人文学の諸課題に対してデジタル技術を適用し,新たな知見を得ることを目指す学際分野であるデジタル人文学にとって,近年急速に普及する生成AIは,情報処理やプログラミングのスキルを無用のものにしかねないという懸念の一方で,従来は相当の人手を要していた作業の自動化や大規模化に道を開くなど,現時点でその功罪を一概に評価することは困難である.
このような状況の中で,生成AIをはじめとするデジタル技術に関する教育を行うにあたっては,個別の技術の動作原理を理解するだけでなく,それらを設計・開発する人々の価値観や,社会的あるいは技術的な前提条件・制約を学ぶことが有効であると考えられる.
本報告では,東京大学で提供しているデジタル人文学の領域横断型教育プログラムにおける授業の内容を紹介するとともに,技術のよき作り手・使い手を育てるためのデジタルリテラシーのあり方について議論を行う.
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