沿岸域学会誌
Online ISSN : 2436-9837
Print ISSN : 1349-6123
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論文
  • 菅原 遼, 鈴木 穣一
    2025 年38 巻3 号 p. 19-28
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,復興事業から約25年が経過した北海道奥尻町青苗地区を対象に,アンケート調査を通じて地域住民の住環境評価の実態を捉えた。その結果,居住地域に対する総合満足度は高く,特に被災を経験した旧住民及び高齢者は水害対策の満足度が高い傾向がみられた一方,日常生活の利便性や住空間の快適性等への満足度は新・旧住民及び世代別に応じて満足度に差異が生じていた。また,震災前から青苗地区内に居住していた地域住民は,震災前後の住環境を比較した場合に水害対策への満足度は増加した一方,日常生活の利便性や地域住民間の交流への満足度は減少していた。さらに,ハザードマップ及び避難経路の認識や防災訓練の参加度合い,日常的な災害への備えは新・旧住民及び世代によって差異が生じており,自助的な防災意識の希薄化がうかがえた。

  • 森田 健太郎, 菅原 遼
    2025 年38 巻3 号 p. 29-36
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル 認証あり

    近年,港湾をまちづくりの拠点として再整備するみなとまちづくりが進められてきた。一方で港湾の鉄道廃線跡は1980年代以降に鉄道廃線跡が増加し,港湾と背後地域の連続性確保を妨げてきた。そのため,みなとまちづくりに資する港湾における鉄道廃線跡の活用を検討する必要がある。そこで本研究では,全国の重要港湾以上に指定されている港湾おける鉄道廃線跡の残存状況の実態を調査し,その形状や土地利用の用途転換の実態の把握,立地特性の把握を行った。その結果は次のとおりである。鉄道廃線跡の約6割の港湾において鉄道廃線跡が確認でき,そのすべてで用途転換が行われていた。一方で,都市的利用が行われていた転換は限定的であった。また,遊休地である鉄道廃線跡は,鉄道廃線跡を有していた港湾の全てで確認でき,線的な土地及び,面的な土地の双方において立地特性の面から活用の優先度の高い鉄道廃線跡は一部の港湾で確認できた。

  • 鈴木 達也, 伊集院 和也, 冨森 英樹, 近野 恵, 境 克司
    2025 年38 巻3 号 p. 37-
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/01/23
    ジャーナル 認証あり

    地球規模の社会課題解決に向け,海洋の持続可能な利用が注目されている。我々は,海洋の状態をデジタル化し,施策の立案・事前検証が可能な『海洋デジタルツイン』の実現を目指す。現在,日本海域におけるブルーカーボン施策推進を進めている。この推進にはブルーカーボン評価によるCO2吸収量の定量化が必要となるが,従来は潜水調査で人手と時間を要していた。そこで,我々は水中ドローンで撮影した画像をAIで解析することで,ジャパンブルーエコノミー技術研究組合が定義する海藻・海草の藻場タイプを自動分類する技術の開発に取り組んだ。本技術は,藻場タイプの海藻・海草種ごとに参照画像を1枚用意すれば,藻場タイプの自動分類を1枚当たり約20秒と短時間で可能とする。日本海域5箇所,7つの藻場タイプを対象とした実証実験では,正解との一致率が目視と同等(0.80)以上の精度を達成した。今後は多様な環境条件下での汎化性能を向上させてブルーカーボン評価に適用し,クレジット認定などの実績へと繋げたい。

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