日本呼吸器外科学会雑誌
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12 巻 , 2 号
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  • 大淵 俊朗, 竹内 惠理保
    1998 年 12 巻 2 号 p. 104-106
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    当院での肺癌手術症例における術後在院日数の短縮について検討した.1997年4月以降, 当院では全肺癌手術症例に対し術前に病名を告知し, 早期社会復帰の必要性を説明している.その同意のもと同年9月までの6ヵ月間に胸腔鏡下肺葉切除術24例, 前側方小開胸肺葉切除術20例, 標準開胸肺葉切除術2例, 前側方小開胸肺摘除術1例, 試験開胸1例の計48例を施行した.その内, 術後間質性肺炎が急性増悪した1例と術後脳梗塞の1例及び試験開胸1例を除いた45例において, 術後平均在院日数は同年4月, 16.9日;5月, 14.6日;6月, 13.5日;7月, 9.0日;8月, 7.1日;9月, 6.6日と漸減した.患者教育・術後除痛処置・術後管理の変更がこの要因と考えられるが, 医療保険料定額払い制度が検討されている今日, われわれも在院期間短縮と医療レベルの維持向上, 及び保険制度の問題点について真剣に検討すべきであろう.
  • 大塚 浩史, 船井 貞往, 橋本 幸彦, 西 耕作, 廣畑 健, 原 聡, 安富 正幸
    1998 年 12 巻 2 号 p. 107-114
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    大腸癌肺転移の経過と予後の解析におけるDNA ploidy pattern, S phase fraction (SPF) の有用性を検討した.大腸癌術後肺転移23例の原発巣と肺転移巣の核DNA量をHow cytometerを用いて測定した.DNA diploidyを示した癌のSPFは原発巣 (7例), 肺転移巣 (6例) で各々10.5±5.7%, 9.4±5.5%であり, DNA aneuploidyを示した癌のSPFは原発巣 (11例), 肺転移巣 (17例) で各々24.0±8.3%, 23.9±8.3%であった.SPFからみた増殖活性は原発巣, 肺転移巣の間で有意差はなかった.原発巣と肺転移巣のDNA ploidy patternは18例中15例で一致し, SPFは直線的相関関係を示した.DNA aneuploidyでは原発巣と肺転移巣のSPFは肺再発までのdisease-free interval (DFI) と逆相関関係を示し, SPFはDFIと関係する有用な指標である.肺転移巣切除後の予後は, 原発巣リンパ節転移, 肺転移個数, 肺門縦隔リンパ節転移と有意な関係を認めたが, DNAploidypattern, SPFと関係しなかった.
  • 桐山 昌伸, 山川 洋右, 深井 一郎, 斉藤 雄史, 藤井 義敬
    1998 年 12 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    手掌多汗症は, 職業上や社会的にしばしば問題となる疾患で, 胸腔鏡下交感神経節切除術の対象疾患として, 最近急速に注目されてきている.我々は, 麻酔体位, トロッカーの留置位置, 切除方法などに工夫を加え, オリジナルに開発した直角鉗子を用い, 一期的に両側胸部交感神経節 (T2-T3) 切除を17例に行った.手術手技は, 全身麻酔, 気管内挿管分離換気下にて, 両上肢を挙上し, 30度程の半坐位をとった.T1直下, T2, T3, T4に高周波焼灼を加えたのち, 系統的にT2-T3を切除した.体位変換を行わずに, 両側の交感神経節切除が, 安全確実に行えた.全例, 術直後より速やかに症状は消失し, 腋窩および頚部から第3肋間レベルの発汗も抑制され, 創も目立たず, 術後疼痛も軽度で, 患者の満足が得られた.術後合併症として, 腹部などに代償性発汗が発生する頻度が高いこと (65%) より, 術前のインフォームドコンセントを十分行っておく必要がある.
  • 東条 尚, 澤端 章好, 櫛部 圭司, 高濱 誠, 根津 邦基, 谷口 繁樹, 北村 惣一郎
    1998 年 12 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    凍結保存気管移植の臨床応用に向けて我々が行った雑種犬, ラットによる気管移植実験, さらに人気管支を用いた凍結保存実験の結果を報告する. (1) 凍結保存同種気管移植 : 雑種成犬の胸部気管に, 凍結保存同種気管 (n=6), 自家気管 (n=5), 同種気管 (n=4) 5軟骨輪を気管移植した.全例に大網被覆し, 免疫抑制剤は全く使用しなかった. (結果) 凍結保存気管移植は自家気管移植と同様気管内腔狭窄を認めず, 組織的に粘膜上皮, 軟骨は維持され炎症細胞浸潤はなかった. (2) 移植気管の粘膜上皮の起源の研究 : PVGラットをドナーにACIラットをレシピエントに用い, 5軟骨輪分の凍結保存気管を頚部気管に置換し, 2ヵ月後に摘出し免疫組織染色を行った. (結果) 移植気管の粘膜上皮はレシピエント由来, 気管軟骨はドナー由来であった. (3) 人気管支の凍結保存 : 肺葉切除時採取した人気管支の凍結保存, 解凍を無菌的に操作できた.また保存液中に抗菌剤を加えた結果, 凍結保存前, 保存後解凍時の気管支粘膜はほぼ脱落していた.
  • 井上 匡美, 三好 新一郎, 藤井 義敬, 安光 勉, 古武 彌宏, 森 隆, 井内 敬二, 桑原 修, 前田 元, 松田 暉
    1998 年 12 巻 2 号 p. 129-135
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    小細胞肺癌91切除症例をretrospectiveに解析し, その治療成績から外科治療の適応と早期症例に対する化学療法の必要性について検討した.3年生存率・5年生存率はそれぞれ, overallで40.8%・34.0%, 臨床病期別に c-stage I53.5%・45.6%, c-stage II19.2%・19.2%, c-stage IIIA 12.5%・0%, 病理病期別に p-stage I 55.8%・47.0%, p-stage II 50.0%・50.0%, p-stage IIIA 4.5%・0%であった.また, p-stageI-IIの絶対的または相対的治癒切除例では, 化学療法を施行した症例の3年・5年生存率は61.4%・57.0%で, 施行しなかった症例の14.8%・14.8%に比し予後良好で, 4コース以上の化学療法を施行した症例の3年・5年生存率は87.5%であった.これらの結果から, 小細胞肺癌に対する手術適応はc-stage Iまたはp-stage I-IIまでの症例にあると考えられ, これらの症例に対しても周術期に4コース以上の化学療法が必要と思われる.
  • 松倉 規, 池上 直行, 小阪 真二, 玉田 二郎
    1998 年 12 巻 2 号 p. 136-139
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    気管を強く圧排し著明な喘鳴を来した小児食道嚢腫の一例を経験したので報告する.症例は4歳, 男児.喘鳴を主訴に来院した.胸部X線写真で右上縦隔に腫瘤影を認め, 気管は強く左へ圧排され狭窄していた.食道嚢腫又は気管支嚢腫を疑い手術を施行した.腫瘤は食道筋層内の嚢腫で比較的容易に核出でた.嚢腫は大きさ5×5×4cm, 厚さ3mm, 組織学的には嚢腫壁は扁平上皮に被われ発達した二層の筋層を認め, 軟骨や気管支腺はみられなかった.以上より食道嚢腫と診断した.術後, 喘鳴は消失した.先天性縦隔嚢腫は多くは無症状であるが, 特に小児においては重篤な気道の圧迫症状を呈することがあり注意を要すると考えられた.
  • 田中 明彦, 佐藤 諦, 大澤 久慶, 前川 功二, 中瀬 篤信, 坂田 純一
    1998 年 12 巻 2 号 p. 140-145
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    巨大気腫性肺嚢胞症例に対する嚢胞切除術において, 手術術式を工夫することにより良好な結果を得た.対象は, 39歳と36歳の男性で, 肺尖部に存在する巨大肺嚢胞に対し計三回の嚢胞切除術を標準開胸にて施行した.その際に, 手術術式に下記の工夫を加えた. (1) まず嚢胞壁を切開し内腔を観察する.(2) 嚢胞底部に存在する交通気管支開口部は, 直接縫合閉鎖を行わない. (3) 嚢胞底部を縫縮した後, 同部位を縫縮糸ごとステイプラーにて切除する.それによって気管支開口部も含めて肺嚢胞を完全に切除することができる. (4) 自己嚢胞壁をステイプラー縫合ラインの補強材として用いる.以上の方法により, 気管支開口部を探して直接縫合閉鎖するための時間が省略でき, また広範囲に嚢胞底部を有する巨大肺嚢胞においても, 確実な嚢胞切除が可能であった.術後は, 気漏などの合併症も認めず良好に経過した.
  • 栄福 亮三, 中西 良一, 大崎 敏弘, 吉野 一郎, 吉松 隆, 安元 公正
    1998 年 12 巻 2 号 p. 146-150
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 女性.41年前に肺結核に対し左人工気胸術の既往がある.今回, 呼吸困難と胸痛を主訴に受診された.画像にて, 縦隔を圧排し, 左胸郭を占拠する腫瘤性病変を認め, 審査開胸ならびに摘出術を行った.切除標本にて悪性所見はなく, Chronic Expanding Hematoma (CEH) と診断された.病巣内には, 呼吸運動や咳などの物理的因子により長期に渡り出血を繰り返した結果起きた出血巣が多数存在し, これらがこの巨大腫瘤の成因と考えられた.CEHは胸部手術後の患者にみられるが, 鑑別診断として肺癌, 悪性リンパ腫があり, 画像診断上に苦慮することが多い.手術によって初めて診断がつき, 劇的な症状の改善がみられることから, 積極的に外科治療が必要であると考えられる.
  • 岡 克彦, 島田 順一, 西山 勝彦
    1998 年 12 巻 2 号 p. 151-154
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    腕神経叢発生の神経鞘腫に対して頸部アプローチで摘出術を行った.症例は67歳の男性で, 胸部X線にて右肺尖部に腫瘤陰影を認めた.MRIにて腕神経叢発生の神経原性腫瘍と診断した.神経損傷の危険性を考え, 直視下に神経剥離可能な頸部アプローチによる腫瘍摘出術を選択した.腫瘍は前斜角筋下に存在し, 第8頸神経に連続した長径45mmの紡錘形を呈していた.凍結切片にて良性神経鞘腫の診断を確認した後に, 被膜下核出術を行なった.術直後に軽度の尺骨神経不全麻痺を生じたが, 6ヵ月で完全に回復した.近年, 縦隔神経原性腫瘍の胸腔鏡下での手術報告がみられるが, 重篤な神経損傷の報告も散見され, 頸部アプローチも有用と考えた.
  • 門山 周文, 藤野 道夫, 尾辻 瑞人
    1998 年 12 巻 2 号 p. 155-161
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は19歳の男性で, 受験時の胸部X線写真で右側にII度の気胸と肺尖に多発するブラを発見された.胸腔ドレナージで軽快し退院したが, 短期間に再発し手術を受けるも気胸を反復した.18ヵ月後に再手術を行い, 好酸球性肉芽腫と診断された.好酸球性肉芽腫による皮疹, 尿崩症も伴っていたが, 骨病変は認めなかった.初回気胸治療後の胸部単純X線像は正常と思われ, 早期診断のためには胸部CTと十分な問診および体表の観察が重要と考えられた.
  • 赤松 秀樹, 砂盛 誠, 小島 勝雄
    1998 年 12 巻 2 号 p. 162-166
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の男性.径7cm大で大動脈弓左側壁に接する腫瘍は経皮穿刺でIIIA期の肺腺癌 (cT3N2M0) と診断された.増大傾向の径6cmの腎動脈下の腹部大動脈瘤もみられ, 一期的に手術を行うこととした.胸腹部正中切開・左前側方開胸で左上葉切除, 左横隔神経・弓部大動脈外膜合併切除, リンパ節郭清を行うと共に, 同時進行で腹部大動脈瘤切除・Y型人工血管置換を行った.腹部操作の妨げにならないようにつり上げ鈎で胸部視野を確保し, 閉腹後に気管支切離などの胸部操作を行い人工血管への感染に留意した.術後病期IIIB (p T4N3M0) となり, 縦隔・頚部照射を追加した.
  • 中村 昭博, 内山 貴堯, 山岡 憲夫, 森永 真史, 井手 誠一郎, 山下 秀樹
    1998 年 12 巻 2 号 p. 167-171
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    きわめて稀な肺海綿状血管腫の1切除例を経験したので報告する.症例は46歳, 男性.検診で胸部異常陰影を指摘された.咳嗽や血痰などの呼吸器症状は認めていない.胸部X線写真では右下肺野に約5cm大の淡い境界不鮮明な腫瘍陰影を認めた.胸部CTでは5.5×4.0×4.0cm大で, 境界明瞭, 辺縁不整, 内部は均一であった.手術所見として, 肺底区中央部に弾性軟の腫瘤を触れ, 横隔膜面にやや突出しており, 暗赤色で肉眼的に血管腫と思われた.摘出標本では5.5×5.0×4.0cmの球形の腫瘤であるが, 明らかな被膜はみられなかった.病理所見として, 赤血球の充満した海綿状の血管の集簇であり, 海綿状血管腫と診断した.
  • 前 昌宏, 大貫 恭正, 佐藤 和弘, 笹野 久左子, 石倉 俊榮, 塩入 誠信, 村杉 雅秀, 新田 澄郎
    1998 年 12 巻 2 号 p. 172-176
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    急性膿胸症例に対して胸腔鏡下に掻爬, ドレナージを行いその治療効果を検討した.対象は急性膿胸が胸腔ドレナージ, 洗浄にて充分な改善の得られなかった5症例である.胸腔鏡下手術は発症より平均28日で行われた.全例に対し胸腔鏡下に腔内を観察し膿胸腔隔壁の開放, 醸膿膜の掻爬, 洗浄, ドレナージを施行した.平均手術時間173分, 出血量304mlで, 輸血は要しなかった.1例は術後もドレーンよりの排菌が持続したが, 5例とも経過良好で平均術後32日に退院となった.急性膿胸のフィブリン析出期に, 炎症が持続し肺の膨張不良と膿胸腔の多房化によるドレーン排液量の低下が認められる場合に, 胸腔鏡下手術は有効でありこれを施行すべきと考える.
  • 稲葉 浩久, 太田 伸一郎, 西村 俊彦, 伊藤 靖, 石田 格
    1998 年 12 巻 2 号 p. 177-181
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 女性.集団検診にて右肺門部の異常陰影を指摘され, 当院紹介となった.自覚症状はなく, 初診時胸部X線写真では, 右肺門部第9胸椎の高さに径4cmの円形異常陰影を認めた.胸部CTでは, 右S7~8に内部がほぼ均一の低吸収性の腫瘤像を認め, MRIでは, T1・T2強調画像とも, 腫瘤は筋肉と同等の信号強度を示していたことから, 充実性の腫瘍と考えられた.右肺下葉切除術を行い, 切除腫瘤を切開してみたところ, プロセスチーズ状の内容物が充満しており, 固形腫瘍ではなく嚢腫であった.組織学的所見としては, 内壁は多列線毛上皮に被われており, 外側に, リンバ組織層, 線維性結合織層を認め, 気管支嚢胞と診断した.嚢腫の内容物は非特異的な壊死物であり, 固形であったが, 通常, 気管支嚢胞の内容物は粘液であり, 当症例の如く固形の内容物を持つものは非常に稀で, 検索した範囲では, 他になかった.
  • 小林 利子, 井村 价雄
    1998 年 12 巻 2 号 p. 182-187
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は32歳, 女性.左背部痛を主訴に来院し, 胸部X線写真上, 左上肺野の胸壁に接して腫瘤陰影を認めた.経皮針生検で肉腫と診断され, 胸腔内に突出する左胸壁腫瘍を周囲胸壁を含めて広範囲に切除した.腫瘍は6×5.5×3cm大, 89gで, 組織学的には平滑筋肉腫であった.術後補助療法は行わず退院したが, 術後8ヵ月の脳CTで, 径8mmの転移巣を認め, ガンマーナイフによる定位放射線治療を行った.その後, 再発予防目的でADM+CPA+VCRにて化学療法を4クール施行した.術後3年6ヵ月の現在, 外来にて経過観察中である.
  • 伊豫田 明, 飯笹 俊彦, 山口 豊, 柴 光年, 馬場 雅行, 斎藤 幸雄, 鈴木 実, 藤澤 武彦
    1998 年 12 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, 脊柱管内進展を伴った後縦隔巨大神経鞘腫を, 2期的に手術することにより, 安全に摘出し得た症例を経験したので報告する.症例は, 52歳, 男性.検診にて, 胸部異常陰影を指摘され紹介入院となった.最大径15cm大の巨大な腫瘤が, 左胸腔内背側を占め, 一部は胸椎脊柱管内へ進展しているのを認めた.経皮針生検にて, 神経原性腫瘍と診断し, 胸腔外後方アプローチにより, 脊柱管内腫瘤を摘除, 6週間後左後側方開胸により, 胸腔内腫瘤切除および, 脊椎固定術を施行した.
    術後経過は良好で, 神経学的にも改善を認め, 初回手術より第63病日, 自立歩行にて退院, 2年後の現在再発を認めていない.
  • 仲宗根 朝紀, 君野 孝二, 山下 秀樹, 岸川 正大
    1998 年 12 巻 2 号 p. 193-198
    発行日: 1998/03/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は71歳, 女性.主訴は前胸壁腫瘤.1996年9月, 腫瘤の増大と軽度の痛みを伴い精査のため当科へ入院した.胸骨上半部に, 11×9cmの表面平滑で弾性硬, 可動性のない腫瘤を認めた.胸部MRIでは胸骨柄から胸骨体部, 両鎖骨まで浸潤している腫瘍性病変を認めた.全身骨シンチでは, 胸骨柄部に強い集積像を認めた.他臓器に異常所見は認めなかった.穿刺吸引細胞診により胸骨原発軟骨肉腫が疑われた.手術は胸骨柄部の腫瘍と共に腫瘍縁より約3cm離して第4肋骨付着部より上部の胸骨体部, 両側鎖骨内側1/2, 両側第1, 2, 3肋骨の胸骨側を合併切除した.胸壁再建は2重にしたsoft Marlexmeshを用いて行い, 両側の大胸筋弁で補強した.肺機能検査や頚部, 上肢の運動機能は手術前後で変化は認めなかった.術後9ヵ月再発の兆候なく健在である.
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