日本呼吸器外科学会雑誌
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23 巻 , 2 号
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原著
  • 本間 崇浩, 新納 英樹, 宮澤 秀樹, 能登 啓文
    2009 年 23 巻 2 号 p. 114-119
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    2002年から2006年までに当院に入院し保存的治療法を行った難治性気胸45例(47側)について検討した.治療方針は胸腔ドレーン挿入後の気漏程度と肺の再膨張に基づき,ドレナージ単独,胸膜癒着療法,気管支充填術併用のいずれかに決定した.気管支充填術はシリコン性気管支充填材を用い,胸膜癒着療法は50cmH2O陰圧下で積極的に癒着を図った.胸膜癒着療法群1例,非治療関連の在院死3例を除いて,初回に選択した治療で気漏が停止し退院となった.平均入院期間はドレナージ単独群8.4日,胸膜癒着療法群23.5日,気管支充填術併用群25.5日で,手術を施行せずに初回治療で確実かつ早期の気漏停止が可能であった.気管支充填術併用群では再発を認めず(観察期間23~81ヵ月),当院の治療戦略は安全性が高く,再発が少ない点で有効な治療方法と考える.
  • 木村 亨, 船越 康信, 竹内 幸康, 野尻 崇, 前田 元
    2009 年 23 巻 2 号 p. 120-125
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    1998年1月から2008年5月までに非小細胞肺癌に対して縦隔リンパ節郭清を伴う肺葉切除または肺全摘を施行した782例のうち,術後乳糜胸を来たした17例(2.2%)を対象とし,乳糜胸の診断,治療方法等につきretrospectiveに検討を行った.6例(35%)は脂肪制限食(A群),8例(47%)は絶食・高カロリー輸液(B群)で治癒したが,3例(18%)は胸管結紮術(C群)を必要とした.術後ドレーン排液量は術後5日間すべてC群で有意に多かった.脂肪制限解除時期(10.1±4.1日vs15.8±10.1日vs21.3±21.4日)はC群で遅く,ドレーン抜去時期(8.7±4.6日vs18.9±11.0日vs12.3±1.5日)と退院時期(28.1±9.9日vs43.8±17.6日vs77.0±66.3日)はA群で早い傾向にあった.術後乳糜胸は発生予防に留意するとともに,保存的治療にもかかわらず1000ml/日以上の排液が持続する場合は速やかな胸管結紮術を考慮すべきと考えられた.
症例
  • 川野 亮二, 日野 春秋, 星野 竜広, 横田 俊也, 池田 晋悟, 羽田 圓城
    2009 年 23 巻 2 号 p. 126-131
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    患者は75歳,男性.検診にて右上肺野の異常影を指摘され,精査の結果,右前胸壁の第1肋間筋を主座とする最大径7cmの線維増殖性腫瘍と診断された.腫瘍は第1,2肋骨・肋間筋,小胸筋とともに一塊にして切除し,その後胸壁再建術を行った.組織学的には,膠原線維と軽度の異型性をもつ紡錘形細胞の疎な増殖からなるデスモイド腫瘍であり,完全切除例と診断された.また,右肺下葉には1.6m大の原発性高分化型肺腺癌が合併した.デスモイド腫瘍が胸壁に発生することはきわめてまれで,さらに同時性の非小細胞肺癌合併例の報告は現在までに認めない.デスモイド腫瘍は局所再発率が非常に高いため,慎重な経過観察が必要である.
  • 神尾 義人, 北見 明彦, 植松 秀護, 玄 良三, 中島 宏昭, 成瀬 博昭
    2009 年 23 巻 2 号 p. 132-136
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    原発巣が著明な骨化をきたし,ProGRPが異常高値を呈した定型カルチノイドの1切除例を経験した.症例は73歳男性.CTで右鎖骨上窩・上縦隔のリンパ節腫大および右上葉に石灰化小結節を指摘された.ProGRPが627.7pg/mlと高値であり,小細胞癌を疑い生検目的で鎖骨上窩リンパ節を切除した.病理の結果カルチノイドと診断され,リンパ節摘出後のProGRPは363.0pg/mlと著明に低下した.カルチノイドは,小細胞癌と比べ放射線および化学療法の効果を期待しづらいこと,リンパ節切除後にProGRPが低下したこと,また他の肺癌の組織型に比べて遠隔転移が少ないことを考慮し,胸骨正中切開下に縦隔リンパ節切除および右上葉切除を行った.最終病理診断は定型カルチノイドpT1N3M0 stage III Bであった.術直後にProGRPは正常化し,術後14ヵ月現在無再発生存中である.
  • 松村 勇輝, 塩野 知志, 加藤 博久, 佐藤 徹
    2009 年 23 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は16歳女性.学校健診で胸部X線異常影を指摘された.CT,MRIにて右後縦隔腫瘍を指摘され当科へ紹介された.術前の理学的所見で異常はなく無症状であった.画像所見から神経原性の後縦隔腫瘍と診断し,手術を行った.手術開始直後から収縮期血圧が200mmHg以上まで上昇し,降圧薬に反応不良であったが,腫瘍摘出後速やかに血圧は安定した.術後病理組織検査ではparagangliomaと診断された.後縦隔原発のparagangliomaは稀で,本邦では26例が報告されているが,手術時に大量出血と異常高血圧を起こす危険があり,術前の鑑別診断が重要と考えられた.
  • 伊藤 祥隆, 田中 伸佳, 海崎 泰治
    2009 年 23 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は57歳,女性.主訴は胸部異常陰影.検診にて気管の右方偏位を指摘され当院を受診した.初診時までに呼吸器症状の自覚はなかった.胸部CT検査では甲状腺,気管,食道,大動脈に囲まれた上縦隔に径8.8×6.4cmの嚢胞性病変を認めた.MRI検査ではT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号であった.以上より縦隔嚢胞性腫瘤と診断し手術を行った.胸骨正中切開にて腫瘤を摘出したが周囲臓器と特別な関連を有する所見は得られず,原発部位は不明であった.切除標本では薄い壁を持つ嚢胞状組織で,壁内には副甲状腺組織が島状に散在し,壁内腔はこの組織と類似した一層の立方円柱上皮に覆われていた.本例では明らかな副甲状腺機能亢進症が認められなかったため,非機能性縦隔副甲状腺嚢胞と診断した.
  • 植田 信策, 島田 和佳, 磯上 勝彦, 小林 俊介
    2009 年 23 巻 2 号 p. 149-155
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は74才,男性.検診喀痰細胞診でD判定と胸部X線写真上異常陰影を指摘された.左肺下葉S10にφ4cmの腫瘤を認め,気管支鏡検査で左B10は腫瘤により閉塞されていた.擦過細胞診で扁平上皮癌と診断した.受診の半年前より手足,顔面の浮腫を自覚していた.初診時,低アルブミン血症(1.2g/dL)と蛋白尿(17.2g/day)を認め,ネフローゼ症候群と診断した.発症の経緯から腫瘍随伴性症候群と推測し,肺癌治療による改善が期待された.左肺下葉切除術を施行し,同時に行なった腎生検で膜性腎症と診断した.術後は低アルブミン血症と蛋白尿の改善を認めた.中高年者の膜性腎症によるネフローゼ症候群の1/4に悪性腫瘍が関連し,なかでも肺癌の割合が高いとされている.このような病態において肺癌治療によりネフローゼ症候群の寛解が得られたと報告されていることから,本症例においても肺癌の摘除を行ない,その結果ネフローゼ症候群の改善を得ることができた.
  • 吉川 拓磨, 神崎 正人, 小原 徹也, 大貫 恭正
    2009 年 23 巻 2 号 p. 156-160
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は65歳女性.近医で胸部異常陰影指摘され,当院呼吸器内科を受診した.胸部CT上両側に数mm大の多発結節影を認めた.身体所見,血液検査所見に異常なく,喀痰培養検査,ツ反検査等から結核,真菌症,サルコイドーシスは否定的であった.PET検査でも,集積はなかったが,増大傾向を認めたため,確定診断をつけるため胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.病理検査では,結節性リンパ組織過形成(NHL)と診断された.NLHはMALTリンパ腫と鑑別すべき疾患の1つであり,今後報告例はさらに増加すると思われる.NLHの中でも多発結節を呈する症例はいまだ報告例が少なく,病態,予後,治療方針に関し不明な点が多いことから,今後の症例の蓄積が必要と思われる.
  • 澤田 貴裕, 渡辺 有為, 大浦 裕之, 半田 政志
    2009 年 23 巻 2 号 p. 161-164
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    肺癌術後急性期に発症した腎梗塞の1症例を経験した.発熱,腹痛などの症状が出現し,LDH,GOT,GPTの上昇を認め,腹部造影CTにて診断が確定した.術前の凝固系検査で異常はみられず,血栓や塞栓の原因となる既往症もなかった.また発症後の検査でも,心・大動脈などの異常は認めなかった.以前に経験した腎梗塞・脾梗塞のそれぞれ1症例を加えて検討したところ,3症例とも左側開胸による肺葉切除とリンパ節郭清が行われていることが特徴的であり,手術操作が影響している可能性があると思われた.臓器梗塞の診断が確定した場合には,抗凝固療法を迅速に開始することで臓器障害を軽度に留めることが可能であると思われた.
  • 小林 零, 森 正一, 福井 高幸, 立松 明子, 谷田部 恭, 光冨 徹哉
    2009 年 23 巻 2 号 p. 165-168
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は60歳の女性.粘表皮癌にて右下葉部分切除を施行した術後19年目に血痰を生じたため,精査を行った.右B10入口部にポリープ状病変を認めた.2度の気管支鏡下生検を行うも確定診断に至らず,外科的切除(右下葉切除術)を施行した.術後病理にて,肺縫合糸肉芽腫と診断された.肺縫合糸肉芽腫の報告は比較的まれであり,また粘表皮癌の再発と鑑別を要した1例を経験したので報告する.
  • 川真田 修, 高橋 正彦
    2009 年 23 巻 2 号 p. 169-173
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    両側発生肺MALTリンパ腫の2例を経験し長期生存が得られているので報告する.症例は40代女性と70代男性,いずれも無症状で発見され,術前確定診断が得られずに術中迅速病理検査で確定診断を得た.2例とも肺葉切除は避け,一側肺部分切除と対側の区域切除を施行した.術後補助療法は施行せず,現在無再発生存中である.肺MALTリンパ腫の治療法は手術療法,化学療法,放射線療法が報告されているがいまだ確立されておらず,手術術式についても肺癌のような標準的術式は定まっていない.従って,どのような治療法,術式を選択することが妥当かを判断するためにも本邦報告例を追跡し,肺MALTリンパ腫の長期経過を明らかにしていくことが必要と思われた.
  • 市之川 英臣, 高持 一矢, 高橋 宣正, 王 志明, 櫻庭 幹, 鈴木 健司
    2009 年 23 巻 2 号 p. 174-178
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    背景:肺原発の多形性腺腫は非常に稀である.症例:56歳男性.2000年の検診にて胸部異常影を指摘され,精査を施行した.胸部CTで左肺S5に2cm大の結節を認め,気管支鏡検査を施行したが,確定診断には至らなかった.2007年8月,検診の胸部レントゲンで結節の増大を指摘されたため,再度精査を行った.気管支鏡を計3回施行したが,確定診断には至らず.2008年3月,舌区域切除術を施行した.最終病理診断は多形性腺腫であった.胸部レントゲン上12年間に渡る緩徐な腫瘍の増大が確認された.結論:確定診断に難渋したため,切除によって診断した多形性腺腫の一例を経験した.多形性腺腫は病理組織学的には良性腫瘍とされているが,悪性化や術後再発例の報告もあり,臨床的には低悪性度の腫瘍と認識して取り扱う必要がある.
  • 藤生 浩一, 宮元 秀昭, 母里 正敏
    2009 年 23 巻 2 号 p. 179-182
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    子宮内膜症に合併した血胸の症例を経験したので報告する.症例は45歳女性.右下腹部痛にて当院を受診した.月経開始後5日目であった.腹部CTにて多量の腹水と子宮右側に造影される腫瘤を認めた.受診後貧血の進行を認め,右卵巣出血の疑いで開腹手術を行った.骨盤内には子宮内膜症を認め,腹腔内には約1500mlの血液貯留を認めた.両側卵巣卵管摘出術を行った.術後の胸部X線写真で右肺野の透過性不良を認め胸水貯留と診断した.胸腔ドレーンを挿入し,約1300mlの血性胸水を排液した.翌日,血胸の原因の診断目的で胸腔鏡下手術を行った.臓側および壁側胸膜と横隔膜に多数の茶色の点状班を認めた.また横隔膜の腱中心に紫色の斑点と複数の小孔を認めた.横隔膜と右肺下葉を部分切除した.横隔膜の組織所見にて異所性子宮内膜症と診断した.
  • 近石 泰弘, 井上 政昭, 宗 哲哉, 川口 誠, 福岡 順也, 安元 公正
    2009 年 23 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,男性.主訴は血痰,背部痛.胸部CTにて左肺S9~10に6cm大の腫瘤を認め経気管支肺生検にて左肺癌と診断.また,腹部CTにて小腸腫瘍による消化管閉塞を認めたため小腸部分切除を施行.病理組織検査にてラブドイド形質を伴う大細胞癌であり,肺癌からの転移と診断された.小腸切除後,術後補助化学療法を施行したが効果なく,術後37日目に癌性腹膜炎にて死亡した.ラブドイド形質を伴う肺大細胞癌は1999年のWHO肺胸膜腫瘍の組織型分類より新たに大細胞癌の特殊型に加えられ,大細胞癌の約10%に認められる比較的稀な亜型であり,進行が早く予後不良で知られている.また,肺癌の小腸転移は比較的稀であるが大細胞癌を含めた未分化癌など悪性度の高い肺癌からの転移が多く外科的切除を施行しても予後不良なことが多い.
  • 神山 幸一, 木村 正樹, 薄井 真悟
    2009 年 23 巻 2 号 p. 190-194
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    胸腺癌と肺カルチノイドはともに比較的稀な疾患である.今回これらの同時性重複癌に対し一期的根治術を施行した1例を経験し,良好な結果を得たので報告する.症例は80歳,男性.膀胱癌治療時の胸部X線とCTで前縦隔と左肺下葉に腫瘍が発見された.膀胱癌治療終了後に,心膜合併切除および右肺部分切除を伴う拡大胸腺摘出術を胸骨正中切開にて施行し,さらに左側方開胸で左肺下葉切除術を施行した.病理組織診断で胸腺扁平上皮癌および肺非定型カルチノイドと診断した.経過は順調で術後21ヵ月再発転移を認めない.胸腺癌と肺カルチノイドの同時重複癌の報告は検索し得た範囲での報告は認められず,極めて稀な症例であると考えられる.
  • 元石 充, 榎堀 徹, 畠中 陸郎
    2009 年 23 巻 2 号 p. 195-198
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は36才男性.夕食後突然の心窩部痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部エコー・腹部CTでは異常を指摘されなかった.受診時体温は約38度であった.2日後症状が改善せず呼吸器科受診となった.体温は38度,血液検査上炎症所見を認め,胸部CTにて両側胸水および気管分岐部に周囲が造影される嚢胞性病変を認めた.縦隔膿瘍を疑い同日手術を行った.腫瘤は硬く,内部から白色でもろい壊死様物質を認めた.腫瘤と周囲組織とは境界不明瞭で完全摘出は不可能であり組織生検にて終了した.病理学的には大半が壊死組織であったが核異型を伴う大型リンパ球がびまん性に増殖しており,免疫染色とあわせてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断した.嚢胞状陰影を呈する悪性リンパ腫は非常にまれである.
  • 大瀬 尚子, 松村 晃秀, 阪口 全宏, 北原 直人, 伊藤 則正, 北市 正則
    2009 年 23 巻 2 号 p. 199-202
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は89歳男性.31歳時に肺結核に対する人工気胸治療歴がある.79歳時に右側の慢性膿胸に対し,膿胸腔掻爬術を施行し,以後再発なく経過していた.89歳時に右背部に有痛性の膨隆が出現した.胸部CTでは右胸壁に4×5cm大の腫瘤を認め,第8肋骨の融解像を認めた.生検では悪性線維性組織球腫が疑われた.生検部位の創部から出血が持続したため2007年1月,摘出術を施行した.腫瘍は第8肋骨を中心に第7,9肋骨まで浸潤していたが,臓側胸膜,肺への浸潤はなく摘出し得た.切除検体で胸壁原発血管肉腫と診断した.術後1年で,再発を認めていない.慢性膿胸の経過中に発生する悪性腫瘍では,悪性リンパ腫が多いが,血管肉腫も慢性膿胸の経過中に発生した報告が多い.本症例は慢性膿胸に対する掻爬手術後に発生した稀な例で,かつ外科的に切除し得た胸壁腫瘍で本邦最高齢の症例であった.
  • 木村 愛彦, 太田 英樹, 戸田 洋
    2009 年 23 巻 2 号 p. 203-207
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    症例は77才,男性.20才時に肺結核により人工気胸術が施行された既往があり,以後慢性膿胸となった.2004年9月に有瘻性膿胸となったため膿胸腔の開窓術を施行し,連日のガーゼ交換により経過観察をしていた.2006年12月より,膿胸壁の一部に増大傾向を伴う腫瘤性病変が出現した.生検にて悪性リンパ腫であり,Pyothorax-associated lymphoma(PAL)と診断し局所切除を行った.開窓術後の長期経過観察中に新たに生じたPALの報告例はなく稀な症例と考えられた.開窓術後であってもPALの発生を念頭においた経過観察が必要である.
  • 船井 和仁, 佐々木 一義, 籾木 茂
    2009 年 23 巻 2 号 p. 208-212
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    血清クリプトコッカス抗原陰性で,画像上は肺癌との鑑別が困難であった免疫能正常者3例を経験したので報告する.3例とも検診などの胸部異常陰影で発見され,術前の気管支鏡下生検では診断がつかなかった.胸部CTでは散布影を認めずに胸膜嵌入像を伴う症例もあり,肺癌との鑑別が問題となった.3例ともPositron Emission Tomography(PET)が施行されてStandardized Uptake Value(SUV)=0.98~4.7の集積が認められた.うち2例ではSUV=4.5~4.7の比較的強い集積が認められた.肺部分切除または区域切除によりクリプトコッカス症と診断し,術後フルコナゾールの内服治療を行った.孤立性結節を呈するクリプトコッカス症では血清クリプトコッカス抗原が偽陰性となる症例も多い.また胸部CTやPETでも肺癌との鑑別診断に苦慮する症例も報告されており,早期の肺生検による診断が有用である.
  • 奥田 雅人, 大政 貢, 志熊 啓, 豊 洋次郎, 瀧 俊彦
    2009 年 23 巻 2 号 p. 213-216
    発行日: 2009/03/15
    公開日: 2009/12/14
    ジャーナル フリー
    15歳(中学生)以下の小児キャッスルマン病は,比較的稀であり,縦隔発生の小児キャッスルマン病の本邦での報告は6例(自験例を含まず)のみである.症例は15歳女性.学校検診で,上縦隔に胸部レントゲン写真上の異常陰影を指摘された.近医受診し,胸部CTで気管前に腫瘍性病変を認めたが,良性腫瘍の診断で経過観察とされていた.セカンドオピニオンを求めて当科を受診された.FDG-PET検査で淡い集積像を認め,胸部CTと胸部MRIの所見で悪性腫瘍が除外できないため,手術摘出目的で入院となった.胸腔鏡併用下縦隔腫瘍摘出術を施行し,キャッスルマン病の診断を得た.一般にキャッスルマン病は無症状で検診発見されるケースが多いが,FDG-PET検査の有用性については明確ではない.今回,術前にFDG-PET検査を施行した縦隔発生の小児キャッスルマン病の一手術例を経験したので,報告する.
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