日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
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32 巻 , 7 号
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巻頭言
原著
  • 後藤 達哉, 北原 哲彦, 佐藤 征二郎, 小池 輝元, 岡田 英, 須田 一晴, 古屋敷 剛, 青木 正, 吉谷 克雄, 大和 靖, 小池 ...
    2018 年 32 巻 7 号 p. 782-791
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    【対象と方法】2009年2月~2015年3月の新潟呼吸器外科研究グループでの特発性肺線維症(IPF)合併肺癌手術例において,術後及び遠隔期の急性増悪(AE)の発生と予後を前向きに検討した.【結果】対象は48例で,男/女47/1例,平均年齢70歳.術後AEは3例(6%)に認め,その内1例が再AEで,2例が再々AEで死亡していた.単変量解析で,術後AEに対する予測因子はなく,遠隔期AEに関しては術後AE発症が予測因子であった.遠隔期AEは,平均16ヵ月で14例(29%)に発症し,8例がAEにより死亡していた.術後AE発症群と非発症群の3年全生存率(OS)は0%,70.6%で(p<0.001),遠隔期AE発症群と非発症群の3年OSは35.7%,80.3%であった(p=0.001).【結語】術後AE発症のみが遠隔期AE発症の予測因子であった.遠隔期AEを念頭に置いた注意深い経過観察が必要である.

症例
  • 中島 拓也, 木村 文平, 布村 眞季, 唐沢 知之, 安東 沙和, 下山 武彦
    2018 年 32 巻 7 号 p. 792-798
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は80歳代の男性.胃癌術前精査にて左肺下葉結節を指摘された.経過観察すると増大傾向にあり,FDG-PET CTで同部位にFDGの集積を認めた.血液検査にてSCCの上昇を認めた.TBLBでは確定診断に至らず,原発性肺癌cT1N0M0を疑って手術の方針となった.開胸時針生検での術中迅速診断でも悪性が否定できず,VATS左下葉切除を行った.永久標本で扁平上皮腺上皮性混合型の乳頭腫と診断された.癌化もなく,HPV感染も認めなかった.本邦における組織亜型について記載のある報告例78例を検討した.本疾患は肺癌との鑑別を要する場合があり注意を要するが,完全切除により根治できると思われる.

  • 山口 学, 小中 千守, 守尾 篤, 池田 徳彦
    2018 年 32 巻 7 号 p. 799-803
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は64歳男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,扁平上皮癌cT3(pm)N1M0 stage IIIAの診断で手術目的に入院となった.右中下葉切除術及びリンパ節郭清を行い,術後病理で腺癌部分と扁平上皮癌部分を認めたため,遺伝子検査を行ったところ両組織型ともEGFR遺伝子のL858R変異に加えてT790M変異を認めたが,腺癌に認められたP53の遺伝子変異が扁平上皮癌部分には認められず,同時性多発肺癌(扁平上皮癌cT2N0M0 stage IIA 腺癌cT1cN1M0 stage IIB)と診断した.術後経過観察中に脳転移と肺転移を認めオシメルチニブの内服を開始.術後1年10ヵ月を経過し生存中である.EGFR遺伝子変異の中でT790M遺伝子変異は獲得変異が大多数を占め,de novoの発生は少ないため,報告する.

  • 橋本 久実子, 川口 晃司, 福井 高幸, 中村 彰太, 羽切 周平, 横井 香平
    2018 年 32 巻 7 号 p. 804-807
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    72歳男性.他疾患治療中,胸部X線写真で異常陰影を指摘され,造影CTで前縦隔に境界明瞭な90 mm大の腫瘤を認めた.石灰化や脂肪陰影はなく内部に低吸収域を伴う腫瘤で,FDG-PETでSUVmax 2.69の集積を認めた.血清腫瘍マーカーや抗Ach-R抗体価は正常範囲であった.cT1N0M0 Stage Iの胸腺腫を疑い,胸骨正中切開にて胸腺摘出術,右肺部分切除および心膜合併切除を施行した.病理検査で腫瘍は囊胞成分と充実成分からなり,充実部分には粘液産生細胞,核異型に乏しい扁平上皮細胞,未分化な中間細胞が存在し,低悪性度の粘表皮癌,pT2N0M0 Stage IIと診断された.融合遺伝子MAML2の検索を試みたが本症例では陰性であった.胸腺原発粘表皮癌の予後は組織学的悪性度と臨床病期に相関すると報告されている.本症例はII期だが完全切除且つ低悪性度だったため良好な予後を期待している.

  • 藤原 敦史, 奥村 典仁, 高橋 鮎子, 中島 尊, 松岡 智章
    2018 年 32 巻 7 号 p. 808-812
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    58歳男性.4ヵ月持続する右胸背部痛を主訴に来院,胸部X線上右上肺野に腫瘤影を認め紹介となった.胸部CT上右上葉に胸壁に接する42 mm大の腫瘤影を認め,近傍の肋骨辺縁は不整であり胸壁浸潤が疑われた.術前確定診断は得られずも原発性肺癌(cT3N0M0 cStage IIB)を疑い手術の方針とした.手術は後側方切開,右上葉切除及び第3~5肋間筋を含む胸壁合併切除(ND2a)を施行した.術中穿刺吸引細胞診では低分化癌,術後病理診断にて肺原発多形癌(pT3N0M0 stage IIB)と診断された.術後1ヵ月で撮影したMRIで第7胸椎に転移を認め(術前は変性病変と判断),化学放射線療法(化学療法:Carboplatin(CBDCA)+weekly Paclitaxel(PTX)4クール 放射線療法:30 Gy)を施行した.治療後第7胸椎のFDG集積は消失し,現在まで9年2ヵ月の間無再発生存中である.

  • 柳光 剛志, 森山 重治, 葉山 牧夫, 清水 大, 梅田 響
    2018 年 32 巻 7 号 p. 813-817
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は78歳女性.60歳時に甲状腺乳頭癌で根治手術を施行後,CTによる定期フォローを行っていた.10年後のCTで右肺S10に1.3 mm大の結節影が新規に出現し,緩徐な増大傾向を示した.さらに8年後のCTで結節影は10 mm大まで増大したため,甲状腺癌の肺転移や低悪性肺腫瘍を疑い,胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.永久標本にて肺過誤腫の診断であった.新規発生の肺過誤腫を長期にわたって経過観察した報告は少なく,その腫瘍倍化時間を文献上の考察を加え,検討した.

  • 橋本 章太郎, 久野 真人, 森本 真人
    2018 年 32 巻 7 号 p. 818-823
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    当院で経験した後縦隔ミュラー管囊胞の2切除例を報告する.【症例1】50歳,女性.腎腫瘤の精査中に後縦隔の囊胞性腫瘤を指摘された.MRIにてTh7椎体左側に30×20 mm大のT2強調で内部highな表面平滑な囊胞を認めた.神経原性腫瘍を疑い胸腔鏡下に切除した.病理組織診では,単層の線毛円柱上皮に覆われた薄い線維性の壁を有する囊胞性病変で,免疫染色では上皮はER,PgR陽性であり,ミュラー管囊胞と診断された.【症例2】36歳,女性.人間ドックの胸部Xpにて椎体左側,大動脈弓の頭側に腫瘤性病変を指摘された.胸部CTにてTh4椎体左側に接して30×18 mmの内部均一な囊胞性腫瘤を認めた.神経原性腫瘍を疑い胸腔鏡下に切除した.病理組織診では多列線毛円柱上皮に裏打ちされた囊胞性病変で気管支原性囊胞と診断された.症例1を経験後,免疫染色を追加し,上皮成分はER,PgR陽性であったことから診断を訂正した.

  • 桑原 博昭, 河北 一誠, 植田 隆太, 秋元 真祐子, 柳内 充, 鈴木 昭
    2018 年 32 巻 7 号 p. 824-829
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    IgG4関連疾患はIgG4を発現する形質細胞が関与し,全身の諸臓器に腫瘤や肥厚形成を来す疾患である.我々は肺癌術後4年目に前縦隔にIgG4関連疾患を発症し,肺癌再発との鑑別を要した症例を経験した.症例は4年前に左肺の同時多発肺腺癌に対し,左肺上葉切除とS6区域切除ならびにリンパ節郭清を行った女性で,上葉病変がpT1bN0M0の病理病期IA2期で,S6病変はpTisN0であった.術後4年目の定期CTで前縦隔に平坦な腫瘍様病変を認めた.FDG-PETでは同部に強い集積を認めた.肺癌再発も含め悪性病変を除外できず,切開生検を行った.病理結果ではIgG4関連疾患が示唆され,悪性所見は認めなかった.生検後に測定した血清IgG4値は264 mg/dlと高値であった.以上から前縦隔に発生したIgG4関連疾患と診断し,ステロイド投与を開始した.治療開始3ヵ月後にIgG4値は正常化し前縦隔病変も消退した.

  • 宮原 栄治, 上田 大介, 川﨑 由香里, 木村 厚雄, 奥道 恒夫
    2018 年 32 巻 7 号 p. 830-836
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    有瘻性膿胸に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術および瘻孔閉鎖は低侵襲性で有用である.しかし,術後に瘻孔がコントロールできなければ開窓術を要することが少なくない.有瘻性膿胸3例に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術の術中にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)による気管支鏡下気管支充填術を併用し,瘻孔コントロールを試みた.2例では術後瘻孔がコントロールされ,術後第17,28日目に退院した.1例は術後膿胸が再燃し開窓術を行ったが,瘻孔は認めず1ヵ月後に閉窓した.胸腔鏡下膿胸腔掻爬術にEWSを併用することで術後開窓術への移行を防止し,また開窓術に移行したとしても瘻孔が閉鎖されているため早期に閉窓可能であった.EWSによる気管支鏡下気管支充填術を併用した胸腔鏡下膿胸腔掻爬術は有瘻性膿胸に対して一期的な治癒が期待でき有効な治療法と考えられた.

  • 土屋 尚人, 宮島 邦治, 米山 礼美, 木村 雅一, 河野 貴文, 坂田 義詞
    2018 年 32 巻 7 号 p. 837-841
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    現在,小型肺癌に対しての縮小手術については一定の見解が得られておらず,臨床試験が行われている.またAdenocarcinoma in situ(AIS)は5年生存率100%と良好な予後であると報告されている.今回CT検診にて右S1に長径10 mmのGround glass opacity(GGO)病変を指摘された後,1年毎に緩徐に増大し,3年目はpartly solid noduleを形成し,5年後に当院紹介受診時には長径16 mm大のsolid noduleとなった症例に縮小手術を施行した.病理診断はAISであり,術後7年間再発を認めずに現在も経過観察中である.5年間にわたる長期間,GGO病変の経時的変化を観察した経験からCT画像上充実成分の割合が高い症例の中にもAISである症例があり,縮小手術も術式の選択肢の1つとなると考え,術式判断を行うべきである.

  • 田内 俊輔, 内田 孝宏, 杉山 博信, 戸部 智
    2018 年 32 巻 7 号 p. 842-846
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は65歳男性.右上葉肺の過膨張に起因すると考えられる胸部レントゲン上の右肺野の透過性亢進を指摘されており,Swyer-James症候群として在宅酸素療法を施行しながら経過観察されていた.1週間前より体調不良を呈し呼吸苦が強くなったため緊急入院となった.II型呼吸不全の急性増悪によるCO2ナルコーシスと診断され,人工呼吸器管理となったが改善を認めなかった.右上葉肺の過膨張の進行による健側肺の圧迫が原因と考えられたため,手術を施行し責任病変である右肺上葉を切除した.術後は徐々に呼吸状態を含めた全身状態の改善を認め独歩退院となった.現在外来通院中であるが術側の残存肺も拡張改善を認めており,安静時の酸素吸入は不要となっている.Swyer-James症候群は保存的療法で加療されることが多いが,今回手術療法により呼吸状態が改善した症例を経験したため報告する.

  • 大澤 潤一郎, 伊藤 宏之, 鮫島 譲司, 永島 琢也, 中山 治彦, 池田 徳彦
    2018 年 32 巻 7 号 p. 847-852
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は69歳の女性,検診の胸部CTで異常陰影を指摘され当院紹介受診となる.胸部CTにて左上葉(S1+2)に肺癌を疑う結節影を認め,左の主気管支からB1+2+6が分岐する転位気管支,左肺が3葉に過分葉を呈する形態異常を認めた.画像所見より肺癌を疑い手術に臨んだ.術前CT画像より,S1+2+6は独立した区域と考えてS1+2+6区域切除を行う方針とした.明らかなリンパ節腫大を認めず,病変もGGNが主体であった為,上縦隔郭清のみを施行し,分岐部郭清は省略した.3D-CTを使用することで異常気管支の存在だけでなく,血管や気管支の立体的な位置関係を術前に認識する事が可能であり,安全に手術を完遂し得た.肺転位気管支の報告は非常に稀であり,B1+2+6分岐異常の報告はこれまでにない.

  • 原 英則, 船津 健太郎, 大貫 雄一郎, 木村 尚子, 松岡 弘泰, 宮内 善広
    2018 年 32 巻 7 号 p. 853-859
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    転落外傷に伴う外傷性肺囊胞の1例を経験した.60歳代,男性.建設業.仕事中に脚立から転落し右胸部を強打され受診した.来院時,胸部X線及びCT画像では,右多発性肋骨骨折,右下葉に空洞を伴う浸潤影と肺内血腫がみられた.受傷機転及び画像所見から,本疾患と診断した.全身・呼吸状態は安定しており,外科的処置をせず,保存的治療により治癒した.受傷6ヵ月目の胸部CTでは,肺野の異常陰影は僅かな線状影を残し消失した.本症は鈍的な非開放性の胸部外傷に伴う肺挫傷にみられ,比較的稀な病態とされており,特別な治療を必要とせず短期間に治癒することが多い.合併損傷により病状も様々であるため,全身状態及び肺挫傷の程度を考慮し,治療方針を検討することが重要である.本症の早期診断及び経時的観察における胸部CTの有用性が,改めて示唆された症例であった.

  • 松尾 翼, 藤嶋 悟志, 細野 由希子, 三井 匡史
    2018 年 32 巻 7 号 p. 860-864
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は53歳,男性.胸背部痛と呼吸苦を主訴に救急搬送された.救急外来での診察中に右上葉気管支からの出血が持続し,血気胸合併により急激に呼吸状態が悪化したため,喀血および血胸の制御目的に緊急で右肺上葉切除を施行した.術後,急速に多臓器不全が進行し,術後5時間で死亡した.喀痰培養,血液培養では緑膿菌が検出され,切除標本の病理検査でも緑膿菌による出血性肺炎の診断であった.健常成人での緑膿菌市中肺炎は極めて稀であり,急速に呼吸不全が進行して致死率が高いとされているが,これまで出血が問題となった報告は認められない.今回,喀血と血気胸に対して外科的止血を施行するも,敗血症による多臓器不全のため救命困難であった1例を経験したため,報告する.

  • 小林 健一, 芦刈 周平, 岩田 輝男, 塚本 浩, 花桐 武志
    2018 年 32 巻 7 号 p. 865-870
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    皮膚筋炎に肺癌を併発した報告例が散見される.今回,我々は肺癌の診断後に皮膚筋炎を発症した原発性肺癌の2切除例を経験したので報告する.症例1.74歳女性.左舌区に結節を指摘され,紹介となった.気管支鏡下肺生検により,扁平上皮癌と診断した.その10日後より発熱及び増悪する上腕の筋痛を認め,皮膚筋炎と診断した.肺癌の治療を優先し,胸腔鏡下左舌区域切除を施行し,速やかに症状は改善した.症例2.74歳男性.左S3とS8に結節を指摘され,気管支鏡下肺生検にて肺癌の診断を得たため,左上葉切除及び下葉部分切除を施行した.最終病理結果は左上葉扁平上皮癌及び左下葉小細胞癌であった.術後5ヵ月より顔面及び四肢に紅色皮疹を認め,皮膚筋炎と診断された.同時期に再発所見はなく,プレドニゾロンにて治療開始し,症状は改善した.術後9ヵ月,小細胞癌の再発を認め,化学療法施行中である.

  • 岩﨑 雅, 石原 駿太, 下村 雅律
    2018 年 32 巻 7 号 p. 871-876
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は80歳,男性.不明熱の経過中に胸部CTで4.0×2.0 cmの前縦隔腫瘤陰影及び両側の肺の粒状影を指摘された.縦隔腫瘤のCTガイド下生検を実施し,炎症性細胞と線維組織の増生の所見を認めたものの確定診断には至らなかった.一旦経過観察としたが,その後の画像検査で肺の粒状影に増大傾向を認め,PET-CTで縦隔腫瘤及び肺の粒状影に一致してFDGの異常集積を認めたため,外科的生検を行った.胸腔鏡下縦隔腫瘍生検及び肺部分切除を実施した.病理所見は,線維組織の増生と形質細胞・リンパ球の浸潤を認め,免疫組織化学染色でIgG4陽性細胞を50%以上で認めたためにIgG4関連炎症性偽腫瘍と診断した.プレドニゾロン内服によるステロイド治療を開始して1年の経過観察で縦隔腫瘤及び多発する肺結節は消退している.

  • 恩田 貴人, 喜多 秀文
    2018 年 32 巻 7 号 p. 877-880
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    症例は71歳女性.左上葉肺癌に対し左上葉切除と縦隔リンパ節郭清を施行.術後経過良好であったが第23病日に胸部不快感を認めたため施行した胸部造影CTで左上肺静脈切除断端に径10 mm大の陰影欠損を認め肺静脈断端血栓症と診断した.静脈血栓塞栓症の治療指針を参照しリバーロキサバン内服による抗凝固療法を開始し血栓はほぼ消失した.肺静脈断端部血栓の危険因子である左上葉切除後には造影CTによる血栓検索が有用であり,血栓が認められた場合は速やかに適切な抗凝固療法をおこなうべきであるが,その治療法はまだ確立されていない.文献的考察を加え報告する.

  • 武藤 哲史, 岡部 直行, 長谷川 剛生, 塩 豊, 鈴木 弘行
    2018 年 32 巻 7 号 p. 881-886
    発行日: 2018/11/15
    公開日: 2018/11/15
    ジャーナル フリー

    急性縦隔炎の多くは,口腔・咽頭感染に起因する降下性壊死性縦隔炎である.癌に関連する急性縦隔炎は,食道癌の穿通によるものや,超音波ガイド下経気管支針生検によるものなどが報告されているが,癌の転移リンパ節の壊死により縦隔炎をきたすことは稀である.今回,直腸癌の縦隔リンパ節転移が壊死したことにより急性壊死性縦隔炎を発症し,ドレナージを行った1例を経験した.胸部外科領域における稀なOncologic Emergencyと考えられる.原因不明の急性縦隔炎では全身検索と十分な病歴聴取が重要と考えられた.

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