学術情報処理研究
Online ISSN : 2433-7595
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15 巻 , 1 号
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原著論文
  • 伊藤智博, 高野勝美, 田島靖久, 吉田浩司
    2011 年 15 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    山形大学では,ネットワークを安定に運用するために様々な試みがなされてきた.2011年3月11日に発生した東日本大震災以前には,比較的安価な商用ISPによるバックアップ回線を準備し,ファイアウォールの複数ISP接続機能とDNSのラウンドロビン機能によるインバウンド通信の冗長化技術を構築していた.震災による停電によって,この冗長化構成が施されたサーバについては,学外から本学のサービスを利用することができた.一方,この冗長化技術だけでは,学内から学外への通信はできなかったため,震災後,アウトバウンド通信の冗長化技術を導入した.本稿では,震災前,震災時および震災後に実施した情報基盤を取り囲む様々な対応について報告する.

  • 沖野浩二, 山田純一, 布村紀男, 柴田啓司
    2011 年 15 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    不特定多数が利用するネットワークでは、コンピュータ・ウィルスに感染したノードや不正なユーザによる利用が発生する場合がある。このような場合に対応するために認証を行い通信記録を取得する必要があるが、このようなトレーサビリティネットワークを構築するためには、メーカー独自の機構を利用したり専用装置を導入する必要があった。本論文では、既存ネットワークの構成を変更せずに導入可能な、トレーサビリティネットワークの構築手法を提案し、トレーサビリティネットワークを構築するに当たり、利用形態に基づいた階層とそれらの階層における要件の定義と提案手法の実装を行った。結果として、既存の無線LAN APやインテリジェントスイッチを用いて、ユーザ情報(IPアドレス-MACアドレス-利用者)の収集を行い、それぞれの階層において想定される不正利用を抑止することが可能になった。

  • 佐々木博史, 荻野哲男
    2011 年 15 巻 1 号 p. 20-30
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    神戸大学では2011年1月に,学内の情報基盤を実現するシステムとして,神戸大学教育研究用計算機システム(KAISER: Kobe Academic Information System for Education and Research)を導入した.大学におけるメールや教育用端末の利用など,情報通信技術の重要性は増々重要になり,多くの要求があがっている一方,予算や人員についてはむしろ削減されているのが実情である.導入・運用コストの削減が叫ばれる中,サービスの向上をはかる上での神戸大学での取り組みについて紹介する.

  • 久長 穣, 杉井 学, 為末隆弘, 金山知余, 小河原加久冶
    2011 年 15 巻 1 号 p. 31-39
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    ネットワーク利用者からのネットワークに関する問い合わせにはネットワーク障害に関するものあるが、その多くは利用者端末の設定ミスや接続不良によるものが多い。そのため、利用者端末の状況を的確に把握し、それに応じた対応が求められる。ネットワーク管理の経験者であれば、ネットワーク機器が記録している情報を取得し統合することで、ある程度利用者端末の状況を把握する事ができるが、経験の無い、または経験の浅い管理者には困難である。一般のネットワーク管理システムの活用も考えられるが、それらは、ネットワーク機器の管理及びトラフィック等の利用状況の分析が主であり、ネットワークの末端に接続される利用者端末の状況確認に利用するには困難である場合が多い。そこで、平成13年のギガビットネットワークの整備の際に、ネットワーク利用者研究室が個別に把握できる物理ネットワークの整備を行い、さらに平成14年からネットワーク機器の管理だけでなく利用者端末の状況を把握する事のできるネットワーク運用支援システムを提案し、随時構築してきた。また実際に運用を通してその有用性を確認した。本稿では、本ネットワーク運用支援システムについて述べるとともに、山口大学における運用状況について報告する。

  • 本村真一, 木本雅也, 大野賢一
    2011 年 15 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    スマートフォンやiPadに代表されるタブレット型端末の登場で、鳥取大学においても無線LANの需要が増大している。この需要を満たすため、既存の無線APを再配置することで無線LANのカバレッジエリアの拡大を検討している。無線APの再配置には、配置前のシミュレーションの実行だけでなく、配置後にサイトサーベイを実施し、シミュレーション結果との比較を元に再設置箇所を検討する必要がある。本取り組みでは、シミュレーションの精度を向上させるため、配線工事を伴わない範囲で無線APの配置を見直した。再配置と同様に、本取り組みでもシミュレーションとサイトサーベイの結果を比較している。使用したシミュレーションソフトウェア、AirMagnet Plannerは2次元平面を対象としおり、各階に設置した無線APだけを対象としたサイトサーベイの結果と比較すると、適切にシミュレーションができることが分かった。しかしながら、実際には上下階に設置した無線APからの電波が大きく影響するため、作業者による予測にてこの問題に対処した。本作業による知見はそのまま再配置作業に適用できるため、有益な結果が得られたと考えている。

  • 浜元信州, 三河賢治, 青山茂義
    2011 年 15 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    新潟大学では,平成19年1月に教育用コンピュータシステムを更改し,これまでのローカルブート形式の教育用パソコンから,ハードディスクを搭載しない,ネットワークブート形式の教育用パソコンに転換した.本システムの導入当初は教育用パソコンの起動時間が安定せず,これまでに様々な対策を講じてきた.このようなネットワークブート形式のシステムでは,教育用パソコンの起動時間に影響を与える要因を特定することが非常に難しく,ポイントのはずれた対策は莫大な時間とコストを浪費するだけである.新潟大学では,教育用パソコンの起動時間の短縮に効果的な要因を探るため,ネットワークブートサーバのハードディスク性能とネットワーク帯域を変更し,複数の組合せに対して教育用パソコンの起動時間を計測した.その結果,起動時間には,ネットワーク帯域の増強が大きく影響し,ハードディスク性能は大きく影響しないことが分かった.本論文で上記の実験結果を報告する.

  • 田島 浩一, 近堂 徹, 岸場 清悟, 大東 俊博, 岩田 則和, 西村 浩二, 相原 玲二
    2011 年 15 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    イントラネットワークへのセキュリティ対策として,認証ネットワークと呼ばれるユーザ端末のネットワーク接続に認証を用いる事で,権限の確認や利用記録を行い,不正利用を防止する対策が現在では多くの組織で導入されている.認証操作では利用者へのユーザビリティの高い利用として,利用者が自身のIDを認証用のWEBページへ入力して認証を行うWEB認証や,ユーザ端末のネットワーク接続時に端末のMACアドレスの登録の有無により認証を行うMACアドレス認証等が利用されている.WEB認証はこれまでにさまざまな研究や実装および製品化が行われ,実用的な方法が確立されているが,MACアドレス認証はIPアドレスが不定な状態でも認証が行えるため,WEB認証の手法をそのまま適用することができない.そこで本稿では,MACアドレス認証の利用についてこの問題について整理するとともに,大規模キャンパスネットワークでの運用を前提としたMACアドレス認証の運用方法として,MAC認証したユーザ端末に不具合の生じる移動を管理する事による対策について述べ,構成事例と性能評価について報告する.

  • 伊藤 史人, 高見澤 秀幸, 丸田 伯子, 大内 佑子, 筒井 泉雄, 山田 健司, 佐藤 郁哉
    2011 年 15 巻 1 号 p. 61-69
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    本論文では,発達障害学生の修学支援として,ネットワークを用いた遠隔講義を実施した例を紹介する.近年,本学でも発達障害学生の存在が明らかになっており,その対策が急務となっている.支援の根拠としては「発達障害者支援法(平成16年法律第167号)」があり,大学は積極的に修学支援を実施していかなければならないとされている.これらの学生は,障害に起因したさまざまな問題により,通常の講義への出席が困難となり大学生活に問題を抱えていることが多い.一方で,特定の分野においては極めて高い能力を発揮することが知られている.本論文では,発達障害学生の修学支援を目的とした遠隔講義の実施について,その手法と効果について述べる.また,遠隔講義を行うに当たって生じた,機材の選定やネットワーク,現場での運用の問題についても述べる。

  • 森下 孟, 茅野 基, 鈴木 彦文, 永井 一弥, 新村 正明, 矢部 正之
    2011 年 15 巻 1 号 p. 70-81
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    本研究では,既設の大学間遠隔講義システム及び遠隔講義収録・配信システムの問題点を解決するため,「遠隔講義接続・切断の自動化」「講義コンテンツ配信の自動化」「カメラの遠隔制御」「コントロールプログラムのiPad対応」の4要件を満たすシステム及び機能を構築・実装し,より効果的・効率的に通常の対面講義でのネットワーク配信を可能にすることを目的とした.本研究の結果,既設システムの問題点をそれぞれ解決・改善することができたが,講義コンテンツの自動配信では「プロキシサーバ環境下で視聴できない」,カメラの遠隔操作では「操作の煩雑さや柱の陰にいる受講生を捉えることができない」といったシステム面・運用面での新たな問題点が明らかになった.

  • 久保田真一郎, 副島慶人, 川村諒, 杉谷賢一, 武藏泰雄, 永井孝幸, 入口紀男, 右田雅裕, 喜多敏博, 松葉龍一, 辻一隆, 島本勝, ...
    2011 年 15 巻 1 号 p. 82-88
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    無線LANを用いた位置推定の研究は多く行われており,2.4GHz帯を用いた位置推定については,無線LANに限らず,IEEE802.15.4規格の無線センサネットワーク機器においても広く研究されている.IEEE802.15.4規格の無線センサネットワーク機器を用いた研究において,歩行者がある場合に位置推定精度が向上するという研究結果が発表されており,同様の周波数帯で通信を行う無線LANで構築された情報インフラ環境であっても同様の結果が起こるか検証を行った.その結果,先行研究を支持する結果とはならず,不可視APを位置推定に利用する影響に比べると歩行者の往来が誤差に及ぼす影響は小さいことが確認された.本研究結果は,先行研究を否定するものではなく,学内の無線LANインフラを用いた場合の位置推定誤差について知見を与えるものである.

  • 岩沢和男, 宮原俊行, 中川敦, 岩田則和, 西村浩二, 吉冨健一
    2011 年 15 巻 1 号 p. 89-97
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    広島大学情報メディア教育研究センターでは、2010年9月にシステム更新を完了した。新システムで再構築したセンター・サービスの利用登録システムにおいては、「誰がどの機能を使用できるか」を一元管理するため、サービスの機能単位とユーザーグループで構成するサービス管理表を導入した。これにより、サービス利用条件を可視化でき、且つ、利用条件の変更も容易になった。事務方とのデータ連携においては、教職員、学生および学外者のIDについて、LDAPで連携している。何回か起きた大規模なID消失等のトラブルに対して、実害を極力抑制できる仕掛けを構築した。

  • 伊藤 史人, 高見澤 秀幸, 佐藤 郁哉
    2011 年 15 巻 1 号 p. 98-107
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    電力不足に起因する節電対策については,本学においても喫緊の課題となっており,講義室の空調をはじめ屋内照明等についても積極的に節電対策を実施している.我々が管理する学内情報機器の節電に当たっては,PCへの対策は当然ながらサーバー機器への対策も考えなくてはならない.サーバー機器はサーバー室に集中配置していることから,排気によるサーバー室温上昇を防ぐため空調による適切な冷却が必要である.しかしながら,サーバーの安定動作を求めるあまり,空調の設定温度を必要以上に下げてしまう傾向がある.その結果,無駄な電力を消費することとなり,Power Usage Effectiveness(PUE:電力使用効率)を悪化させる要因となる.本論文では,サーバー環境温度の調査結果について報告し,サーバー機器の吸気・排気・CPU温度および外気温に関連して考察した.今回の調査では,マイクロソフト社の提唱する27℃設定は妥当性のあるものであることが確かめられた.なお,本研究を実施するにあたり,偶然に空調機器故障が発生し,サーバー室の温度上昇によるシステムダウンが発生するまでの実測結果を得た.これらの実測値を利用し,サーバー室の環境温度を考察した.

  • 櫻田武嗣, 萩原洋一, 古谷雅理
    2011 年 15 巻 1 号 p. 108-116
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    本論文では,多地点を高精細映像で結ぶ遠隔講義システムの全国運用と運用開始から2年間の状況について述べる.我々は2009年から全国18国立大学法人をHD品質の高精細映像,高品質な音声で結び,利用者の負担を減らすための自動化をすすめた遠隔講義システムの設計と構築を行い,運用を行っている.通常はシステムが予約に従い自動起動や自動終了するが,万が一自動起動しなかった場合の復旧を簡単にする仕組みや,予約時間を簡単に延長する仕組みの設計,構築など使いやすくするための改良,調整を続けている.またこの2年の間に設置拠点も増え,遠隔の教室を結ぶだけでなく近隣の教室を結んで仮想的な大教室としての利用もされている.本システムは1日約2件の遠隔講義や会議で利用されている.今後も高品質な映像,音声を生かした幅広い活用が期待される.

  • 吉冨健一, 岩沢和男, 三戸里美
    2011 年 15 巻 1 号 p. 117-124
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    広島大学情報メディア教育研究センターでは,利用者からの問い合わせ(ヘルプデスクメール)に着目し,サービスごとに問い合わせ件数を自動で集計するシステムの運用を行った。その結果,特に学生からの問い合わせに関しては,問い合わせ内容から対象となるサービスを逆引きすることに限界があることが明らかとなった。また,端末利用者へのアンケート結果から,わからないことがあった場合に,問い合わせる学生は全体の4%にすぎず,1割を超える学生がそれを放置してしまうという結果が得られている。今回,学内の学生向けポータルサイト『もみじ』に,“パソコンQ&A”という形で情報を掲載する機会を得た。この場を利用して,集計に基づいて前年同時期に多く寄せられた問い合わせ内容を掲載するととともに,新規サービスの告知に活用した結果,メディアセンターのFAQと比較して倍以上のアクセス数を得た。『もみじ』の“パソコンQ&A”に選択的にメッセージを提供することは,学生に特化した情報の提供先として,センターFAQよりも有用であることを確認した。

  • 古谷雅理, 櫻田武嗣, 萩原洋一, 清水さや子, 吉田次郎
    2011 年 15 巻 1 号 p. 125-133
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    近年,監視カメラは多くの場所に設置され,防犯などに利用されている.監視カメラは少人数で広範囲を監視できるという利点があるが,従来は専用機器を必要とする高価なシステムであった.そこで我々は2001年頃からIPカメラを利用した監視カメラシステムの開発をしてきた.このシステムは民生用ネットワークカメラ(HTTP,FTP対応のIPカメラ)を利用しており,蓄積画像検索機能や携帯端末への通報機能を有している.さらに狭帯域のサテライトキャンパス監視に向けた拡張システムを開発している.このように学内の監視カメラの増設,システムの改修を続けてきたが,ネットワーク管理部門である総合情報メディアセンターの役割はシステムの構築と運用であり,学内監視は別部門の役割である.今後は他部門での利用を考えた運用,改修をおこなう必要がある.本稿ではこれまで構築してきた監視カメラシステムの概要と他部門運用に向けた今後の展開を述べる.

  • 瀬川大勝, 辻澤隆彦, 辰己丈夫
    2011 年 15 巻 1 号 p. 134-141
    発行日: 2011/09/14
    公開日: 2019/01/24
    ジャーナル フリー

    東京農工大学における教育研究用情報システムは5年間のリース期間が2011年1月31日を以って終了することから,新システムへの移行を進めてきた.教育研究用情報システムは演習端末室システム,インターネット情報システム,統合管理運用システム,サーバーファームシステム,図書館システムなど多岐にわたるサブシステムから構成されている.新システムでは仮想化システムを積極的に導入し,スペースの削減と消費電力の削減を目標に構築を進めてきた.本論文では,2011年4月から本格運用を開始した教育研究用情報システムの全体構成と演習端末室システムについて詳細に述べるとともに,Cisco SystemsのIAサーバ,EMCストレージ,VMwareの組み合わせによるプライベートクラウドの構築を通して明らかとなった有効性及び今後の課題について報告するものである.

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