リメディアル教育研究
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早期公開論文
早期公開論文の4件中1~4を表示しています
  • −学生チューターに関わる事柄を中心に−
    増地 ひとみ
    原稿種別: 実践報告
    論文ID: 2023.10.31.01
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/12/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    筆者の勤務する大学では,2022年4月の組織改編により,ライティング支援施設が独立した組織から学習支援センターの一部となった。それに伴い,ライティング支援施設の運営方針と体制に変化が生じた。その運営方針とは,本学の教育方針の一つである,学生同士の学びあいの促進である。筆者はライティング支援のコーディネーターとして,学生チューターの位置づけや個別支援のあり方を新たな運営方針に合わせて変更,調整してきた。本稿では,本学におけるライティング支援施設の運営体制が,組織改編に伴いどのように変化したのかを報告する。特に学生チューターに関わる変更点に焦点を絞り,7つの事柄にまとめて述べる。7つの事柄とは,「セッション担当者」「チューターの種類」「支援のレベル」「チューターの育成」「運営への参画」「新規採用チューター研修」「相談の受け入れが可能な枠数」である。また,その変化に伴うチューターの反応や動向についても報告する。

  • ― 授業前後の意識の変化と小論文の成績との関係 ―
    見尾 久美恵
    原稿種別: 実践報告
    論文ID: 2023.10.31.02
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/12/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    短期大学看護科の「文章表現」科目の履修者を対象に,授業の意義や教育効果を検証することを目的として,授業前後における自身の成長に関する意識を11項目の観点からアンケートにより調査し,Wilcoxonの符号付順位検定により対応のある検定をおこなった。さらに,2編の小論文の成績を目的変数として,アンケート評価点を説明変数とした重回帰分析とCS分析をおこなった。その結果,学生の意識の変化を定量的に明らかにすることができ,成長実感と教育効果をうかがい知ることができた。重回帰分析の決定係数は低かったが,CS分析を用いて重点改善分野や改善度を求めることにより,今後の授業を改善する際に着目すべきポイントを抽出できることが示された。今後,準備学習の時間や小テストの得点なども分析の対象に加えることで,より詳細な検討をおこなうことも可能となると思われる。

  • 新美 徳康, 梅木 璃子
    原稿種別: 実践報告
    論文ID: 2023.07.18.01
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/08/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    本稿は,自動ライティング評価ツールGrammarlyを援用した英語ライティング指導の探究的実践を報告する。筆者らは,大学の英語ライティング授業において,学生の主体的な学びを改善することを目指して,ピアフィードバックを基盤とした学習のための評価を実践している。2021年度の実践では,学生の主体的な学びと,英語ライティングの内容や構成面は大幅に改善したが,文法的側面の改善は見られなかった。そこで,本実践は,学生自身が主体的に語彙や文法,表記法に修正を施す方策として,Grammarlyを用いた修正活動を既存のカリキュラムに取り入れ,実践を通した学生の英語ライティングの変容について理解を深めることにした。実践の結果,学生の英語ライティングは,これまでのピアフィードバック活動後には内容や構成面が向上し,Grammarlyを用いた修正活動後には,文法や表記法が大幅に向上した。

  • ―抵抗感と学習意義の変容についての分析―
    佐藤 眞理子
    原稿種別: 研究ノート
    論文ID: 2023.07.20.01
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/08/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では「機械翻訳と英語教育の共存」について検討する。学校教育の情報化が進む中,機械翻訳導入が英語学習に与えるインパクトは大きい。学力別三層に分けた大学生166名及び小中高専任教師123名を対象に「機械翻訳に対する抵抗感」「英語学習に対して感じる必要性と意義」について調査し,学力下位層に焦点を当てて分析した。検証の結果,教師は学生に比べ機械翻訳への抵抗感が有意に強く,下位層は最も弱かった。また,機械翻訳が普及した際の英語学習の意義について,上位層の学生は「機械翻訳を利用する土台として重要」,中位層は「学習意義低下」,下位層では「漠然と英語学習は必要」と考える傾向が見られた。機械翻訳は,抵抗感が低く,学習意義を消極的に捉える下位層にとって,英語学習を回避する“逃げ道”になり得ることが示唆された。機械翻訳の教育的効果を検証し下位層へのアプローチを検討することはリメディアル教育の喫緊の課題といえよう。

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