対象は, 16例で, 男性15例, 女性1例.年齢は平均56歳 (30-71) で, 組織型は, 扁平上皮癌6例, 腺癌3例, 腺扁平上皮癌が1例, 大細胞癌が1例, 1arge cell neuroendocrine carcinomaが1例, 不明が4例であった.肺尖部胸壁浸潤が7例, 広範囲胸壁浸潤が4例, 縦隔浸潤が3例, Bulky N2が2例であった.CCRTの代表的なプロトコールは, cisplatin 20mg/m
2, etoposide 32mg/m
2をday1-5, 29-33に投与し, 同時に胸部への40Gyの放射線照射 (1日2Gy) を行った.CCRT後の臨床効果はPRを11例 (69%) に認めた.全例にCCRT終了後, 4週間で手術を施行した.手術による重篤な術後合併症は認めなかった.切除組織の病理組織学的治療効果は, 著効 (Ef.3) を8例 (50%) に, 中等度の効果 (Ef.2) を6例 (36%) に, 軽度の効果 (Ef.1b) を2例 (12%) に認めた.平均観察期間は24ヵ月で, Kaplan-Meier法による3生率は, 57.1%, 4生率は28.6%であった.以上より, CCRTは, 局所進行肺癌に対する有用なinduction therapyと成り得るものと考えられた.
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