日本呼吸器外科学会雑誌
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13 巻 , 7 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 岡林 寛, 蒔本 好史, 今野 俊和, 一口 修, 松添 大助, 吉永 康照, 米田 敏, 白石 武史, 川原 克信, 白日 高歩
    1999 年 13 巻 7 号 p. 811-817
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    手掌多汗症は若年齢層に好発する煩わしい疾病である.開胸法とは異なり, 内視鏡下交感神経切除術は低侵襲で確実な手技である.我々の施設で行った胸腔鏡下交感神経遮断術 (切除術, 焼灼術) に関し方法, 治療成績等を報告した.1997年7月~1999年1月の間に75例 (男性36例, 女性39例) に対し, 胸腔鏡下胸部交感神経遮断術 (Th2-4) (切除43例, 焼灼32例) を施行した.全身麻酔下仰臥位で両側とも腋窩の2個の穿刺孔で行った.胸腔鏡は10mm, 5mm, 2mmと次第に細径化し, 創も小さく, 美容上も優れ, より低侵襲な治療法となってきた.手掌の改善率は99.3% (149/150) で, 併存する足底多汗は54.7%の改善率であった.術後高頻度に発現する代償性発汗は64%であった.他の合併症は神経痛, 出血等で, criticalなものやHorner症状は認めなかった.術後アンケート調査で満足度は93.2点 (100点満点) であった.
  • 渡邉 幹夫, 大坂 喜彦
    1999 年 13 巻 7 号 p. 818-822
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    1990年1月から1999年6月の間に経験した結核性胸壁膿瘍10例につき検討した.性別は男性7例女性3例で, 1例は活動性肺結核に合併したものであり, 肺結核の既往歴を3例に認めた.膿瘍の内容より結核菌が検出されたのは9例であった.胸部CT像では皮下に卵円形の内部構造不均一な陰影とその周囲の胸膜および肋間筋の肥厚が特徴的な所見であった.外科療法が全例に対し合併症なく施行されたが, 2例において再発があり再手術を要した.本疾患は臨床所見と胸部CT像にて充分術前診断が可能であり, 更に膿瘍の穿刺内容に結核菌が検出されれば確定診断が得られる.近年肺結核の罹患率の減少が鈍化しやや増加する傾向もみられることから本疾患は今後も発生し得る胸壁疾患である.
  • 藤本 利夫, 山中 晃, 平井 隆
    1999 年 13 巻 7 号 p. 823-827
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    1993~1998年に当院で胸腔鏡下ないし補助下手術により摘出した縦隔嚢胞の9症例 (10手術例) を検討した.男性5例, 女性4例, 年齢は43~62歳であった.疾患別では気管支原性嚢胞4例, 胸腺嚢胞2例, 嚢状リンパ管腫1例, 胸膜嚢胞1例, その他2例であった.嚢胞の位置は上縦隔2例, 前縦隔3例, 中縦隔3例, 後縦隔2例であった.手術は全例胸腔鏡下に行い, ボートの数は3ヵ所が6例, 4ヵ所が1例, 小開胸追加が2例, 1ヵ所のポート及び前胸部縦切開による第2肋軟骨切除を加えたものが1例であった.術中, 開胸に移行した症例は2例であった.手術時間は平均2時間27分, 術後入院期間は平均13.9日であった.全例術後合併症は認めなかった.胸腔鏡下手術は侵襲が少なく, 良性疾患で, ポート孔からの標本摘出が可能な縦隔嚢胞性疾患に適した手術法であると考えられる.癒着が高度な症例に関しては, 隣接臓器損傷を伴わずに完全摘出するには適宜小開胸の追加が必要である.
  • 西村 元宏, 岩崎 靖, 井伊 庸弘, 加藤 大志朗, 戸田 省吾, 吉村 了勇
    1999 年 13 巻 7 号 p. 828-831
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    高齢発症の重症筋無力症は少なく, 特に80歳以上の本邦報告例は, われわれの調べ得た範囲内では自験例を含めて5例のみであった.今回, 82歳の男性患者に拡大胸腺摘出術を施行し良好な結果を得たので報告する.
    鼻声と嚥下困難を主訴に近医受診し, 精査にて重症筋無力症 (Osserman IIB) と診断された.血液生化学的検査では抗アセチルコリンレセプター抗体 (以下抗AChR抗体) が2.9ng/mlと上昇している以外異常所見は認めなかった。胸部単純写真およびCTでは上行大動脈に接する前縦隔に辺縁平滑な径5×3cmの腫瘤影を認めた.胸腺腫を伴う重症筋無力症の診断のもと拡大胸腺摘出術を施行した.摘出腫瘍は径5×3×3cm, 淡黄色弾性軟で, 直径1.5cmの嚢胞を認めた.症状は術直後より著明に改善し, 術後4日目の抗AChR抗体は0.9ng/mlであった.術後経過は良好で合併症はなく症状はほぼ消失し, 第22病日に退院となった.
  • 大田 守雄, 源河 圭一郎, 石川 清司, 国吉 真行, 川畑 勉, 野村 謙
    1999 年 13 巻 7 号 p. 832-837
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は18歳の女性.喀血を主訴として近医を受診した.胸部X線写真で左下肺野に無気肺像を認め, 気管支鏡下生検で腺癌と診断された.精査加療目的で当科を紹介され入院となった.気管支鏡検査で左下幹の完全閉塞を認めたが, 腫瘍は易出血性であり観察のみとした.後日, 腫瘍からの出血に備え全身麻酔下の生検により低悪性度の粘表皮癌と診断された.腫瘍は左下葉支B6入口部から発生しポリープ状に気管支内腔へ発育し, 左主気管支内腔まで達していた.左肺上葉を温存するため, 上葉気管支形成術を伴う左肺下葉切除を施行した.術後1年7ヵ月を経過したが, 再発の徴候を認めない.本邦における40歳以下の粘表皮癌29症例を集計し, その臨床像について検討を加えた.
  • 三上 厳, 五味渕 誠, 岡田 大輔, 小泉 潔, 田中 茂夫
    1999 年 13 巻 7 号 p. 838-843
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    Von Recklinghausen病に血胸を生じた報告は少なく, 我々はこれに相当する症例を経験したので報告する.症例は51歳, 男性.生来よりvon Recklinghausen病である.胸部不快感を主訴に当院受診, 胸部X線上左胸水を認め入院となった.胸水は血性でその後慢性膿胸に移行した.術前は胸水の原因や腫瘍との関連は不明であったが, 術中所見では胸腔内に腫瘍を認めなかった.そして術前より左肺はほとんど機能していないと考えられたため胸膜肺全摘術を行った.術後30ヵ月感染徴候なく良好に経過しているが, 今後も再出血する危険性を否定できないため現在も慎重に経過観察を行っている.
  • 藤生 浩一, 管野 隆三, 鈴木 弘行, 塩 豊, 佐藤 領, 大石 明雄, 後藤 満一
    1999 年 13 巻 7 号 p. 844-849
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 後縦隔腫瘤と脊柱管内腫瘤が椎間孔で連なるdumbbell型を呈した血管脂肪腫の非常に稀な1例を経験したので報告する.症例は39歳男性.半年前より体幹, 両下肢のしびれ感, 脱力が出現した.第3, 4胸椎に叩打痛を認め, Romberg徴候陽性であった.胸部CTでは, 第3, 4胸椎左側に, 後縦隔腫瘤と脊柱管内腫瘤が開大した椎間孔で連なる不均一に造影される腫瘤を認めた.MRIでは, T1強調像で低信号, T2強調像で不均一な高信号を呈する腫瘤を認め, 第3肋間動脈造影では, 腫瘤への数本の流入血管と濃染像を認めた.後方正中切開にて椎弓切除を行い脊柱管内腫瘤を摘出したが, その際に多量出血を認め, また血管脂肪腫との術中診断を得たため, 硬膜外腹側の腫瘍はそのままとし, 後縦隔腫瘤は2ヵ月後に後側方開胸にて摘出した.術後23ヵ月, 両足に軽度の知覚障害を残すが神経症状の再発は認めない.
  • 小谷 一敏, 東 良平
    1999 年 13 巻 7 号 p. 850-853
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    今回我々は嚢胞液中の各種腫瘍マーカーが高値を示した胸腺嚢胞3例を経験した.症例1は81歳女性.嚢胞液中の腫瘍マーカーはCEA86ng/ml, SLX>2,000U/ml.嚢胞上皮の免疫組織学的精査ではCEA陰性, CA125陰性.症例2は73歳男性.嚢胞液中の腫瘍マーカーはCEA510ng/ml, SLX>2,000U/ml, CA19-9254U/ml, SCC6.6ng/ml.嚢胞上皮の免疫組織学的精査ではCEA陰性, CA125陽性.症例3は75歳女性.嚢胞液中の腫瘍マーカーはCEA4,859ng/ml, SLX>2,000U/ml, CA19-912,600U/ml, CA12518,000U/ml, SCC2.1ng/ml.嚢胞上皮の免疫組織学的精査ではCEA陰性, CA 125陽性, CA19-9陽性.3例全て病理診断は胸腺嚢胞であり, 悪性腫瘍や胸腺腫の合併は認めなかった.
  • 佐野 正明, 田那村 收
    1999 年 13 巻 7 号 p. 854-857
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は73歳男性.労作時呼吸困難を主訴として来院した.胸部レントゲン写真.CT検査, 内視鏡検査により頚部気管原発の腺様嚢胞癌と診断した.手術は, 気管を管状切除し, 輪状軟骨気管吻合術を施行した.しかし, 腫瘍は第1気管軟骨を越え, 組織学的に喉頭へ浸潤していた.術後70Gy.の放射線治療を施行し, 再発なく社会復帰している.頚部気管原発の腺様嚢胞癌が気管から喉頭に浸潤した症例はまれで, 興味ある症例と考えられた.
  • 卜部 憲和, 影山 善彦, 渡部 克也
    1999 年 13 巻 7 号 p. 858-861
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は52歳, 女性.右S3発生の扁平上皮癌cTNM stage III Bに対し2kurの化学療法を施行しycTNMにdown stagingが得られたが, 手術に同意を得られなかったため放射線治療60Gyを施行した.その後, PRを維持していたが, 治療終了1年4ヵ月後に局所再発したため右肺全摘・リンパ節郭清術および気管支断端の広背筋弁による被覆術を施行した.術後難治性肺炎を合併したが, 気管支断端痩は認められず広背筋弁による気管支断端被覆が有効であった, と考えられた.本症例はいわゆるsalvage surgery の症例であり, 治療開始後4年9ヵ月, 術後2年10ヵ月の現在, 再発・転移を認めず外来経過観察中である.
  • 末永 光邦, 松本 英彦, 坂元 史典, 小川 洋樹, 豊山 博信, 柳 正和, 西島 浩雄, 下高原 哲朗, 愛甲 孝
    1999 年 13 巻 7 号 p. 862-867
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は32歳女性, 検診で胸部異常陰影を指摘され, 精査にて後縦隔腫瘍と診断されて当科へ入院となった.腫瘍は第8から9胸椎の右側に位置し, peanut型を呈していた.MRIで上部はTI iso, T2high, 下部はT1 high, T2ややhighと異なるcomponentからなると考えられ, 胸腔鏡補助下に腫瘍切除術を施行した.腫瘤上部は単房性で内容物は白色ゼリー状, 下部は多房性で内容物は黄褐色泥状であり上部と下部の連続性は認めなかった.最終病理診断は気管支原性嚢腫であった.自験例12例を含む本邦の気管支原性嚢腫100例について考察したところ, peanut型の報告はなく, また女性で多房性であることは稀であった.
  • 渡辺 真純, 安彦 智博, 岩丸 有史, 儀賀 理暁, 桑原 克之, 河野 光智, 田島 敦志, 澤藤 誠, 川村 雅文, 堀之内 宏久, ...
    1999 年 13 巻 7 号 p. 868-871
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    肺門部付近に発生した炎症性偽腫瘍に対して胸腔鏡下肺葉切除を施行した。症例は26歳女性で中葉の円型陰影を指摘された.胸部CTなどで低悪性度腫瘍や良性疾患が疑われたが肺門部付近に位置するため胸腔鏡下肺葉切除の適応とした。第5肋間前方の小切開と2ヵ所のポート孔より中葉切除を行った.迅速病理で炎症性偽腫瘍疑いのため単純肺葉切除とし手術を終了した.永久標本の病理組織所見でも炎症性偽腫瘍と診断され, 第10病日に退院した.本疾患は良性病変ながら肺葉切除を余儀なくされることが多く, 低侵襲性という面から胸腔鏡下肺葉切除は有用と考えられた.
  • 島谷 慎二, 山崎 史朗, 笹本 修一, 工藤 治, 廣橋 努, 加藤 信秀, 高木 啓吾, 奥山 伸男
    1999 年 13 巻 7 号 p. 872-876
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    鈍的胸部外傷後の凝血性血胸に対して, 線維胸による肺拡張不全を予防し肺機能の改善をはかるために, 胸腔鏡補助小開胸下に手術を施行し良好な経過を得たので報告する.患者は45歳, 男性。約1ヵ月前に胸部打撲受傷, 多発肋骨骨折, 左血胸にて他院で胸腔ドレナージを施行されたが肺の拡張不良のため当院転院となった.ドレーンから胸腔内を洗浄したが肺の拡張不全を残したため血腫除去と胸膜剥皮の員的で手術を施行した.手術は右側臥位にて左前側方, 第6肋間に約7.0cmの小開胸を置き胸腔鏡補助下に血腫除去および胸膜剥皮術を施行した.今日膿胸の治療に胸腔鏡が多用され, その有用性が報告されている.われわれは外傷性凝血性血胸に対して本術式を選択した.小開胸を併用することで, 胸腔鏡では充分な胸腔内の検索, 視野の確保が可能であった上に, 小開胸窓より肥厚した胸膜を充分に剥皮をすることが可能で, これにより術後充分な肺の拡張が得られた.
  • 橋本 勇一, 杉山 茂樹, 土岐 善紀, 美濃 一博, 津田 基晴, 三崎 拓郎
    1999 年 13 巻 7 号 p. 877-882
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    17歳の非対称性鳩胸 (Robicsek type III) に対して, Ravitch変法手術を施行し良好に胸郭を形成し得た1例を報告する.
    胸郭変形のうち漏斗胸は鳩胸に比して発生頻度も高く, 従来より胸骨翻転術, 胸骨挙上術, Ravitch手術等様々な手術が行われている.またその内容にも種々改良が加えられている.しかしこれに対し鳩胸は発生頻度も低く, 変形が前方に突出することからその多くは臨床上問題を呈することも少なく定型的な術式が無いのが現状であると思われる.今回, 我々が本症例に用いたRavitch変法手術は胸骨体後面に楔状切除を加えたことで左右非対称性鳩胸の胸郭形成を胸骨体の捻れの解消とともに骨性胸壁の硬さを考慮せずに比較的簡便に行うことが可能であり, 非対称性鳩胸 (Robicsek type III) に対する術式として有用であった.
  • 安田 冬彦, 高尾 仁二, 蔡 銘, 金光 真治, 島本 亮, 小野田 幸治, 下野 高嗣, 田中 國義, 新保 秀人, 矢田 公, 並河 ...
    1999 年 13 巻 7 号 p. 883-887
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    今回我々は胸腺腫摘出後に重症筋無力症を発症した3症例を経験したので報告する.症例1は42歳, 女性で前胸部痛を主訴に近医を受診.胸部異常陰影を指摘され, 精査の結果胸腺腫と診断され, 拡大胸腺-胸腺腫摘出術が施行された.2年後に四肢の関節痛, 筋力低下を来たし重症筋無力症及び強皮症と診断され現在ステロイド投与中である.症例2は68歳, 女性で胸腺腫摘出術施行後, 無症状であった.しかし8年後にC型肝炎に罹患しインターフェロンを投与したところ, 筋無力症状が顕性化し, 重症筋無力症と診断され, 遺残胸腺を含めた拡大胸腺摘出術が施行された.症例3は34歳, 男性で検診にて胸部異常陰影を指摘され精査の結果, 奇形腫の疑いにて腫瘍摘出術が施行された.しかし約1ヵ月後に筋無力症状が出現し, クリーゼとなり人工呼吸管理を要したため初回手術から2ヵ月後に遺残胸腺を含めた拡大胸腺摘出術が施行された.胸腺腫摘出後重症筋無力症に対する治療方針としては, 初回手術時に拡大胸腺・胸腺腫摘出術が施行されていない症例においては再手術による拡大遺残胸腺摘出術を考慮すべきと考えられる.
  • 佐藤 修二, 小田 晃弘, 朝倉 潤, 鈴木 英之, 秋葉 直志, 山崎 洋次
    1999 年 13 巻 7 号 p. 888-892
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の男性である.過去に多発性皮膚神経鞘腫および脊髄神経鞘腫の手術歴があり, 神経鞘腫症と診断されている.胸部X線写真で異常陰影を指摘され, 胸部CT, MRIにより両側多発性胸壁腫瘍と診断した.胸腔鏡併用により右4個, 左2個の腫瘍を1期的に摘出した.腫瘍は左右ともそれぞれ1本の肋間神経から多発性に発生しており, 病理組織学的にすべて神経鞘腫と診断した.神経鞘腫症に肋間神経由来の神経鞘腫の合併は本例以外に報告がなく, また胸壁神経鞘腫としても両側多発性に発生したのは本例以外に報告がなく, 極めてまれな症例と思われた.
  • 浜口 伸正, 吉田 光輝, 環 正文, 藤島 則明
    1999 年 13 巻 7 号 p. 893-897
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    症例は53歳男性.26年前に肺結核にて右上葉切除術を受けた.術後気管支瘻, 膿胸の合併で開窓術を行い, 膿胸腔浄化後, 骨膜外パラフィン充填術を受け, その後経過良好であった.今回, 右胸部圧迫感, 右肩甲骨下腫瘤が出現.胸部X線, CT, MRIにて骨膜外パラフィン充填腔の拡大, 皮下への脱出を認め, 骨膜外パラフィン除去術, 広背筋, 前鋸筋弁充填術を行った症例を経験した.病理組織学的所見として軟部腫瘤には拡張した血管腔が多数みられ出血および変性像を伴っていた.術後約25年という長期間を経過しても, 稀ではあるが骨膜外パラフィン充填腔の拡大, 皮下への脱出などの合併症を起こす可能性があり, 長期のfollowが必要と考えられた.
  • 松本 成司, 竹中 一正, 前里 和夫
    1999 年 13 巻 7 号 p. 898-903
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    背部痛にて発症した胸壁浸潤を伴う肋骨原発の好酸球性肉芽腫を経験したので報告する.
    症例は24歳女性.左背部痛にて1998年1月近医を受診.胸部X線で左肋骨融解像を指摘され, 当院を紹介.胸部CT, MRIで, 左第5肋骨を中心に胸壁に浸潤した腫瘤影を認めた.病変の広がりの検索のため胸腔鏡検査を行い, 広範に胸壁へ進展した病変を認めた.左第5肋骨に沿う皮切を行い, 肋骨の部分切除を施行した.病理組織学的検索で多数の好酸球と, S-100蛋白陽性の褐色に染まる組織球を多数認め, 好酸球性肉芽腫と診断した.病変が広範囲に及ぶことから, 局所に放射線治療と, ステロイドと抗癌剤の全身投与を行い, 軽快した.治療1年半経過, 再発を認めていない.
  • 金光 真治, 高尾 仁二, 鈴木 友彰, 藤永 一弥, 島本 亮, 下野 高嗣, 矢田 公, 並河 尚二
    1999 年 13 巻 7 号 p. 904-909
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    肺切除後の難治性有瘻性膿胸に対して気管支断端Gelatin-Resorcinol Formaldehyde-Glutaraldehyde glue (GRFG glue) 塗布および大網充填術を施行し, 治癒せしめた症例を報告する.症例は31歳, 女性.子宮頚癌の両側肺転移に対する右S6区域切除と中, 下葉の部分切除および左Sloの部分切除を施行した.術後air leakageが遷延し, 塩酸ドキシサイクリン200mg胸腔内注入, そしてfibrin glue注入するも効果なかった.その後, aspergillus fumigatusによる膿胸となり, Fluconazole 静注及びAmphotericin-Bの胸腔内洗浄を開始した.気管支鏡下閉塞テストを行い, 責任領域を確認後, fibrin glueを気管支腔内に注入するも数時間後に再発を認めた.胸腔内排液からのアスペルギルス培養陰性化後, 再開胸, 膿胸腔郭清, 気管支断端に対する GRFGglue 塗布, 遺残腔に対する有茎大網充填を施行した.術直後よりair leakage消失し, 退院した.縫合閉鎖困難な術後気管支瘻に対してGRFG glue塗布による瘻孔閉鎖法は有効であると思われた.
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