学術情報処理研究
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19 巻 , 1 号
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原著論文
  • 清水さや子, 横田賢史, 三浦悦子, 萩原知明, 鈴木直樹, 吉田次郎, 戸田勝善
    2015 年 19 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    近年,急増している不正アクセスなどに対して,企業だけではなく大学などの教育研究機関においても,安全性を考慮したネットワークの仕組みが求められている.その対応の一環として,東京海洋大学品川キャンパスでは,IPアドレスとMACアドレスを関連付けして認証するシステム(MAC-IP監視管理システム)を,2014年3月より1研究棟に試験導入し,2015年3月より全研究棟に導入している.MAC-IP監視管理システムは,セキュリティ対策だけを考慮した仕組みではなく,各研究室内の接続機器情報の管理には,研究室ごとに機器管理者グループを作り,機器管理者グループでWeb上から管理を行える利便性も考慮した仕組みである.本稿では,MAC-IP監視管理システムの導入時から現在における運用評価を中心に,運用から明らかになった課題と課題に対する解決策,そして,今後の展開について述べる.

  • 杉浦 徳宏
    2015 年 19 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    三重大学総合情報処理センターでは,2012年4月から電力見える化システムを導入し,全関係個所の電力計測を行い,消費電力削減に取り組んでいる.本論文では,サーバ室について,IT機器による消費電力量と空調の消費電力量の関係についてPUEやCOPを用いて調査分析を行った.次に,この分析結果より,空調の運転効率についての適正度を評価点という形で定量化することで可視化を行った.また,この評価点をもとに空調電力の削減に取り組み,良好な結果が得られたので報告する.

  • 近堂徹, 中川敦, 岸場清悟, 岩田則和, 西村浩二, 相原玲二
    2015 年 19 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    大学等の高等教育機関において,電子メールは教育研究のための重要インフラであり,安定的かつ継続的な提供が求められている.メールサービスがパブリッククラウドのSaaS(Software as a Service)として,妥当な費用で提供されるようになったため,大学等においてもその利用が増えている.SaaSでは,原則として提供される機能をそのまま使う必要があり,カスタマイズを多用する傾向が強い既存オンプレミス環境から移行する場合,操作に慣れるための利用者の負担が大きいが,学生,教員,職員ごとに最適な移行時期は異なる.広島大学では平成27年9月稼働開始の電子計算機システム更新に先がけて全学メールのSaaS移行を実施し,2月から8月の間で,各利用者が都合のよい日を選んで移行できる手法を取り入れた.本論文では,全学メールのSaaSへの円滑な移行を目指す支援システムの実装について述べ,約20,000人の利用者の移行状況などから得られた知見を示す.

  • 本村真一, 川戸聡也, 木本雅也
    2015 年 19 巻 1 号 p. 26-34
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    大学等の教育・研究機関では、動画像の高解像度化などに伴うデータ量の増加や研究データの高い信頼性確保に向けた長期保存など、ストレージに関する需要は大容量化やデータ損失を防止しながらも低コストでの調達が求められている。このような需要への対応としてパブリッククラウドストレージの活用が考えられるが、セキュリティポリシー等によって利用が制限されることは、教育・研究機関に限らず散見される。そのような場合は、パブリッククラウドストレージの多くで利用されているオブジェクトストレージの活用が候補となる。ここでは、教育・研究用情報システムにおけるストレージとしてオブジェクトストレージを活用した事例とその評価を示す。

  • 松澤 英之, 園田 誠
    2015 年 19 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    最近学生証としてFeliCa(IC)カードを採用する大学が増えているが、FeliCaカードを自由に単独の認証に用いることは難しい。また、利用者の利便性およびセキュリティの向上等から統一認証が採用されるが、同一のセキュリティ強度となる統一認証だけでは、各システムの重要度に応じたセキュリティ強度の認証を行うことは難しい。この解決策として多段(多要素)認証がある。今回、ICカード等を用いた多段Web認証を開発した。

  • 多田 充
    2015 年 19 巻 1 号 p. 40-49
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    近年多くの大学では,さまざまな事務処理をWebインターフェース(ブラウザ)で行うようになってきている。構成員は,学内に設置された事務処理(サービス)システムがにログイン(認証)した上でそのサービスシステムを利用するが,多くの大学ではその認証方法として「ユーザID&固定パスワード」による方式を採用している。固定パスワードによる認証は導入が容易であり,すでにネットワーク上の大半のサービスシステムで採用されているためか馴染み深い反面,パスワードクラッキングなどセキュリティ上の問題を多く抱えている。本論文では,既存の固定パスワード認証システムを利用しつつ,学外からのアクセスに対しては「認証シャッター」を経た2要素認証にする方法を述べる。認証シャッターの考え方は2014年に[11]で提案されたもので,シャッターが閉じている間はたとえ正しいユーザIDとパスワードを送信しても,認証サーバへの照会を行わないというものである。これにより,四六時中なりすましログインの窓口を開けている固定パスワード認証システムの安全性を格段に高めることができる。本論文で提案するシステム構成は,ユーザおよびサービスシステムの他にシャッター制御センターを合わせた3者間認証になっており,シャッターを開けるためには,ユーザはシャッター制御センターに対して記憶および所有物の2要素認証をパスする必要がある。そのため,シャッターを開けてログインしたユーザ本人の確からしさ(認証レベル)を上げることができ,より安全にサービスシステムを運用できるようになる。

  • 田中克明, 山中達哉, 松村芳樹, 高見澤秀幸
    2015 年 19 巻 1 号 p. 50-57
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    大学は,企業と異なり,人事発令に基づき雇用されている者だけではなく,学生,発令のない研究員などさまざまな立場の人々から構成される.さらに,学生がTAで雇用されるなど,複数の立場を持つ場合もある.これらに統合的なIDを付与し,認証に利用する試みは統合認証として各大学において進められており,本学でも一橋認証IDと呼ぶ認証システムを運用している.本論文では,これをさらに進め,認証システムよりも上流の段階で各人に一意のIDを付与し,さらにサービス提供者へIDに基づく情報を連携するシステムについて述べる.本システムでは,計算機によるシステムや各種学内サービス間の連携のみならず,さまざまな身分の構成員を通して1人に1つのIDを実現することにより,事務の各部署において業務に必要な情報の連携を促進することも目的とする.

  • 東 昭孝, 笠原 禎也, 高田 良宏, 二木 恵, 松平 拓也
    2015 年 19 巻 1 号 p. 58-67
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    金沢大学では,全学ポータルとして開発・運用を行ってきたアカンサスポータルと呼ばれるシステムがある.アカンサスポータルには,多種多様な機能があり,ユーザが利用したデータが蓄積されている.我々は全学ポータルを運用することで蓄積されるデータが全学ポータル自身の改善,さらには,教学支援に活かせることを確認すべく,学生の動向,教学支援状況,留学生の状況に関する解析・考察を行った.本稿では,全学ポータルと蓄積データの概要および解析結果とその考察を述べる.さらに,今後の展望として,全学ポータルを拡張したベンチマーク,データウェアハウス,教学IR(Institutional Research)システムへの応用の可能性について述べる.

  • 右田雅裕, 永井孝幸, 武藏泰雄, 戸田真志, 中野裕司, 喜多敏博, 松葉龍一, 北村士朗, 辻一隆, 島本勝, 木田健, 杉谷賢一
    2015 年 19 巻 1 号 p. 68-75
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    熊本大学では2002年度より全学部の1年生を対象に同一内容の情報教育科目を開講している.2003年度からは全学LMS(Learning Management System)を利用した情報教育の実施体制が定着し,これまで継続されてきた.一方で,本学の全学LMSはそれまでの商用LMSから2015年4月にオープンソースLMSへと実施基盤が大きく変更となり,全学の学生を対象に開講されている情報教育科目においても,それまでの講義実施体制に応じて異なるLMS間での対応が必要になった.本稿では,そのオンライン教材の移行並びにそれを用いた講義の実施について報告する.

  • 櫻田武嗣, 三島和宏, 萩原洋一
    2015 年 19 巻 1 号 p. 76-83
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    我々は連合農学研究科を構成する全国の国立大学法人18校を結ぶ遠隔講義システムの設計,構築し,2009年から運用を続けている.本システムはネットワークを用いて遠隔制御を行い,あらかじめWeb画面から予約するだけで全国の大学を結んだ遠隔講義の開催ができる.これまで機器操作が苦手であるために利用してこなかった層にも利用が広がっている.運用は既に6年を超えている.本論文では,現在のシステムの設計,構築,運用について述べる.また現在のシステムは機器の老朽化が進んでおり,更新を行う予定である.これまでの運用をもとに新しいシステムを現在設計し,テストを初めている段階である.この新しいシステムの要件と設計についても述べる.

  • 辻澤 隆彦, 林 一雅, 村越 奈美子
    2015 年 19 巻 1 号 p. 84-93
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    著者らは情報通信の技術革新とグローバル化に対応した,日本研究・教育の積極的な発信やグローバルな学術発展のために,クラウド技術を活用した情報基盤を構築することを目的に「e-Japanologyの構築に向けた基礎的研究」を進めてきた.その中で,国際的日本研究・教育のすそ野を広げるための一つの試みとして,外国人留学生を対象とした日本理解のための教育を,メディア創造ワークショップを通して行う「e-Japanologyの実践的研究」に取り組み始めた.本論文は外国人短期留学生を対象にした日本理解のための教育を,短時間のメディア創造ワークショップを介して実践する試みを行い,「e-Japanologyの実践的研究」として掲げたビジョンの観点から,メディア創造ワークショップの有効性について,その検証結果を報告するものである.

  • 井上 春樹, 長谷川 孝博, 山﨑 國弘, 高田 重利, 望月 邦昭, 松村 宣顕, 古畑 智博
    2015 年 19 巻 1 号 p. 94-104
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    静岡大学では,2007年より「BCP(ビジネス継続計画,Business Continuity Plan)」「コスト削減」「環境負荷低減」「情報セキュリティ管理確立」「ITコンプライアンス確立」そして「大学のあらゆる活動のグローバル発信実現」など,様々な課題克服を目的に大学の情報基盤の全てに対するクラウドコンピューティング(クラウド)化を推進してきた.その結果,2010年10月には第1期クラウド情報基盤の構築を完了した.その後の4年間の運用を通して様々な課題を抽出し改善策をまとめた.2014年3月にはそれらの課題に対する施策を実施しさらに強力な第2期クラウド情報基盤とすることができた.この結果322台のサーバをパブリッククラウドに移行完了,59.5%の電力費用低減,4年連続100%稼働率の達成など多くの成果を確認した.また,これらのサービスに関し実際の利用者にアンケートを行い,良好な回答を得ることが出来た.本稿では2007年から2015年6月までの本学におけるクラウドの導入内容,実績,および定量的な効果を報告し,最後に情報発信センターをゴールとする今後の第3期クラウド推進内容について述べる.

  • 三島 和宏, 櫻田 武嗣, 萩原 洋一
    2015 年 19 巻 1 号 p. 105-113
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    東京農工大学総合情報メディアセンター(以下,本学)では,技術的な業務を担う職員と事務的な業務を担う職員がそれぞれ存在する.事務的な業務を担う職員は基本的な機器操作はできても,技術的な知識を十分に持っているわけではない.こういったユーザ向けの端末としては,ユーザにとって分かりやすいシステムを構成すること,管理者が想定する利用方法をユーザが行わないケースを想定し,システムとしての堅牢さを高めることなどを検討していく必要がある.これは,大学における多くの事務職員についても同様と言え,これら職員に向けた電子計算機システムはセキュリティ的な観点からもシンクライアント化されるケースが近年増えてきている.そこで本稿では,本学センター事務職員向けの端末システムに対し,端末・提供方式・OSの観点から要件の検討を行った.検討の結果より,HTML5準拠ブラウザのみを利用可能なリモートデスクトップシステムと端末内に補助記憶装置を持たないLinuxディスクレスシステムによるシンクライアントシステムを設計した.設計に基づき,実際に稼働するシステムを構築し,その内容、実際の運用結果等を詳述した.本システムにより,端末の自由度を高めることが可能であり,かつ,事務職員が利用するリモートデスクトップシステムとして十分な性能も持つものであることが確認された.

  • 矢崎俊志, 土屋英亮
    2015 年 19 巻 1 号 p. 114-121
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    本論文では,小型コンピュータRaspberry Piと自動走行ロボットiRobot Createを用いた中小規模サーバ室向けの自動環境監視システムS3R(Sentinel System for Server Rooms)の自動温度測定機能の開発について述べる.近年の電力や予算の削減要求から,データセンターやサーバ室など多くの機器を設置する施設はその効率的な運用が強く求められている.特に施設の維持コストの多くを占める空調の効率化は課題である.大規模データセンターでは,固定温度センサや気流シミュレーションによって室内の環境を評価し,空調を最適化している.移動ロボットによるホット/コールドスポットなど,特異的な環境変化を発見する試みもある.これらの手法は比較的整然とした環境である大規模データセンターを対象としたものであり,より雑然とした中小規模のサーバ室には適用できない.本研究では,中小規模のサーバ室を対象として,小型コンピュータRaspberry Piと自動走行ロボットiRobot Createを用いて作成した自動環境監視システムを開発した.作成したシステムにより,実運用されているサーバ室で温度測定行ったところ,部屋の一部が無駄に2℃程度冷却されていることが発見できた.また,放熱の多い機器周辺の温度上昇が約0.5℃程度であることがわかった.

  • 升屋正人, 下園幸一
    2015 年 19 巻 1 号 p. 122-131
    発行日: 2015/09/28
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    毎年3月に鹿児島県与論町で開催されるヨロンマラソンは,参加者が1,000名を超える地域活性化イベントである.町を挙げての取り組みが行われており,テレビ・ラジオでは中継されないが多くの関係者に注目されている.われわれは地域住民及び学生と協働して,2015年3月8日に開催された第24回ヨロンマラソンのインターネットライブ中継を行った.中継にあたっては,コース内の4カ所に固定カメラを設置し,IPv6インターネットを経由して映像を1カ所に集約した.これらを編集・スイッチングした映像と,ランナーの頭部に装着した移動カメラによる映像の2つを,それぞれ映像配信装置を用いてYouTubeに配信した.

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