日本呼吸器外科学会雑誌
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9 巻 , 7 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 小間 勝, 明石 章則, 大橋 秀一, 余田 洋右, 神野 浩樹, 鄭 一秀, 笹岡 英明, 西野 雅行, 坂巻 靖, 桂 敏明, 吉田 正 ...
    1995 年 9 巻 7 号 p. 808-812
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    当院で取り扱った全自然気胸症例221例の内, 初発気胸症例112例を研究対象とした.非胸腔鏡下治療 (内科的治療) は61例 (54%) で, その内訳は無治療群が6例 (5%), 穿刺吸引群が12例 (11%), 胸腔ドレナージ群が43例 (38%) であった.胸腔鏡下治療は51例 (46%) で内科的治療後に胸腔鏡下手術が施行された症例 (内科+胸腔鏡治療群) が23例, インフォームド・コンセントの手続きを経て胸腔鏡下手術を施行した症例 (胸腔鏡治療群) が28例であった.胸腔鏡治療群は胸腔ドレナージ挿入期間と入院期間で, 内科的治療症例や内科+胸腔鏡治療群と比べて短かった (P<0.001).再発例は, 胸腔鏡治療群が28例中0例 (0%) と再発例が無く, 内科的治療症例と比べて有意差があった (P<0.001).胸腔鏡下手術の合併症は無かった.手術創が小さく, 創部痛が極めて少ないことが特徴である胸腔鏡下治療は, 初発気胸症例に対して確実で有効な治療法である.
  • 松添 大助, 岩崎 昭憲, 永松 和恵, 吉永 康照, 久米 徹, 川原 克信, 白日 高歩
    1995 年 9 巻 7 号 p. 813-817
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    胸腔鏡下手術の普及により, 両側気胸の治療法や手術適応も大きく変遷しつつあると考えられる.当教室で経験した両側気胸についてその臨床所見や治療内容を検討し, 治療方針について考察を加えた.両側同時性気胸は12例で, 発症年代別の差は認められなかった.両側とも初発である例が過半数を占めたが, 全例とも発症後比較的早期に受診しており, 重篤な症状は認められなかった.治療は, 両側一期的胸腔鏡下手術を原則としている.一方, 両側異時性気胸は42例で, 全気胸症例の中で年令別に占める割合では10歳台に最も多く認められた.しかし, 片側手術後に対側へ気胸が初発するまでの期間は最短5日から最長8年で, 年齢による差は認められなかった。治療は, 対側にも気胸の既往が認められる場合には両側一期的胸腔鏡下手術を行っている.しかし, 気胸歴がない場合の対側の予防的手術は行わず, 将来発症した場合に実施することを原則としている.
  • 松永 幸宏
    1995 年 9 巻 7 号 p. 818-824
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    空冷肺保存法を考案し, 浸漬保存法と比較検討した.雑種成犬で血液を含む細胞外液組成液で前潅流後12時間保存し同種左肺移植を行った.実験群は, 1群 (n=10) とII群 (n=4) では共に high frequency oscillation (HFO) を併用して胸膜外からの空冷保存を行い, III群 (n=5) とIV群 (n=4) では冷却生理食塩水内での浸漬保存を行った.更にII群とIV群では前潅流に先行してprostaglandinI2 (PGI2) を全身投与した.移植肺機能は3日間生存犬の右肺動脈閉塞試験で評価した.1群では8頭が3日間生存し6頭の機能評価ができた.II群は全例生存し機能評価が可能で移植肺機能は良好であった.III群は全例2日以内に死亡, IV群は3頭が3日間生存したが機能評価に耐えなかった.前潅流に血液を含む細胞外液組成液を使用した12時間浸漬保存は限界があり, 空冷保存では可能であった.前潅流に先行したPGI2投与により更に成績が向上した.本法ではHFOとPGI2が有効に作用していると考えられた.
  • 谷田 達男, 田畑 俊治, 野田 雅史, 星川 康, 植田 信策, 渋谷 丈太郎, 前田 寿美子, 千田 雅之, 鈴木 聡, 芦野 有悟, ...
    1995 年 9 巻 7 号 p. 825-829
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    1983年から1992年までの自験の高齢者 (75歳以上, 84例) の肺癌患者の肺機能値, PSの変化, 術後合併症を若年者 (60歳から74歳, 80例) のそれと比較検討した.高齢者群の術前肺機能値は若年者群よりも高度の閉塞性肺疾患 (慢性肺気腫等) の存在を示した.術後は両群に同程度に拘束性の肺障害を来たした.高齢者群の術後合併症では, 肺炎, 喀痰喀出困難, 無気肺, 不整脈, 低酸素血症が多くみられた.術後のPSは若年者群に比して高齢者群で有意に増悪した.高齢者の肺癌症例では潜在的な心肺機能の低下が認められた.高齢者の手術に際しては周術期の管理に細心の注意を払うことが重要である.
  • 塚田 久嗣, 宮元 秀昭, 原田 龍一, 浜田 哲郎, 坂尾 幸則, 羽田 圓城
    1995 年 9 巻 7 号 p. 830-836
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は70歳男性.アスベストの暴露歴はない.1993年9月, 定期検診の胸部X線写真にて右上肺野に孤立性石灰化像を指摘されるも陳旧性肺結核像として経過観察となる.しかし, 1994年7月の定期検診の胸部X線写真では右肺野全体に多発性の石灰化像が認められ, 精査加療目的で入院となる.胸部CTでは胸膜に多発性の石灰化腫瘤と少量の胸水貯留を認めた.骨シンチグラフィでは石灰化像に一致して集積像を認めた.全身検索の結果, 転移性腫瘍, 胸壁腫瘍も否定的であった.胸腔鏡下生検を施行, 組織学的には炎症や骨・軟骨肉腫像とは明らかに異なり, 紡錘型の細胞が骨形成を伴いながら高密度に増殖していた.以上より, 胸膜腫瘍, 特にびまん性胸膜中皮腫を疑い手術を施行した.手術は右拡大胸膜肺全摘・縦隔リンパ節郭清 (R2b) ・有茎広背筋弁による心嚢・横隔膜再建術を施行した.術後病理診断は, 著明な骨化を伴った二相型のびまん性悪性胸膜中皮腫であった.
  • 吉田 和夫, 矢満田 健, 青木 孝學, 金子 和彦, 宮澤 正久, 羽生田 正行
    1995 年 9 巻 7 号 p. 837-841
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    Multiple Endocrine Neoplasm (MEN) -type Iを合併した胸腺カルチノイドの1症例を報告する.症例は, 60歳男性, インスリノーマおよび上皮小体過形成の診断にて手術を施行されていた.これらの疾患の経過観察中に前縦隔腫瘍が指摘され, 胸腺カルチノイドにて胸腺全摘術が施行された.1988年, 下垂体腫瘍切除が施行された後, 1990年, 胸腔内に, 胸腺カルチノイドの局所再発と思われる腫瘍が出現したが, 根治手術は不能であった.再発腫瘍の病理診断は, 胸腺カルチノイドであった.患者は1993年7月15日心不全にて死亡した.本症例は, 胸腺全摘術後の再発であることから, 胸腺カルチノイドに対する術式は, 胸腺全摘術に加え, リンパ節郭清を施行する必要があると思われた.
  • 住友 伸一, 美崎 幸平, 竹中 一正, 加藤 幹夫
    1995 年 9 巻 7 号 p. 842-848
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    著明なfoamy macrophage浸潤を示した肺のinHammatory pseudotumorの手術症例を経験した.症例は33歳の男性.前胸部痛が出現し近医にて右上肺野の腫瘤状陰影を発見され当科に紹介入院した.術前検査で確定診断が得られず, 右上葉切除術を施行しinflammatory pseudotumorと診断された.腫瘍は4×4×3cm大, 黄色調で非常に軟らかく境界明瞭であった.組織学的には腫瘍の中心部分に著明なfoamy macrophageの浸潤を, 周辺部分にはPlasmace11の浸潤を認めた.Foarny macrophageの寿命は短いことから本症例はinHamrnatory pseudotumorの初期像を示す1例と考えられた.
  • 萱野 公一, 北村 泰博, 竹尾 正彦, 森末 真八, 山本 満雄, 水野 裕, 目黒 文朗
    1995 年 9 巻 7 号 p. 849-853
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は42歳の男性, 主訴は血痰, 1992年3月に喀血あり胸部異常陰影を指摘されていたが放置していた.1994年6月頃より血痰があり外科紹介となった.胸部X線写真で右中肺野に透過性の充進した嚢胞様病変を認めた.先天性嚢胞性腺腫様奇形type1の疑いで胸腔鏡下右中葉切除術を施行した.嚢胞は最大径8cmで中葉に限局し, 周囲には軽度の癒着を認めた.葉間より脈管系をA5から順次処理していき気管支はENDOGIA30を用いて縫合切離した.術後経過は良好であった.病理組織診では肺実質内に大小の嚢胞を認め, 嚢胞壁の大部分は多列線毛上皮で上皮下には平滑筋が存在したが, 軟骨を欠いていた.悪性像を認めず, CCAMtype1と診断した.
  • 田久保 康隆, 藤永 卓司, 陳 和夫, 横見瀬 裕保, 和田 洋巳, 人見 滋樹
    1995 年 9 巻 7 号 p. 854-859
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    検診時腫瘤影にて発見された肺分画症の一例を報告する.症例は65歳女性で, 検診にて胸部異常陰影を指摘された.CTにて流入動脈を示唆する血管影を伴う, 嚢胞状の腫瘤影を認め, 肺分画症と診断した.術中, 胸部大動脈より左S10に流入する直径8rnmの異常動脈を認め, これを処理し, 左S10区域切除を施行した.分画肺は正常肺と胸膜の隔壁を持たず, 肺葉内型であり, 粘液で満たされた単嚢胞であった.
  • 久米 徹, 草野 卓雄, 川原 克信, 白日 高歩
    1995 年 9 巻 7 号 p. 860-864
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は65歳, 男性, 仕事中砕石が頚部に侵入したため異物摘出目的で来院した.発声時に嘆声を認め, 頚部に血管雑音を聴取した.超音波検査, 血管造影検査で左内頚静脈内異物と左総頚動脈-左内頚静脈瘻を疑い, 全身麻酔下に異物摘出術と瘻孔閉鎖術を施行した.血管内異物は時として致命的な合併症を起こす可能性があり, 原則として非観血的摘出術が望ましいが, それが困難な場合は早期に観血的摘出術に踏み切る必要があると思われた.
  • 黒谷 栄昭, 乾 健二, 福瀬 達郎, 横見瀬 裕保, 池 修, 水野 浩, 和田 洋巳, 人見 滋樹
    1995 年 9 巻 7 号 p. 865-869
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は21歳女性.1992年に左卵巣嚢腫の手術を行ったところ未熟奇形腫の診断を得た.1994年に体動時呼吸困難のため胸部X線撮影を施行したところ右胸部腫瘤様陰影と右胸水を認めた.胸水細胞診は陰性であったが血中AFPが高値であった.そのため未熟奇形腫の肺転移を疑い京大産婦人科で化学療法 (VAB-6 : Peplomycin sulfate, Actinomycin-D, Vinblastin, Cyclophosphamide, Cisplatin) を3クール行いAFPが低下した後, 当科で摘出した.腫瘍の大部分は右下葉より発生し一部横隔膜に癒着する形で存在し, もう一つの小腫瘍は前縦隔と中葉の一部に接していた.摘出腫瘍の病理組織学的診断は未熟奇形腫であった.術後経過は良好でAFP等の腫瘍マーカーも正常化した.術後化学療法を行った後, 現在外来通院中である.
  • 岡谷 泰治, 宇高 徹総, 高木 章司, 永廣 格, 三竿 貴彦, 山中 正康, 青江 基, 岡部 和倫, 伊達 洋至, 安藤 陽夫, 清水 ...
    1995 年 9 巻 7 号 p. 870-874
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    成熟型奇形腫は時に隣接臓器に穿孔を来すことが知られており, その発生頻度は36%に及ぶと報告されている.今回我々は, 胸部単純X線写真で急速な腫瘤陰影の拡大を認め, 術後に肺への穿孔が確認された縦隔成熟型奇形腫の一例を経験したので報告する.症例は12歳の女児で1993年5月20日頃より肺炎様症状を認め, 6月12日に突然の前胸部痛, 激しい咳嗽および発熱が出現し近医に入院した.6月17日に当科に入院するまでの5日間に胸部単純X線写真上で腫瘤陰影の明らかな拡大を認めた.精査の結果, 縦隔奇形腫と診断して, 6月21日に腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は前縦隔右側にあり, 右肺上葉の一部と強固に癒着していたため右肺上葉の一部の合併切除を要した.病理組織検査で腫瘍と癒着していた肪内には膿瘍の形成を認め.肺穿孔を伴った成熟型奇形腫と診断された.
  • 谷口 雄司, 田中 宜之, 中村 広繁, 鈴木 喜雅, 石黒 清介, 森 透
    1995 年 9 巻 7 号 p. 875-878
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は60歳, 男性, 胸部異常陰影を主訴に入院し, 胸部CT, 喀疾細胞診にて右S9の扁平上皮癌と診断された.入院時検査にて血清Ca12.8mg/dl, PTH-rP-C85.5pmol/lと高値を示した.手術は低肺機能のため肺底区区域切除を施行した.腫瘍は69×57×41mmで病理は中分化型扁平上皮癌であった.術後Ca, PTH-rP-Cはすみやかに正常値に復し, 摘出した腫瘍組織よりPHT-rPのmRNAを確認したため, PTH-rP産生肺扁平上皮癌と診断された.術後1年, 再発の徴候なく生存中である.
  • 小山 信二, 杉山 茂樹, 美濃 一博, 池谷 朋彦, 橋本 勇一, 三崎 拓郎, 北川 正信
    1995 年 9 巻 7 号 p. 879-884
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    縦隔奇形腫の肺への穿孔・穿破の早期過程と嚢胞液アミラーゼアイソザイムパターンを示すことができた1例を報告した.症例は47歳女性で左胸部痛が出現し, 前縦隔腫瘍が発見された.嚢胞内容液の蛋白は0.3g/dlと低濃度であったが, アミラーゼは429IU/lと高値で, 少なくとも, その65%は膵型アイソザイムで3種類含んでいた.肺合併切除により腫瘍は完全摘出された.腫瘍は多房性嚢胞が形成され, 成熟型奇形腫の所見を呈し, 一部に膵組織が認められた.また, 穿孔過程に関して, 消化によると考えられる組織融解像が観察され, 肺へも消化液が及んだ形跡が認められ, 肺実質に組織球の集族やリンバ濾胞の形成が認められた.肺への穿孔・穿破した縦隔奇形腫が発症から2ヵ月未満で肺合併切除により完全摘出され, その早期過程が示された.本例は縦隔奇形腫の早期摘出が肝要であることを示す1例である.
  • 鈴木 正雄, 伊勢 一也, 石井 俊一, 藤生 浩一, 森山 厚, 矢内 康一, 管野 隆三, 大石 明雄, 井上 仁, 元木 良一
    1995 年 9 巻 7 号 p. 885-890
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は34歳の女性.29歳時の集団検診にて初めて左胸部異常陰影を指摘され, 横隔膜弛緩症の診断を受けていた.34歳時の子宮筋腫摘出術の際, 横隔膜ヘルニアと診断された.胸部CT, 小腸造影, 注腸造影にてBochdalek孔ヘルニアと確認された.手術は開胸経路にてapproachした.ヘルニア嚢はなく, 胸腔内に小腸, 結腸, 及び大網の脱出と, 左下葉の無気肺を認めた.用手的に脱出臓器を腹腔内に還納した.ヘルニア孔は横隔膜左後側方に位置し6×6cm大であった.ヘルニア孔を直接閉鎖した.今回我々は集団検診にて異常陰影を指摘されるまで, 無症状で経過していた成人Bochdalek 孔ヘルニアを経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 上川 康明, 井上 文之, 猶本 良夫, 岡林 孝弘, 羽井佐 実, 日伝 晶夫, 田中 紀章, 折田 薫三
    1995 年 9 巻 7 号 p. 891-896
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    患者は68歳, 男性.他院で肺癌に対し肺切除および縦隔への術中照射20Gyを施行されたが, 術後約3ヵ月で放射線食道潰瘍を発症.潰瘍は7ヵ月後には食道気管支瘻に発展し, 肺炎を併発したため, 手術から9ヵ月後に当科に紹介された.保存的治療を行うも諸症状は増悪したため手術を施行した.病変部近傍の食道は剥離が困難なため, 粘膜のみ切除した.潰瘍より下方の食道筋層を有茎筋弁として利用し, 瘻孔部に縫合してこれを閉鎖した.食道再建は二期的に行った.食道を温存できない状況での食道気管支瘻の処理には, 食道筋層を有茎筋弁として用いるのが有効である.縦隔に対する術中照射を行う場合, 20Gyの線量でも個体によっては高度の食道障害を生じる危険性があることを考慮して, 照射方法を設定する必要がある.
  • 日吉 晴久, 山本 豊, 中村 治彦, 熊坂 英雄, 奥仲 哲弥, 小中 千守, 加藤 治文
    1995 年 9 巻 7 号 p. 897-901
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は43歳の男性.血痰を主訴とし, 気管支鏡検査で左上区支に腫瘍を認め, 生検より肺扁平上皮癌と診断された.腫瘍は左上区支が原発であるが左主気管支~左底幹気管支まで広範囲に表層浸潤していた.従来の術式では左肺摘除術の適応であったが, 術後のQuality of lifeを考えて縮小手術を目的に術前補助療法として腫瘍浸潤部位に対し光線力学的治療を施行した.その結果, 腫瘍ならびに腫瘍浸潤範囲の縮小を認め, 左上葉切除を行った.術後経過は順調で, 術後10ヵ月現在再発の徴候はない.以上, 本症例においては術前補助療法としてのPDTが進行肺癌の治療に貢献する可能性があることが示された.
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