アート・ドキュメンテーション研究
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最新号
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研究論文
  • 三島 大暉
    2022 年 30 巻 p. 3-17
    発行日: 2022/05/31
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

     収蔵品が多くウェブに公開されるようになったが、利用者が目的の収蔵品を容易に見つけ出し、ミュージアムにとっても自館の収蔵品を見つけてもらうためには、既存の収蔵品分類とは別に利用者に向けた収蔵品カテゴリを付与することが望ましい。本稿ではウェブに公開された宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品を事例として、ソーシャルメディアのTwitterを用いた収蔵品カテゴリの抽出可能性を検証し、文化遺産ドメインで有効な収蔵品カテゴリを抽出できることを確認した。また、抽出した収蔵品カテゴリについて情報源であるツイートとの関係で展覧会の影響があること、細分化する方向と別の切り口を提供する方向で既存の収蔵品情報を拡張することを確認した。

  • 藤岡 洋
    2022 年 30 巻 p. 19-42
    発行日: 2022/05/31
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

     資料として記録される動的映像(以下、映像)、とりわけアナログ映像はデジタル化されても学術研究で積極的に活用される機会が極めて少ない。

     本稿は半世紀前に記録された調査記録映像を取り上げ、時に冗長と評価されるその「未編集性」を逆に積極的に評価して、映像分析に基づく映像の再資料化を試みた過程を示す。具体的には、映像内容へのシームレスなアクセスを可能にする方法、映像がトリガーとなってもたらされる新情報の取得方法を提案する。最後にこの分析の可能性を示す例として、未完のまま中断していた関連写真資料の再整理に、この映像分析法が寄与した事案を紹介し、検証する。

事例報告
  • ──デジタル画像のオープンデータ化の意義と今後の展望
    小林 仁
    2022 年 30 巻 p. 43-48
    発行日: 2022/05/31
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

     2021年3月26日に公開された「大阪市立東洋陶磁美術館収蔵品画像オープンデータ」サイトでは、収蔵の国宝・重要文化財を網羅した収蔵品23件の高精細高解像度画像の多言語対応オープンデータ化を実現した。美術館のオープンデータにふさわしい十分な鑑賞に耐える高いクオリティの画像の提供と、収蔵品管理システムやクラウドストレージの連携・活用などにより構築・維持コストを削減した持続可能な運営システムを大きな特徴とする。これにより、海外の美術館で主流となりつつあるオープンデータ化の水準に対応した、公立美術館のオープンデータサイトの一つのモデルとなるものといえる。

  • ──私設博物館寄贈の資料整理作業を事例として
    松崎 博子, 黒瀬 知子
    2022 年 30 巻 p. 49-59
    発行日: 2022/05/31
    公開日: 2023/06/02
    ジャーナル フリー

     就実大学・就実短期大学図書館では、寄贈により受け入れた倉敷考古館旧蔵書の整理作業を進めている。倉敷考古館において蔵書目録は作成されていなかったため、まずは寄贈資料の同定識別作業および重複調査、所蔵調査をおこなった。寄贈資料の大半を占める発掘調査報告書を検索するに当たり、国立国会図書館および国立情報学研究所のデータベースと併せて、奈良文化財研究所のデータベース「全国遺跡報告総覧」が有用であったことを述べる。発掘調査報告書を発行する自治体や教育研究機関、データ登録をおこなう参加機関とは異なる立場から大学図書館における発掘調査報告書整理作業の背景と状況、今後の課題について事例を報告する。

文献紹介
参加報告記
2021年度アート・ドキュメンテーション学会年次大会
2021年度アート・ドキュメンテーション学会 第14回秋季研究集会
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