論に基づく調査から係を構成し,学習活動を実施できるようにした。その結果,児童の自己有用感に有意な正の変容が認められた。MI 理論の活用で自分の得意を知ることが変容のきっかけになった可能性が示唆された。
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係活動における児童の自己評価と「幸福感」に着目して
峯尾 優太郎, 五十嵐 健一
2025 年 7 巻 conference 号 p.
57-58
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,1 年間の係活動における自己評価と児童の幸福感との関連について検討することを目的としている。具体的には,係活動の振り返りにおける数値的評価や係活動において「自分についた力」などの記述に関する調査を小学校 2 学級で実施した。この結果を「児童用幸福感尺度」と関連付けて分析することで係活動の価値や効果的な運営方法について検討した。
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北潟 綾野
2025 年 7 巻 conference 号 p.
59-60
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning:以下 UDL)に着目し, UDL 実践者の「授業観」と授業設計がどのような関係にあるのかを質的に分析し,考察することを目的とした。「授業観」の内実を明らかにするためにインタビュー調査を行い,得られたインタビューデータを「うえの式質的分析法」を用いて質的に分析をした。分析によって得られた対象教諭の「授業観」と,UDL クライテリアを参考に記載内容を設定した指導案の内容の関係について検討をした。
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国内文献レビュー
高橋 宇, 赤坂 真二
2025 年 7 巻 conference 号 p.
61-62
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は,学級経営の定義について,これまで行われてきた定義を抽出,分析することで,学級経営の定義にはどんな構成要素が必要であるかを検討し,より広い共通認識とできるような定義づけを行うことが目的である。国立教育大学附属図書館で閲覧可能であった学級経営を題名に冠する書籍や学級経営がタイトルに含まれる論文を概観し,これまでの学級経営の定義を抽出した。抽出した 74 の定義に対してオープン・コーディングを用いて分析を行った。分類した結果,大カテゴリー3個,中カテゴリー7個,小カテゴリー19 個を抽出した。それぞれのカテゴリーから定義の構成要素を見出し,それぞれについてどのような文言を採用するか,これまでの研究から検討し,現時点における定義づけを行った。また,今回の定義づけについて現職教員に対してアンケートを実施し,妥当性や実践への適応性を検討した。結果,学級経営の主体を学級担任とする文言に対する意見が多く見られ,また実践への適応性に対する肯定的な意見も少なかった。しかし,定義について同意できるかの設問に対しては肯定的な意見が8割を超えており,現職教員からの一定の理解が示された。
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小学校1年生の実践から
遠藤 南葉, 小島 貴之, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
63-64
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究では,公立小学校1年生の学級で学級規模ポジティブ行動支援(CWPBS)を実施し,学級全体と対象児童の変容やその関係性を明らかにすることを目的とした。学級担任と協議の上で3つの目標行動を設定し,目標行動の視覚化や,フィードバックを行った。その結果,学級全体で目標行動の達成率が向上するとともに,対象児童においては特に話を聞く姿の向上的変容がみられた。また,学級担任と児童への質問紙調査の結果から一定の社会的妥当性が確認された。
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子どもの動きと「振り返り記述」に着目して
冨岡 義央, 髙橋 祐哉, 阿部 翠, 石坂 麻衣, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
65-66
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
近年,イエナプラン教育が注目されている。イエナプラン教育の対話・遊び・仕事(学習)・催しという4つの基本活動の中の仕事に含まれるブロックアワーに焦点を当てた研究を行った。本研究の目的は,児童が初めてのブロックアワーを体験した際にどのような動きをするのか,どのような振り返りをするのかの2点を明らかにすることである。SCATによる分析・ビデオ記録を用いた児童の動きの分析・カイ二乗検定を用いて自立と共生を意識した質問の分析を行った。その結果,ビデオ記録から学習形態を児童が自ら場所を選択しながら学習に取り組む姿が確認された。また、振り返り分析では児童が自ら学習を調整できた、協力し合うことができたなどの記述内容が見られた。
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小学1 年生における静かに話を聞く行動の定着を目指したポジティブ行動支援の効果
松山 康成, 山本 このみ
2025 年 7 巻 conference 号 p.
67-68
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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本研究の目的は,学級で生じる課題(授業開始時の私語)改善のための遠隔コンサルテーションを用いた学級経営支援としてポジティブ行動支援に取り組み,その効果を検討することであった。参加者は小学 1 年生 19 名と学級担任 1 名であり,改善のための実践として,話の聞き方の授業、沈黙のポーズ、学級担任による賞賛・承認等を行った。その結果,授業開始時の静かになるまでの時間は減少し,遠隔コンサルテーションによる学級経営支援の有効性が示された。
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個別の目標と基準に対する視覚的フィードバックの効果
峯島 樹生, 栁澤 光季子, 村浦 新之助, 松山 康成
2025 年 7 巻 conference 号 p.
69-70
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
フリー
本研究は、公立特別支援学校の中学部1学級を対象に学級規模で各生徒の適応行動の獲得を目的とした。対象は公立特別支援学校中学部2学年の生徒7名であり、期間は 202X 年度 9 月から1月とした。手続きは、個人目標の視覚的提示、定時に目標の達成についての視覚的フィードバック、とした。実験デザインは BL 期と介入期からなる AB デザインとした。記録には Google form を用いた。その結果、BL 期に比べて介入期において各生徒が適応行動を獲得していることが示された。
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阿部 翠, 髙橋 祐哉, 冨岡 義央, 石坂 麻衣, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
71-72
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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本研究は,水落・阿部(2015)の「目標と学習と評価の一体化」に基づき,小学校 3 年生の算数科授業を実践し,児童の主体性の変化を測定した。単元進度表を活用し,授業前後で「安心して学べる環境」等の主体性に関する項目が有意に上昇した。抽出児童の分析では,振り返り活動が意欲向上に寄与する一方,個別学習を志向する児童には対応が必要であることが示唆された。学習形態の多様化と個別支援の充実が学びの質の向上に繋がると考える。
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授業従事率の推移に基づく個別のニーズに応じた支援
室根 広菜, 松山 康成
2025 年 7 巻 conference 号 p.
73-74
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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本研究では,公立小学校特別支援学級におけるデータに基づく個別・小集団支援の実現を目指した学級経営が,児童の授業従事行動にどのような効果を及ぼすのかについて検討する。データの計測・分析方法,それらに基づく支援方法(ポジティブ行動支援,心マトリクス,ペップトーク等) ・介入の意思決定,加えてその効果の検証を通して,今後のわが国の特別支援学級経営の在り方について考察する。
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学習計画表を用いた理科の授業実践から
宮入 響, 長谷川 侃, 種田 悟, 飴谷 彩原, 阿部 隆幸
2025 年 7 巻 conference 号 p.
75-76
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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本研究では,公立小学校 4 年生理科において,作成した学習計画表を用いて授業実践を行い,学習意欲にどのような影響を与えるのか明らかにすることを目的とした。実践で用いた学習計画表は,課題やめあてを可視化させ,見通しを持って学べるようにしたことに加え,実験の順序を児童が自己決定できるようにした。尺度を用いた測定,単元の振り返り記述から行った分析の結果,自己決定感が高まり児童の学習意欲が向上したことから学習計画表の有効性が示唆された。
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糟谷 樹理, 生方 直, 五十嵐 健一, 西村 晃一
2025 年 7 巻 conference 号 p.
77-78
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
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本研究では,クラス会議プログラムの社会的能力向上における効果を検証することを目的とした。小学生版「社会性と情動」尺度においては児童の社会的能力に有意な変化は認められなかったが,尺度得点の変容及び児童アンケートの自由記述からプログラムの継続した実施によって社会的能力が向上する可能性が示唆された。
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『けテぶれ』の取り組みから
北村 由実, 葛原 祥太
2025 年 7 巻 conference 号 p.
79-80
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
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本研究では,自己調整学習に取り組んでいる筆者が,児童の学習シートのどの記述にフィードバックをしているかを分析し,自身の「なんとなく」行っているフィードバックの中身を構造化した。また,自己調整学習の「自己内省」と「予見」の間には,児童の「学びの確定」が必要であり,その「学び」を自覚化させ, 「予見」につなげることが教師のフィードバックの役割であることも見えてきた。
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UDLの視点より
小野 絵美
2025 年 7 巻 conference 号 p.
81-82
発行日: 2025年
公開日: 2025/03/21
ジャーナル
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本研究では,国語科における児童の主体的な学びについて,Universal Design for Leaning(以下,UDL)の視点より筆者が授業実践し,その特徴について考察した。国語科における児童の主体的な学びへの寄与についてのUDLの特徴が,KJ法による分析の結果,【指導の焦点化】 【できる・わかる】 【選べる】 【楽しさ】という4つの特徴をもっていることが明らかになった。
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