要旨:沖合海域を最大限活用し、積極的な水産資源の回復・増大を図るため、我が国排他的経済水域を対象に国自らが漁場整備を実施する「直轄漁場整備事業」が創設され、長崎県の沖合の日本国排他的経済水域に、石材(1t内外/個程度の割石)16,900m3を投入し、湧昇マウンド礁を造成する工事が水産庁より発注された。
その工事海域は、石材の積み出し港から約40㎞離れ、しかも、水深は約150mと大水深であり、気象海象も厳しい環境である。そのような環境の中においても、バージを目標位置に短時間で誘導・保持しながら、所定の位置に石材を投入することができた。また、投入位置とバージの入船方向をシミュレーションにより決定し、その結果を使って施工することにより、想定通りの円錐状の山を築くことができた。これらの技術は、今後、湧昇マウンド礁を完成形として仕上げてゆく際に有効であると考えている。
本報告はその概要を紹介したものである。
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