目的:独居高齢糖尿病患者の食事療法の自己管理の取り組みおよび関連する要因を明らかにし,看護への示唆を得ることとした.
方法:70歳以上で外来通院中の独居糖尿病患者16名を対象に,半構成的面接法でデータ収集し質的に分析した.
結果:独居高齢糖尿病患者の食事療法の自己管理の取り組み程度は,悪い,中程度,良いの3段階に分類された.自己管理と関連して,ソーシャルサポート,孤独感,経済状況,知識,自己管理の必要性の認識,食事作り,負担感,食べる楽しみ,工夫,取り組みの成果の10要因が抽出された.特に自己管理が悪いグループの特徴として,人との交流が希薄な孤独感を抱いている男性が浮かび上がった.
結論:独居高齢糖尿病患者は,ソーシャルサポートを中心とした要因を考慮した自己管理支援,負担感の軽減,食べる楽しみを大切にしQOL 維持・向上を目指した看護支援の重要性が示唆された.特に人との交流が希薄な孤独感を抱く男性は,より留意して支援する必要がある.
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