日本糖尿病教育・看護学会誌
Online ISSN : 2432-3713
Print ISSN : 1342-8497
ISSN-L : 1342-8497
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著
  • 雨宮 歩, 中村 伸枝, 中島 由紀子, 仲井 あや, 下屋 聡平
    2020 年 24 巻 2 号 p. 103-109
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    持続皮下インスリン注入療法(CSII)は小児においてもその有効性が認められ,導入する者が増えてきているが,小児のCSIIトラブルの実態は明らかになっていない.そこで,CSII実施中の小児の皮膚症状を観察し皮膚トラブルの実態を明らかにすることを目的とした.ケア方法や症状について,本人及び保護者より聴取し,穿刺部周囲の角質水分量と,サーモグラフィで皮膚温度,エコーで表皮から皮下組織までの厚さを計測した.所属施設の倫理審査委員会の承認を得て実施した.CSII実施中の小児8名を対象に10-11月(平均気温14.4℃,平均湿度74.5%であった時期)に調査を行った.テープかぶれやかゆみが多く観察され,かぶれがある群では角質水分量が有意に低いことが明らかになった(p=0.002).また,高温多湿の時期には硬結や発赤,膿みがあったことが聴取から明らかになった.以上のことより,季節により皮膚トラブルの種類が異なり,ケア方法も変える必要がある可能性が示唆された.

  • -成人学習にもとづいて-
    中原 美穂, 正木 治恵, 河井 伸子
    2020 年 24 巻 2 号 p. 111-119
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    【目的】2型糖尿病と診断され教育入院を受けた患者の教育入院の体験の意味づけを,成人学習の視点から明らかにする.

    【方法】診断後6か月以内の2型糖尿病患者4名に,教育入院中の参加観察と退院後に半構造化インタビューを実施し,分析は質的統合法(KJ法)を用いた.

    【結果】対象の教育入院の体験の意味づけは3つの大タイトルと6つのタイトルで示された.

    【知識・技術の獲得と自分の身体の新たな理解】はタイトル《教育入院体験の体感を通じて身体を理解し今後の生活をイメージする》を含んだ.

    【批判的な振り返りと新たな生活のための探求】はタイトル《教育入院をきっかけに過去の出来事を想起し,得た知識と自分の傾向や状況と照らし合わせて解釈して今後について考える》を含んだ.

    【試しながら能力や自信を構築する修正した準拠枠のもとでの生活】はタイトル《退院後の生活は教育入院生活と同じようにしてもうまくいかないため自分でバランスを見ながら工夫するしかない》を含んだ.

    【考察及び結論】診断後まもない2型糖尿病患者の教育入院の体験の意味づけは,糖尿病患者としての新たな準拠枠が形作られ,それをもとに生活するという学習プロセスを表した.

実践報告
  • ~外来での高齢2型糖尿病患者の肺炎発見から生活に合わせたインスリン治療まで~
    廣瀬 久美
    2020 年 24 巻 2 号 p. 121-125
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    我が国では,高度実践看護師である診療看護師(以下.NPと略す)の裁量権の拡大が期待されている.本研究は,日本の急性期病院に在籍するNPの実践(一事例)を通し,その役割について明らかにすることを目的とした.

    対象は,80歳代の独居の女性,2型糖尿病にてインスリン強化療法中の患者であった.NPは外来で発熱があったことから感染症を疑い,医師に先行し初療を開始した.その結果,肺炎を発見し,抗生剤の開始と病状説明を行い入院とした.入院後,誤嚥性肺炎と考え,早期に嚥下機能評価を実施した.2型糖尿病に対しては,入院前の血糖値から頻回な低血糖があったことを推測し,インスリン内分泌能を評価後,インスリン自己注射の単位と回数を減じた.その後,肺炎は軽快し,嚥下機能は正常であり,血糖値も安定し,第8病日目に退院した.NPは,病態と生活を包括的にとらえる視点を有することで患者を早期退院に導く一助としての役割を果たしていた.

資料
  • ―A県の糖尿病専門医が診療する診療所の看護師への調査―
    松本 智美, 古賀 明美
    2020 年 24 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 2020/09/30
    公開日: 2021/01/26
    ジャーナル フリー

    【目的】診療所の看護師が行う糖尿病腎症重症化予防のための療養支援状況を明らかにすることである.【方法】糖尿病専門医が診療する診療所の看護師を対象に,自記式質問紙調査票を配布し,回収は郵送法とした.【結果】研究対象者91名中77名を分析対象とした.

    糖尿病腎症重症化予防のための療養支援をしている者は54.5%で,『身体的・心理的・社会的理解への関わり』『薬物治療時の支援』は,実施割合が高かった.『食事療法時の支援』『運動療法時の支援』では,8割以上の看護師が聴く姿勢を示すなど食や運動習慣を把握するために欠かせない看護技術を用いて実践していた.一方で,患者自身の生活に合わせた具体的な支援や副作用を回避するための具体的支援,患者がセルフモニタリングできるよう支援する内容について実施率が低かった.【考察】診療所の看護師が行う糖尿病腎症重症化予防のための療養支援内容は,同じ患者に継続して関わることのできるメリットを活かし,糖尿病腎症重症化予防のエビデンスとなる血糖や血圧管理に関連する具体的な療養支援内容について実施率を高める工夫が必要である.

feedback
Top