複言語主義の観点からカリキュラムを考えるとき、言語教育は「個別の言語」の授業の内部で、他と切り離されて行われるのではなく、またカリキュラムの中に複数の言語を取り入れさえすればよいものではなく、全体的な言語教育の中で、言語知識や言語技能、また学習能力を伸ばすという観点から考慮される必要がある(Council of Europe, 2001: 169)。このためには外国語教育は科目内にとどまらず、国語教育や、さらには他の「言語科目以外の」科目との連続性を意識しながら行うことが推奨される。本稿では、日本の公立小学校で現在行われている「食育」と、外国語教育との協働プロジェクトについて報告し、これが複言語・異文化間教育の観点から見て、どのような意義を持つかを論じるとともに、教員養成への示唆を行う。
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