初回手術より12年後に再発したsolitary fibrous tumor of the pleura (以下SFTとする) の1手術例を経験したので報告する.症例は, 74歳男性, 主訴は胸部X線写真異常陰影, 現病歴は1988年に右肺S
2の良性有茎性, 腫瘍径4.6cmのSFTの切除術を受けた.以後経過良好であったが, 2000年にSFTの再発を認め, 胸腔鏡下に腫瘍を切除した.腫瘍は, 2個存在し, ともに有茎性で, 右横隔膜の胸膜より最大径4.8cm, 右S
10の胸膜より最大径0.8cmのものであった.病理組織学的所見は, ともに良性のSFTで前回の切除標本と同様であり, SFTの再発と確定診断した.SFTは, 組織学的に良性であっても, 長期間の胸部X線写真による経過観察と, 再発巣には, 早期に完全切除をおこなうことが重要である.またdynamic CT, dynamic MRIは, SFTの診断治療に有効な検査であると考えられた.
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