家族写真が多様な学術研究領域の題材となって久しいが、元来写真資料は時代や世代によって撮影の頻度や目的などにも違いがある。また、被写体判読の難しさや、残存量の違いなどによって、該当資料が当時の家族の様子や家族成員間の交流を明らかにする資料として適切であるか検証することが必要となる。本研究では、一種のDigital Cultural Heritageシステムを用いて、複数の集合写真などから読み取れる家族同志のネットワーク関係を定量化して可視化するとともに、それらが現実の家族関係を実証する資料として有効な資料であるかを検証する方法を提示する。そのことによって、写真資料を用いた人間の共同体内の関係を明らかにしていく、実証的な方法を提示する。