アジア教育文化ジャーナル
Online ISSN : 2433-7943
ISSN-L : 2433-7943
4 巻
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『アジア教育文化ジャーナル』第4巻
  • カリキュラム・マネジメントの視点から
    金 龍哲
    原稿種別: 招待論文
    2022 年4 巻 p. 1-18
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     本研究は、日本と中国の伝統文化教育における「地域」の位置づけに焦点を当て、カリキュラム・マネジメントの視点からの比較考察を通して、それぞれの特性と課題を明らかにし、今後の伝統文化教育の展開に有益な示唆を得ることを目的とした。本稿は、「再帰的近代化論」とカリキュラム・マネジメント視点を導入することで、伝統文化教育を伝統文化の再解釈、再構築のプロセスとしてとらえて考察し、その特性を明らかにした。中国の伝統文化教育については、①国家的アイデンティティ形成の優先的位置づけ、②文化選択における経典性や代表性の重視、③教育内容の教科性と教材統一化の傾向等をその特徴として指摘した。一方、日本においては地域性重視の特性が、①目標設定における故郷愛や地域愛の涵養、②子どもにとって身近で親しみやすいカリキュラムの開発、③訪問、調査、体験を軸とした教育方法の工夫と設計、④学校の教育課程編成主体としての実行力、⑤教育資源開発に伴う教育内容の充実など、多様で示唆に富む実践を可能にしていることを明らかにした。
  • 小畑 伸一, 杉野 佑
    原稿種別: 原著論文
    2022 年4 巻 p. 19-35
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     本研究は、ICT機器をとり入れた授業(以下、ICT授業活用とする)をさらに促進するため、小学校教員の実態を明らかにすることを目的にしている。質問紙調査の結果、第1に、10年前と比べ「同僚性の存在」が新たな因子として明らかになった。第 2 に、面談と質問紙調査の結果、ICT授業活用に影響を与えている原因と教員の活用頻度の差、その差に影響を与えている要因が明らかになった。具体的には、活用頻度が多い教員は、「ICT機器の使い方を教える自信」があり、「ICT機器を使用した教材研究」「児童1人1台の必要性」を理解しその活用が促進されている。しかし、活用頻度が少ない教員はその3項目に加え、「ICTの進化についていく自信」、「ICTの専門性の高い教員」に影響を受けていることから、 教員の実態に合わせた研修の必要性が示唆された。
  • ゴ スチンゴワ
    原稿種別: 原著論文
    2022 年4 巻 p. 36-54
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     日本語において格助詞を重ねて使うことはできないが、モンゴル語では格語尾と格語尾が重ねて使われる場合がある。その重ねて使われる格語尾を二重格語尾という。また、モンゴル語の二重格語尾は大きく三分類できる。そのため、本稿ではゴ(2020)の分類結果を踏まえて、モンゴル語の二重格語尾が含まれる文を、モンゴル語を母語とする日本語学習者がどのように翻訳しているのか、日本語の学習レベルが上がることによってどのような特徴がみられるのかについて日本語能力試験2級(JLPT N 2)と3級(JLPT N3)レベルの学習者それぞれ20名を調査対象としてアンケート調査を行い、その結果を分類した上で比較分析することを試みた。
  • 吉林省のT市に着目して
    馬 楽
    原稿種別: 原著論文
    2022 年4 巻 p. 55-79
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     中国では2013年から「義務教育基本均衡県(区・県級市)」の監督指導・認定制度が推進されている。本研究はこの評価認定制度で優秀な成果をあげた中国吉林省のT市に着目し、教員の都市部と農村部の格差の実態を検討する。対象市内の全義務教育学校校長を対象にアンケート調査を行った。収集されたデータにより、国から公表されているデータでは確認できない教員に関する格差が明らかになった。都市部学校より、農村部学校では教員不足、教員の低学歴・低職歴の傾向が見られた。教員の多忙化、高齢化、「幽霊教員」の存在、教員研修・交流の形骸化なども明らかになった。本研究は、中国の「義務教育基本均衡県」の監督指導・認定制度では教員数の配備状況のみに着目しているため、現場で起きている教育格差を看過してしまう危険性を示唆した。さらに、教員に関する格差が依然として存在している理由も考察した。
  • 原稿種別: 記録
    2022 年4 巻 p. 81-128
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2025/12/03
    ジャーナル フリー
     2021年9月26日に、中日教育研究学会はその設立10周年を機に、「人生100年時代に向けた教育―中日教育交流の回顧と展望」をテーマとするシンポジウムを開催した。当初は、当学会の後援である在日中国大使館教育部の会場で行われる予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でZoom によるオンライン開催となった。オンライン開催の利便さのおかげで、中国と日本から総計108名の参加があった。この間の日中両国の教育・研究交流の歴史と現状を振り返り、中国と日本の教育研究交流の架け橋として活躍してきた中日教育研究学会に期待する役割や今後の研究・交流活動等について、活発な議論・意見交換が行われた。元会長の東京福祉大学教授である金龍哲氏による「『エイジレス社会』は可能か?― 『人生100年時代』における教育の制度 設計」、現会長・帝京科学大学教授である呂暁彤氏による「100年教育における中日教育研究学会の役割」とのテーマの基調講演の後、若手会員を中心に、幼児教育、高等教育、生涯教育、環境教育、民族教育と医療福祉教育の6つのテーマに絞って、日中両国の最新の教育事情についてラウンドテーブル・ディスカッションが行われた。
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