学術情報処理研究
Online ISSN : 2433-7595
Print ISSN : 1343-2915
20 巻 , 1 号
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原著論文
  • 塩野 康徳, 徐 浩源, 志村 俊也
    2016 年 20 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    近年,大学教育において,学生の主体的な学びの促進が重要視され,動画を用いた教育の有効性が議論されている.教育のために動画を用意し,活用するには,専用のシステム構築が必要となってくる.そして,動画コンテンツを作成するためには,収録・編集・配信の3つの作業が必要となり,効率よく,できる限り簡単に行うことが求められる.そこで,横浜国立大学では,収録・編集・配信の観点から動画コンテンツのためのシステムを構築して,活用方法について議論し.収録環境,編集環境,配信・受信環境を連携させて提供を行った.本論文では,教育研究活動の高度化のため,収録・編集・配信に対応した動画を十分活用できるシステム構築について述べ,活用方法についての提案を行う.

  • 三島 和宏, 櫻田 武嗣, 萩原 洋一
    2016 年 20 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    東京農工大学(以下、本学)では,電力見せる化システムなど利用者に情報を提示するため,以前よりデジタルサイネージシステムを導入し,運用を継続してきた.このシステムの老朽化に合わせて,新たなデジタルサイネージシステムについて模索を行い,Raspberry Piなどの小型で,かつ低価格なシングルボードコンピュータを利用したデジタルサイネージ端末の開発を行った.本稿では,Raspberry Piなどに代表される小型かつ低廉な情報デバイスを利用したデジタルサイネージシステムと,これらデバイスを複数運用する際に必要となる「集約管理」を可能する統合型デジタルサイネージシステムについて詳説する.近年,数千円程度で入手可能な情報デバイスが性能面でも高度化し,これを公共エリア等で多様な情報を自律的に提供する「デジタルサイネージシステム」に応用することで,これまでバックエンドとしてPCや専用機等を必要としてきたサイネージ表示デバイスの「低価格化」をより進めることが可能である.また,ネットワークを通じて小型・低廉デバイスを制御し,集約管理型の表示デバイスとして利用できる仕組みを「低コスト」にて実現する.これにより,表示デバイス自体の低コスト化に加え表示デバイス導入時の構築コスト低減と運用管理時のコスト低減までも図ることが可能となり,これまでの専用システムに依らない手軽なデジタルサイネージシステムを実現し,デジタルサイネージの一般化をより目指すことを可能とする.

  • 浜元信州, 上田浩
    2016 年 20 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    群馬大学では,情報セキュリティeラーニングの開発を行い,群馬大学Moodle上での運用を独自に行い学内構成員に提供してきたが,2015年度より,学認に参加し,国立情報学研究所(NII)の提供する学認連携Moodle講習サイトの「りんりん姫」を利用することとなった。本論文では,全学の1年生を対象とした講義の「情報」での利用や,VPN接続サービス,edroamサービス利用の要件とした群馬大学での「りんりん姫」の活用事例を紹介する。また,群馬大学での運用をモデル化し,この運用を実現するために開発した学認連携Moodle講習サイトの成績確認システムの概要を述べる。

  • 谷岡広樹, 板東孝文, 松浦健二
    2016 年 20 巻 1 号 p. 30-39
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    徳島大学情報センターは, ISMSに基づく情報セキュリティポリシーに則り, 教員及び職員が作成したISMS 文書をファイルサーバで管理している.ISMS文書以外の本センターが関わる業務文書,契約書, マニュアル, ログ等といった業務運用系文書についても, 同一のファイルサーバで管理している状況である. ISMS文書については, ディレクトリ構造やファイル名に運用規定を設けることによって, 必要な人が必要なときに使用できる状態を維持している. しかしながら, 教員及び職員全員が, ファイルサーバのディレクトリの最新状況を常に把握することは困難なため,ISMS文書やその他の必要書類を即座に使用できない場面があるのも事実である. この状況を改善するため, 我々は, 本センター内で利用するファイルサーバに全文検索システムを導入することを検討した. 本論文では, 全文検索システムの要件定義, システム設計, 導入範囲の見積もり, 性能評価を行い, その導入効果を検証した結果を報告する.

  • 櫻田武嗣, 三島和宏, 萩原洋一
    2016 年 20 巻 1 号 p. 40-47
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    本論文では,大規模遠隔講義システムとモバイル環境からの接続を両立したシステムとその自動化について述べる.これまで我々は自動化した遠隔講義システムを構築し,運用してきた.これまでの我々の遠隔講義システムは部屋間を結ぶシステムであったが,本論文で述べるシステムではモバイル環境と部屋を混在して相互に結ぶことができるものである.これまでの自動化された遠隔講義管理システムのユーザインタフェースを大きく変えること無く,モバイル環境からの接続も統合するシステムの構築を行った.本論文ではシステムの構成について述べると共に,特にモバイル環境との融合にあたり考慮,工夫した点について述べる.実際に2016年2月からは本論文で述べたシステムを稼働させており,全国で利用されている.

  • 森下 孟, 倉澤岩雄, 鈴木彦文, 永井一弥, 東原義訓
    2016 年 20 巻 1 号 p. 48-55
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    信州大学教育学部附属学校園の校内ネットワーク環境整備では,①利用対象者別に分けられたネットワークの敷設,②附属学校園間での情報端末の相互利用,③学外の第三者による不正アクセスの防止が技術的な課題となっていた.そこで,①IEEE802.1Qによる論理的な分離,②ホストアドレスの範囲拡張による共有,③認証システムによるアクセス制御を施し,無線LAN環境を構築した.その結果,情報端末による動画の一斉視聴時にデータスループットの低下がみられたため,無線LANアクセスポイントの帯域幅を拡張したが,これ以外の恒常的な利活用のなかで著しいデータスループットの低下や電波干渉などによる無線LAN への接続不良などは発生しておらず,同時かつ安定的にネットワーク運用することを実現している.

  • 高木理, 浜元信州, 青木高, 鳥飼幸太, 辻村真一, 鈴木亮二, 齋藤勇一郎
    2016 年 20 巻 1 号 p. 56-64
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    群馬大学医学部キャンパスにおける約1800台のアクセスポイントを用いた大規模な無線LAN環境の構築を,群馬大学医学部附属病院内の医療系ネットワークシステムの担当部署であるシステム統合センターおよび医療情報係と,群馬大学の学術系ネットワークシステムの担当部署である総合情報メディアセンターとが,共同で行った.本論では,この大規模無線LAN環境の共同構築の背景,基本設計方針,構築および評価について説明する.

  • 浜元信州, 井田寿朗, 齋藤貴英, 酒井秀晃, 小田切貴志, 横山重俊
    2016 年 20 巻 1 号 p. 65-74
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    群馬大学では,全学規模でのネットワーク更新を行い,群馬大学学術情報ネットワーク(GUNet2016)として,2016年4月より運用を開始している。本ネットワークは,幹線機器の高速化,冗長化を施した安定で高速なネットワークであると共に,ネットワークアクセス認証と動的VLANによる全学規模のネットワークである。本ネットワークの導入により,接続機器の管理者が明確となり,セキュリティインシデント時の機器特定も容易となった。また,動的VLANを利用することにより,場所単位から,人単位でのサブネット構成へと管理を変更した。サブネットはユーザの性質毎に分離され,適切なアクセス制御を行うことでネットワークの安全性を向上させた。本稿では,新たに導入した群馬大学学術情報ネットワーク(GUNet2016)の導入と現在の運用状況について述べる。

  • 長谷川孝博, 松村宣顕, 古畑智博, 井上春樹
    2016 年 20 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    教職員数1200名規模の国立大学にて,希望者にクラウドVPSを無償配布するサービスを6年間運用した結果,約100名のVPS利用者が一人当たり約2台,合計約200台を利用する運用実績を得た.これらのクラウドVPSの利用目的の50%がWEB運用であることに着目し,認証基盤とアカウント連携を行うWordPressマルチサイト機能によって各VPS上に分散したWEBサイトを集約するWWPサービスを開始した.WWP の利用者満足は高く,従来のVPS運用方式と比較して7倍から20倍(予測値)のコスト縮減が可能である.また,WWPは組織的な情報発信においても優れており,学術機関におけるクラウド促進に有効である.

  • 野口宏, 大瀧保広, 高橋幸雄, 鎌田賢
    2016 年 20 巻 1 号 p. 82-89
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    茨城大学では,電子メールをマイクロソフト社のOffice365へ移行する際に,「Windows PC のデスクトップ環境」から「Office365」へのシングルサインオン環境を整えた.更に,国立情報学研究所の学認に参加していた環境をOffice365と認証連携することにより,「Windows PCのデスクトップ環境」と「Office365」と「学認」とのシングルサインオン環境を整えた.一方,本学ではOffice365導入後すぐにOffice365の多要素認証の機能を利用していたため,学認との認証連携により,学認での多要素認証の環境を整えることができた.本稿では,3者のシングルサインオン環境及び多要素認証の環境構築を報告するとともに,今後の方針を報告する.

  • 清水さや子, 戸田勝善, 吉田次郎, 横田賢史
    2016 年 20 巻 1 号 p. 90-96
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    東京海洋大学では2006年より,ICカードと学生証を一体化し,証明書発行,教育システムログイン利用時の認証,図書貸出時の認証などで使用している.このたび,2016年3月に第3期ICカード学生証の更新を行うことになっていたことより,これまでの第1期,第2期ICカード学生証の運用評価を行い,利便性や運用効率化を図りつつコスト削減を目指して第3期ICカード学生証の導入検討を行った.本論文では,第1期,第2期ICカード学生証の運用と評価について述べ,第3期におけるカードタイプの変更によるカード発行などにかかるコストの削減と教育システムのログイン方法の変更などによる管理運用に係る人的コストの削減などについて述べる.また,第3期ICカードに更新されてから約4か月間運用した報告も行う.第3期では,カードタイプはFeliCaハイブリッドからFeliCaに更新を行った.これまで非接触チップを用いていた教育システムのログイン時のPINコード紛失対策として,管理者が都度PINコードの再発行を行わなくてもユーザ自身でシステムのパスワードを用いてPINコードを変更できる仕組みを取り入れた.

  • 多田 充
    2016 年 20 巻 1 号 p. 97-104
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    ワンタイムパスワード認証は,固定パスワード認証で問題視されている安全性を解決するものとして,金融関係サイトだけではなく,大学組織のサービスシステムに対しても,近年重要視され実際普及してきている。本論文の著者は,(固定)パスワードで制御されているサービスシステムにおける認証の安全性を強化する方法について,2015年の学術情報処理研究集会で発表した[9]。本論文では,このシステムを拡張することにより,ワンタイムパスワード認証システムを構築する。ワンタイムパスワードは単独で利用されることは少なく,多くのサービスシステムでは固定パスワードと組み合わせて利用される。近年,多くの大学組織において,組織内の各サービスシステムで利用される(固定)パスワードは共通なものになっていることが多くなり,複雑なパスワードをいくつも覚えるというユーザの負担は軽減された。しかし,ユーザIDについては,システム毎に異なった文字列を用いていることがあり,その種類数が多くなるとその記憶負担も苦情の種となりうる。本論文で述べるワンタイムパスワード認証システムでは,ユーザが覚える文字列が(固定)パスワード1つのみとなるので,ユーザの負担をより軽減させることが可能となる。

  • 相羽俊生, 川原智徳, 高橋至, 小田謙太郎, 古屋保, 下園幸一, 佐藤豊彦, 升屋正人, 森邦彦
    2016 年 20 巻 1 号 p. 105-111
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    鹿児島大学では、学内のサーバについて、2013年度より一部の部局を対象とした脆弱性診断を開始した。また、2015年度からは脆弱性診断専用のシステムを構築、運用している。本稿では、脆弱性診断システムの構築から診断実施までの手順、および発生したトラブル等について述べるとともに、サーバに存在する脆弱性の状態を視覚的に把握するための診断結果の解析方法について述べる。

  • 本村真一, 川村尚生
    2016 年 20 巻 1 号 p. 112-118
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    情報システムの多くは、ログイン認証としてユーザIDと固定パスワードを採用している。しかしながら、固定パスワードによる認証はフィッシング等によるアカウント情報の漏洩により不正アクセスの被害を受けやすい。この対策として、ワンタイムパスワードや2要素認証など認証システムを変更する強化策が提案されている。一方近年、固定パスワードによるログイン認証を強化する方法として認証シャッターが提案されている。これは、ユーザが認証シャッターの開閉操作を行い、認証シャッターが開放されている時だけ認証を実施することで不正アクセスを防止するための仕組みである。本論文では、これまで提案されているものよりもユーザの利便性を高め、また既存のシステムの変更を不要とする認証シャッターとその実装を提案する。

  • 佐野雅彦, 松浦健二, 上田哲史, 八木香奈枝
    2016 年 20 巻 1 号 p. 119-127
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    徳島大学の所在地である徳島県は南海・東南海地震の発生確率が高いとされており,大規模災害を想定した事業継続計画(BCP)の策定とその実施は重要である.本学では情報システムのBCPの一環として,DCを活用したネットワーク基盤及び広域無線の整備を平成25年度末に実施した.これは,被災確率の高いキャンパスに集中する基盤情報システムやネットワークを再設計し,被災時の可用性及び事業継続性の向上を目的としている.徳島大学情報センターでは,情報センターのISMS運用に従い,対策の有効性確認と試験のため,平成26年度,27年度に情報システムのBCPテストを実施した.本論文では,これらテスト結果と改善課題および情報システムのBCPへのリスクの影響について考察する.

  • 川橋裕, 池田和樹, 安江伴輔, 藤本章宏
    2016 年 20 巻 1 号 p. 128-136
    発行日: 2016/09/27
    公開日: 2018/08/27
    ジャーナル フリー

    インターネットにおける情報発信の普及と高速化,広範囲化によって企業や研究機関だけでなく,個人もコンテンツを外部に公開し,WWWサービスやメールサービスなどでさまざまなサービスを提供している.この一方で,インターネットを利用し,サービスを提供しているサーバに対して遠隔から負荷をかけ続けることで,正常なサーバ運営を阻害するDoS(Denial of Service)攻撃やDDoS(Distributed DoS)攻撃の事例が数多く発生している.本論文では,2015年10月から同12月に至るまで和歌山大学(以下,本学)で発生したアノニマスによるSlow HTTP DoS攻撃事案の実態と,復旧対応と防御対策の詳細な手法について述べる.従来より,攻撃の意図を持ったと判断されるデータペイロードはIDS/IPS(Intrusion Detection System/Intrusion Prevention System)に検出されやすいが,フラグメントされたパケット群のリアセンブルで発見できる脅威や膨大なセッション数などで構成されるDoS攻撃などは判別しづらいとされる.本論文では,Slow HTTP DoS攻撃の発見と解決方法について述べるとともに,留意点を紹介する.

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