日本呼吸器外科学会雑誌
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9 巻 , 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 坪田 紀明, 吉村 雅裕, 室谷 陽裕, 宮本 良文, 的場 保巳
    1995 年 9 巻 2 号 p. 122-128
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    リンパ節郭清の実態を解明する為に1986年より以下の3項目について検討してきた.対象は原発性肺癌596連続手術例中の縦隔郭清を行った477例である. (1) N2152例を縦隔郭清標本の術中肉眼判定により, 1 : 偽陰性29例, 2 : 正診52例, 3 : 郭清するまでもなく明白なN271例の3群に分類した.N1, 0と判明した325例68%における縦隔郭清の意義は病期の同定に止まった.N2152例中の81症例 (1+2,477例の17%) は郭清が予後向上に関わらなかった325例の代償である. (2) 肺内, 肺門, 分岐部の各リンパ節を跳ばした上縦隔へのスキップ転移は28例で径8cmの肺胞上皮癌例を除き下葉発生はなかった. (3) 上葉切除N2例の19%に分岐部リンパ節転移を認めたが当該症例の他因子は進行していた.結語;分岐部と葉間のリンパ節に転移のない下葉発生例では縦隔郭清の価値は極めて低い.上葉発生例では分岐部以外の手術所見から#7郭清の必要症例を術中に選択する事が出来る.リンパ節転移の予測困難例, 肉眼判定困難例は腺癌が, 圧倒的に多い.
  • 泉 啓一, 阿保 七三郎, 北村 道彦, 橋本 正治, 木村 愛彦
    1995 年 9 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    1976年から1993年までの間に当科で手術施行した肺アスペルギルス症3例において, 診断と治療, 術後合併症につき検討した.菌球型が2例, 限局型ではあるが肺炎様浸潤影を伴った例が1例である, 菌球型1例のみ菌糸を証明できず術前確診がつかなかったものの, その術前胸部X線上air meniscussignが明らかであることから画像診断上肺アスペルギルス症が最も考えられた.菌球型2例では, 術後合併症もなく経過良好であった.もう1例は術後気管支胸膜瘻を発生し保存的治療で軽快したが19ヵ月後アスペルギルス症の再発をきたした.また, 菌球型の場合, 組織学的検討の結果, 肺機能が許せば区域切除よりも葉切除の方が根治性を考えると合理的術式と考えられた.
  • 明石 章則, 中原 数也, 大野 喜代志, 藤井 義敬, 前田 元, 松村 晃秀, 中川 勝裕, 南 正人, 松田 暉
    1995 年 9 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    45年間に外科的切除の目的で取り扱った小児縦隔腫瘍108例を検討した.年齢分布は神経性腫瘍で良性腫瘍34例中4歳以上が31例 (91%) を占め, 悪性腫瘍では3歳以下が14例中12例 (86%) を占めた.切除成績と予後は良性腫瘍73例中von Recklinghousen病の1例を除いた72例 (99%) に完全切除ができ再発無く生存している.悪性腫瘍は, 神経芽腫11例のうちマススクリーニングにより発見された完全切除例2例 (18%) とリンパ節転移がない不完全切除例2例 (18%) の計4例, そして神経節芽腫3例が化学療法と放射線療法の追加で最長22年間生存している.浸潤型胸腺腫3例中完全切除例1例とカルチノイド1例は最長15年間生存している.悪性リンパ腫は縦隔内リンパ節領域に限局したStage Iの2例 (14%) のみが9年以上生存している.悪性リンパ腫を除いた小児縦隔腫瘍の治療法は, 外科的切除を中心に化学療法や放射線療法を追加することが有効である.
  • 内田 達男, 中川路 桂
    1995 年 9 巻 2 号 p. 140-145
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は73歳の男性で, 両下肢の浮腫, 両膝関節痛, 発熱と咳嗽のため近医を受診し, 右下葉の異常影を指摘された.指趾はバチ状に腫大し, 爪は白濁・肥厚し白癬菌が検出された.気管支鏡検査で右下幹を閉塞する大細胞癌であった.骨シンチでは長管骨に線状の異常集積を, 大腿骨X線では骨膜肥厚を認めたため肥大性肺性骨関節症と診断した.血中ホルモン検査では FSHが軽度上昇していたが, LH, PTH, エストロゲン, カルシトニンは正常範囲内であった.手術は右下葉切除術を行ったが, 術後1週間で下肢の浮腫は消退し, 関節痛も著しく軽減した.爪白癬は術後より無治療で改善し始め, 5ヵ月後には完全に治癒した.肺癌に伴う肥大性肺性骨関節症の本邦報告例は66例であるが, 術後に爪白癬の改善した報告例はなく, 興味が持たれたため報告した.
  • 迎山 恭臣, 橘 秀夫, 川平 敏博, 山岸 洋之
    1995 年 9 巻 2 号 p. 146-152
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は54歳, 男性.主訴は発熱.胸部 X-P上, 左肺尖部に無気肺影を認め, 白血球数>20,000/μl, 血沈 (1hr) >100mm, CRP>10mg/dlと炎症所見が持続した.肺炎・肺膿瘍を疑い抗生物質, 抗真菌剤, 抗結核剤を投与するも効なく, 擦過細胞診, CT下針生検を施行したが, 悪性細胞は認められなかった.診断目的で, 入院後54日目に手術を施行した.腫瘍は胸膜頂部へ広範に浸潤しており根治術不能で襖状切除に終わった.組織学的には低分化型腺癌であった.術前 G-CSF値は115pg/ml (正常<30) と高値で, 腫瘍細胞の細胞質は抗 G-CSFマウス血清を用いた免疫組織染色で陽性を示し, G-CSF産生肺癌と診断された.左副腎転移, Pancoast症候群をきたし, 術後1年で死亡した.本症例では, 経過中, 白血球数と ALPの推移が比較的相関した.
  • 赤松 秀樹, 寺島 雅範, 小池 輝明, 滝沢 恒世
    1995 年 9 巻 2 号 p. 153-158
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 男性. 右S6原発の径6cm大の扁平上皮癌が, 内視鏡的にB6より突出して下葉枝をほぼ閉塞し, 中枢側は中間気管支幹におよんでいた.術中所見で中葉の容積は上葉と同じ位に大きく, 右下葉スリーブ切除にて中間気管支幹と中葉枝を吻合し中葉を温存した.術後内視鏡的観察で吻合部の開存は良好であった.呼吸機能は, 術前の肺活量1.83l/m2 (%肺活量91.7%), 1秒量1.31l/m2であったが, 術後は肺活量・1秒量ともに13%の減少であり, 機能低下は軽度であった.
  • 岩淵 悟, 岡部 健, 小池 加保児
    1995 年 9 巻 2 号 p. 159-163
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    68歳, 男性. 左肺S6からS10に原発した腺癌に対し, 根治的下葉切除術 (R2a) を施行した.肺動脈舌区下枝 (A5) 及び前底区枝 (A8) は共通幹を形成し, 独立して左肺動脈主幹から分岐し, 気管支上幹の前方を走行していた.発生学上, 区域肺動脈の異形や先天性異常である左動脈上気管支などに関わる興味ある症例と考えられた.
  • 宮澤 正久, 小林 理, 矢満田 健, 青木 孝學, 金子 和彦, 吉田 和夫, 羽生田 正行
    1995 年 9 巻 2 号 p. 164-170
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    術前, 経過中に急速な増大を認めた肺原発悪性線維性組織球腫 (以下MFH) の1例を経験したので報告する.症例は40歳女性.左背部痛, 血性胸水を主訴に来院した.術前の画像診断では胸部CTおよびMRIにて左肺門から左下葉にかけて腫瘤が認められた.気管支鏡検査では内腔に異常所見は認められず, 組織学的確定診断は得られなかった.また, 全身検索でその他の異常所見は認められなかった.このため肺原発の間葉系悪性腫瘍を疑い手術を施行したところ, 病理組織学的にはHE染色にてstoriform patternを呈し, 免疫組織化学検査にて組織球マーカーによる染色が陽性でありMFHと診断された.術後化学療法を施行, 現在10ヵ月経過しているが無再発生存中である.
  • 浅岡 峰雄
    1995 年 9 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    患者は68歳, 女性.1993年11月, 直腸癌のため直腸低位前方切除術を受けた.術後右内頚静脈経由で中心静脈栄養を約2週間行ったが, 血栓性静脈炎を合併した.一時的に顔面及び両側上肢の浮腫を認めたが自然消退したため退院した.外来通院中胸水の貯留を認め, 穿刺排液で乳糜胸と判明した.その後繰り返し排液や絶食療法などを試みたが治癒傾向がみられなかったため, 胸腔鏡下に胸管をクリッピコグした.術後乳糜の貯留は停止した.
  • 北 雄介, 近藤 大造
    1995 年 9 巻 2 号 p. 176-180
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    全身各部位に, 原発巣と思われる病変を認めない, 単発縦隔リンパ節腺癌の一例を経験した.症例は61歳, 男性.主訴は発熱。右中下葉内リンパ節, 上縦隔リンパ節, 左肺門リンパ節腫脹を認めたものの, 全身他部位の異常を認めず, 右傍気管~気管前リンパ節が特に大きく8cm大のため診断を兼ねて手術を施行.術中腺癌の診断を得, 右肺中葉, あるいは下葉原発T0N3bM0の肺癌と判断し, 右中下葉切除, R3bを施行.病理診断では他のリンパ節は全てサルコイドーシスで, 肺内に悪性所見を認めず.癌細胞所見より腎癌の転移が疑われたが, 腎には異常を認めなかった.現在術後14ヵ月, 腫瘍マーカーは正常値に復し, 担癌徴候は無い.若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 本橋 新一郎, 山口 豊, 武田 恒弘, 青柳 壽幸, 大塚 隆弘, 横須 賀忠, 高橋 好行, 柴 光年, 馬場 雅行, 廣島 健三
    1995 年 9 巻 2 号 p. 181-186
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    左上葉転位亜区域気管支より発生した肺扁平上皮癌の一切除例につき報告する.症例は52歳の女性.血疾を主訴に近医を受診し, 胸部X線写真上, 左上肺野に腫瘤影を指摘された.気管支鏡検査で左B1+2aが左主気管支より分岐する転位気管支を認めた.腫瘍は異常気管支領域に存在し, 生検で扁平上皮癌と診断された.また胸部CTにて左肺尖部に著明な気管支拡張所見が認められた。臨床病期c-T2N2M0, StageIIIAと診断し, 左肺全摘除術を施行した.切除標本の病理学的検索では腫瘍は中分化型扁平上皮癌と診断され, また腫瘍より末梢の肺尖部の多数の拡張した気管支の上皮に癌細胞の浸潤を認め, さらに切除肺葉内転移も認められ, 術後病理病期はp-T2NIM1 (pm1), stageIVであった.術後, 10ヵ月現在経過良好にて外来通院中である.
  • 片倉 浩理, 青木 稔, 小林 淳, 呉 俊雄, 高橋 豊, 横見瀬 裕保, 乾 健二, 八木 一之, 水野 浩, 和田 洋巳, 人見 滋樹
    1995 年 9 巻 2 号 p. 187-191
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は15歳, 女性.検診で胸部異常陰影を指摘されたが, 自覚症状は無かった.腫瘍マーカーはCA19-9106U/ml, SLX 46.8U/ml と上昇していた.確定診断は得られなかったが, 悪性疾患を否定できないため開胸術に踏み切った.腫瘍は左 S6 に15×17×17mm, 黄白色, 球形, 弾性硬であった.周囲の肺組織を含めて部分切除を試みたが, 術中操作中に核出された.病理組織学検査で Plasma cell granulomaであった.術後経過良好で外来にて経過観察中で, 術後4ヵ月の CA 19-9 は61 U/ml, SLX は4 8.9 U/ml であり, 再発の兆候は認めていない.
  • 田川 努, 伊藤 重彦, 新海 清人, 岡田 代吉, 西田 卓弘, 小林 誠博, 山口 慎也, 田村 和貴, 生田 安司, 大江 久圀, 辻 ...
    1995 年 9 巻 2 号 p. 192-198
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    横隔膜原発腫瘍は, まれな疾患である.我々は, CA19-9が嚢腫内容液, 末梢血液ともに高値を呈した横隔膜中皮嚢腫を経験したので報告する.症例は72歳男性で, 平成3年2月より右側腹部痛を訴えるようになった.CTにて右上腹部の cysticmass を認め経過観察していたが, 径の増大を認め精査入院となった.入院時現症, 末梢血液像, 一般生化学, 尿所見に異常はなかった.末梢血液中の腫瘍マーカ一はCA19-92.800 U/ml, SPAN-1645 U/ml, CA-50619 U/mlと 高値を呈した.腹部超音波像, CT像, MRI像にて, 右側前外側胸壁に接し, 横隔膜より尾側で胸腔外, 肝外に10×8cm大のcysticmassを認めた.腹腔鏡にて横隔膜由来の嚢腫と確診し, 開胸切除した.嚢腫内容液もCA19-92,800,000U/ml, SPAN-1703,000 U/ml, CA-50735,000 U/ml と高値を呈し, 術後末梢血液値は正常化した.病理診断は中皮由来の嚢腫で;嚢腫の被覆上皮はCA19-9染色に陽性であった.
  • 酒井 聡, 久保 清景, 荒川 博徳, 不破 誠行, 松本 興治, 広瀬 一
    1995 年 9 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は67歳, 男性.健康診断で胸部X線上の異常陰影を指摘され, 精査治療目的で当科入院となった.胸部X線上, 右上葉S2に40×35mmの辺縁不整で胸膜陥入像を伴う腫瘤陰影を認めた.また, 腹部に手挙大の拍動性腫瘤を認め, 腹部CT検査では, 最大径が69×58mmの腹部大動脈瘤を認めた.術前気管支鏡検査は腹部大動脈瘤の破裂の危険性があるため施行しなかったが, 画像診断からは肺癌を強く疑った.両疾患に対する治療として二期的手術では, 肺癌の進行が危惧されることや待機中に動脈瘤破裂の危険性があること, および術前心肺機能などからは一期的手術に耐え得ると判断し, 一期的手術を行うこととした.手術はまず仰臥位, 腹部正中切開にて開腹し, 人工血管置換術を施行した.続いて, 体位を左側臥位とし, 肺腫瘤の針生検を施行, 術中迅速病理検査では腺癌であり, 右上葉切除を行った.術後経過は良好で, 術後27日目に退院となった.
  • 鈴木 実, 木村 秀樹, 岩井 直路, 吉田 成利, 山口 豊
    1995 年 9 巻 2 号 p. 205-211
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    浸潤型胸腺腫切除術後3ヵ月で重症筋無力症および赤芽球癆を発症した症例を経験した.症例は44歳女性で左横隔膜上の腫瘤を発見され入院.術前, 重症筋無力症や貧血は認めなかった.手術所見では, 胸腺左葉より発生する原発巣は左肺上葉に癒着し, 主に壁側胸膜に5~10mの多数の播種巣が存在し, また横隔膜上にも手挙大の転移巣を認めた.腫瘍は横隔膜から剥離困難であり, 腫瘍および横隔膜合併切除, 拡大胸腺摘除術を施行した.病理学的には小リンパ球主体の組織像で病理病期はIVa期であった.術後再発予防のため胸腔内留置カテーテルより抗癌剤 (MMC, CDDP) の間敏投与を行っていたが, 術後約3ヵ月目に複視・易疲労感が出現し, 精査の結果, 重症筋無力症および赤芽球癆の診断を得た.抗コリソエステラーゼ剤とステロイドおよび輸血療法で, 両者の著明改善をみた.現在ステロイド得与のみで外来経過観察中であるが.腫瘍の再弊・筋無力症・貧血の症状を認めていない.
  • 藤原 清宏, 清本 徹馬, 澤井 勉, 中野 昇
    1995 年 9 巻 2 号 p. 212-217
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は58歳の男性で, 32年前に右胸郭成形術を受けている.1994年1月に咳嗽, 膿性痰, 発熱を主訴として, 当院に受診した.胸部X線像上, 右有瘻性慢性膿胸と診断された.一期的根治手術として有茎性大網充填術を行い, 死腔閉鎖のため, 可及的に肋骨後方の骨膜下切除を行った.死腔は遺残したが, 術後6ヵ月経過した現在でも, 瘻症状, 感染症状はなく, 経過良好である.
  • 近藤 丘, 大浦 裕之, 斉藤 亮, 大谷 嘉己, 桜田 晃, 松村 輔二, 広瀬 正秀, 堀越 章, 杉田 真, 佐渡 哲, 藤村 重文
    1995 年 9 巻 2 号 p. 218-222
    発行日: 1995/03/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    胸腔内あるいは縦隔内甲状腺腫は甲状腺下極から上前縦隔内に進展した腫瘍としてよく知られている.今回著者らが経験した症例は, 術前の画像所見と経気管吸引細胞診から, 縦隔内に進展した悪性の甲状腺腫と診断されたものである.しかし, 手術所見から腫瘍は甲状腺右葉内に存在する甲状腺癌であることが判明した.腫瘍は気管軟骨に浸潤しており第1から第4までの4軟骨輪の合併切除が必要であった.腫瘍が上縦隔に存在したのは, 頚部の短い体型のために甲状腺組織がもともと胸骨後方に位置したことが原因であることが推察され, 体型を考慮した甲状腺の位置診断が重要であることが示唆された.また, 縦隔内甲状腺腫は良性であることが多いことから, 切除術式を選択するうえでも術前の慎重な診断が必要であることが痛感された.
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