支援対話研究
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2 巻
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 西垣 悦代
    2014 年 2 巻 p. 4-23
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究はコーチングを主たる職業としている人、およびコーチングを仕事の中で生かしている人を対象に質問紙調査を実施し、日本のコーチの現状を把握することを目的として行った。コーチングの学習歴、資格、所属コーチ団体、コーチングの活動歴、得意分野、コーチのコア・コンピテンシーに対するセルフエフィカシー、心理学の学習経験、などについて選択式回答形式の質問紙を作成し、委託先の社会調査会社のウェブ上で公開した。データを収集は2014年1月より9週間の間行った。  協力を得られた478名中、独立開業のコーチ、コーチング会社経営または社員などコーチングを職業とする人が195名、仕事の中でコーチングを活用していると回答した人が187名あり、これらを「職業コーチ」「職務内コーチ」として比較を行った。結果より、職業コーチと職務内コーチの間には性別や学歴に差がない一方、コーチとしての教育歴、資格保有率、団体加入率、経験年数、活動時間、コーチとしての収入には統計的有意な差があり、いずれも職業コーチが職務内コーチを上回っていた。しかし職業コーチの経験年数は10年未満の人が70%以上を占めており、コーチ資格を持たない人やコーチ団体に所属していない人もいた。世界のコーチングの潮流として、エビデンスに基づく実践が重視される中、日本でもコーチが専門職(プロフェッション)として確立されるために目指すべき方向性が見出された。
  • 大学でのリーダーシップ開発
    大石 加奈子
    2014 年 2 巻 p. 24-35
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    2013年4月から1年間、筆者は、コーチングスキルを活用して、大学で卒業研究の指導を行った。卒業研究を通じて、3名の学生が、21世紀に求められるリーダーシップのコンピテンシーを得られるように育てた。私たちが目指したリーダーシップの5つのコンピテンシーは、ヴィジョンを描く力、感情のマネジメント、自発的に行動できる環境をつくる力、強みを活かした影響力、現状を改革する力である。筆者がリーダーシップを育成するうえで、心がけたことは3つある。1つ目に、教員が模範となること、2つ目に、フィードバックを継続的に行うこと、3つ目に、心から相手の幸せを願って行動することである。コーチングを活用した卒業研究指導により、3名の学生に、肯定的な行動変容が起きた。彼らは、仲間と学ぶことを楽しみ、主体的に研究に取り組み、無理なくリーダーシップのスキルを高めていった。そして、予想以上の質の論文が早期に仕上がるなど、様々な成果を実現することができた。
  • 松島 桂樹
    2014 年 2 巻 p. 36-46
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    インターネットをはじめとする技術革新の進展、大学の経営環境の変化に際して、伝統的な授業の形式の変革が求められている。本論文では、近年、普及しつつあるコーチング手法を教育分野に適用するため、アカデミックコーチングを提唱する。様々な授業実践を事例研究することによって、その役割、意義を考察する。
  • -信頼性・妥当性検討のためのパイロットスタディ-
    秋月 百合, 甲斐 一郎
    2014 年 2 巻 p. 47-60
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、不妊女性が経験するNegative social interactions(NSI)を測定する尺度を、ソース別(夫、実親、夫の両親、友人・その他)に開発するためのパイロットスタディであり、各尺度の信頼性・妥当性を検討することを目的とした。本研究ではNSIの概念を、一方の個人に否定的・非支援的な認知をもたらす他方の個人の言動や態度を含むSocial interactionととらえ、そのような認知を不妊女性に引き起こす他者の言動や態度の内容的側面に焦点を当てて把握することとした。先行研究をもとに作成した夫NSI(夫とのNSI、以下同様)、実親NSI、夫の両親NSI、友人・その他NSIの4つの尺度案を含む質問紙を用い、34名の不妊治療経験者にテストを、うち25名にリテストを実施した。削除基準をもとに各尺度の質問項目の精選を行い、再度因子分析した結果、いずれの尺度も1因子から成り構成概念妥当性があること、α係数は0.89以上で信頼性があることが確認できた。テスト-リテスト相関係数は全質問項目で0.4以上であったが、夫NSI、夫の両親NSI、友人・その他NSIにおいてκ係数が低い質問項目が存在し、安定性の面で疑問が残った。また夫NSI、夫の両親NSIでは内容的妥当性において課題が残った。本研究の限界を踏まえた上で、妥当性および信頼性を確認する調査を今後も継続する必要がある。
  • 「病院選びのポイントアンケート」結果から
    松本 亜樹子
    2014 年 2 巻 p. 61-73
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    筆者が代表を務める不妊当事者によるセルフ・サポート・グループ「NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~」では、不妊治療環境を整えることを目的のひとつとして、さまざまな活動を行なっている。その一環として「治療環境の向上」を目的とした調査を実施したのでここに報告する。医療機関というのは、心身の不具合が生じた場合にその不具合を改善すべく、人が患者となって通う場所である。目的が「不具合の改善」と明確であるため、そこで改善されなければ、同種の別の医療機関を探し、あらたに通いなおすことになる。つまり転院である。では、これが生殖補助医療(以下「不妊治療」と表記)においてはどうか。日本における不妊治療施設(体外受精などの高度生殖補助医療ができる医療機関)数は、586施設であり、世界で最も多い。そのためか不妊治療患者は転院数が多いとも言われている。通院の目的が不具合の改善ならば、不妊治療の目的はすなわち「妊娠」(ひいては出産)であるため、妊娠しなければ転院となるであろうことは想像に難くない。しかし、果たしてそれは事実か。転院の理由はそれだけ、つまり「心身」の「身」だけで、「心」に関する課題はなかったのであろうか。この論文ではこの点を解明すべく、アンケートを通して見えてきた「患者が病院を選ぶポイント」を分析する。
  • ─‏コーチングを主体にして─
    松尾 理
    2014 年 2 巻 p. 74-83
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    医療人にとって、「生涯学習」、「生涯研修」が医学医療の進歩と共に必然的に求められている。そのため絶えず自己研鑽すると共に、医療施設挙げての組織的研修も必要である。医療現場ではチーム医療を効率的に運用することが重要であり、そのため専門性の高い職種が相互に理解しあい、専門職間のコミュニケーションを深め、患者に最善の治療を提供する組織にするため、組織内で他職種横断的な研修が必要である。 今回同一法人内の複数の施設の職員を対象に職種横断的研修を実施した。事前アンケートで選択肢で回答する設問の他に自由記載を求め、その共通する内容から職員個人が抱えている問題点をKJ法的に明らかにした。その結果、コミュニケーションを取り巻く意識、聴く、話す、質問する、承認することなど、コーチングの本質的な共通項目を挙げることが出来た。さらに自由記載から研修のあり方に関して新たな提案がなされ、また医療者の内包する問題も抽出できた。このような組織内での研修は、その結果が他職種横断的に拡散するので、関連施設を通じての治療方針・介護方針等の説明などに一貫性が出るなどして、地域からの評価が上がろう。 このようにコミュニケーション研修をコーチングを主体にしながら講演と演習(ロールプレイ)を組み合わせ、研修前後のアンケートを解析し意識調査を行う研修方法は、研修受講者のみならず当該医療施設にとっても有効な研修手段と考える。
  • ~看護研究から学ぶ~
    原口 佳典
    2014 年 2 巻 p. 84-100
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    近年、看護研究の分野において、コーチングが研究される事例が増えている。しかもそこで活用されている方法は、質的研究と呼ばれる方法である。残念ながら、現在は質・量ともに充実しているとは言えないコーチング研究について、様々な異分野で行われているコーチングの先行研究を紹介しながら、また、質的研究の際に注意すべきポイントを紐解きながら、質的研究という観点から、コーチングの実践者によるコーチング研究の取り組みを増やしていくことを看護研究の態度から学ぶことができるのではないか、ということを本稿では提言する。
  • 堀 正
    2014 年 2 巻 p. 101-108
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は「コーチング心理学を学部生に教える」という英語論文(Steele & Arthur, 2012)の紹介であり、英国の大学生を対象に、その面接記録と内省記録を使って行われた質的研究として貴重なものである。コーチング理論に基づき、それを広く対人関係のなかで活用する「コーチング的かかわり」を人生の早い時期から経験的に学べれば、人は直接的で円滑な対人関係を作り上げる力を今まで以上に育めるようになる。欧米における実証的なコーチング研究が数多く日本に紹介されることで、日本におけるコーチングあるいはコーチング研究がさらに発展する。
  • ―エビデンスベースト・コーチング研究の必要性―
    堀 正
    2014 年 2 巻 p. 109-116
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は“Evidence Based Coaching Handbook”の内容を紹介したものである。『コーチング心理学ハンドブック』は、実践が先行していた日本のコーチング界に「心理学という学問からの理論づけ」を与えたが、コーチングを基礎づけるさまざまな心理学理論の紹介にとどまっており、エビデンスベーストなデータを充分に提示しているとはいいがたかった。また、これに続く専門的な翻訳書も出版されていなかった。こうした状況のなかで筆者が出会った“Evidence Based Coaching Handbook”(Stober and Grant eds., 2006)を、『コーチング心理学ハンドブック』の内容と対比しながら特徴を紹介していく。
  • 堀 正
    2014 年 2 巻 p. 117-122
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は「人間(じんあい)応援学」という新たな概念的枠組みを紹介したものである。この枠組みはコーチング心理学に代わるものではなく、人間のさまざまな営みを日本の文化的な伝統、思想的な流れの中に置き、人同士が作り上げる「じんあい」という空間のなかで行われるダイナミクスから読み解こうとするものである。
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