症例は46歳, 男性.1997年10月, 右上葉の浸潤影を指摘され,
M. szulgaiによる感染症と診断がついた.INH, RFP, EBによる治療を6ヵ月間施行した.1999年12月, 再排菌がみられRFP, TH, CAMにて6ヵ月間治療した.2001年3月, 病巣の増悪と排菌が認められ, RFP, TH, CAM, LVFXにて治療再開するとともに, 呼吸器外科紹介となり, 手術適応として右肺上葉切除術を施行した.術後RFP, TH, LVFXによる内服治療を6ヵ月継続し, 現在まで排菌なく経過観察中である.
M. szulgaiは通常の化学療法にて治癒の得られることが多いが, 治療が不十分な場合には, 排菌のコントロールに難渋する場合がある.非定型抗酸菌症に対しては十分な内服治療が必要であり, 排菌を繰り返す場合には, 時機を逸することなく, 手術を考慮すべきである.
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