日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
10 巻, 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 森 友宏, 千葉 崇, 渦岡 良介, 風間 基樹
    2010 年 10 巻 4 号 p. 4_1-4_13
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/09
    ジャーナル フリー
     大地震時に大規模造成宅地の谷埋め盛土地盤が基礎地盤の破壊による被害を受けることが懸念されている.しかし,実際の谷埋め盛土地盤において地震時応答を計測し,切土地盤との地震応答の差異を検討した事例は極めて少ない.地震時の谷埋め盛土地盤の安定性を評価するためには,基礎的なデータの蓄積が望まれている.そこで著者らは,実際の大規模造成宅地内の谷埋め盛土斜面およびその周辺の切土部に,地震計4台,雨量計,地下水位計(間隙水圧計),土壌水分計等を設置して原位置アレー地震観測を行い,観測データを蓄積した.本論文では,これら実際の観測記録に基づき,谷埋め盛土地盤と切土地盤における地震応答の差,および,谷埋め盛土内の水分が地震応答に及ぼす影響について考察を行った.
報告
  • 境 有紀, 青井 淳, 新井 健介, 鈴木 達矢
    2010 年 10 巻 4 号 p. 4_14-4_53
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/09
    ジャーナル フリー
    2008 年岩手・宮城内陸地震を対象として,道路事情により調査できなかったものを除く震度6 弱以上を記録した全ての強震観測点と5 強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った.その結果,いくつかの観測点周辺で外壁のひび割れや外装材の落下,屋根瓦のずれといった軽微な建物被害は見られたが,いずれの観測点周辺でも,大破・全壊といった建物の大きな被害はなかった.観測された強震記録の性質について検討した結果,そのほとんどが0.5 秒以下の極短周期が卓越した地震動で,建物の大きな被害と相関をもつ1-2 秒応答は小さく,このことが大きな震度にもかかわらず建物の大きな被害が生じなかった原因と考えられる.
  • 境 有紀, 中川 文寛, 鈴木 達矢
    2010 年 10 巻 4 号 p. 4_54-4_81
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/09
    ジャーナル フリー
    2008 年岩手県沿岸北部地震を対象として,震度6 弱以上を記録した全ての強震観測点と5 強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った.その結果,いくつかの観測点周辺で外装材の落下,外壁のわずかなひび割れ,窓ガラスの破損といった軽微な建物被害は見られたが,いずれの観測点周辺でも,大破・全壊といった建物の大きな被害はなかった.観測された強震記録の性質について検討した結果,そのほとんどが0.5 秒以下の極短周期が卓越した地震動で,建物の大きな被害と相関をもつ1-2 秒応答は小さく,このことが大きな震度にもかかわらず建物の大きな被害が生じなかった原因と考えられる.
  • 境 有紀, 赤松 勝之, 神田 和紘, 宮本 崇史
    2010 年 10 巻 4 号 p. 4_82-4_113
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/11/09
    ジャーナル フリー
    2009 年駿河湾の地震を対象として,震度6 弱以上の全ての強震観測点と5 強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った.その結果,屋根瓦の被害,外壁の損傷,内装材の落下といった被害は見られたが,いずれの観測点周辺でも,大破・全壊といった建物の大きな被害はなかった.しかしながら,木造建物の屋根瓦被害は数多く見られた.観測された強震記録の性質について検討した結果,そのほとんどが0.5 秒以下の極短周期が卓越した地震動で,建物の大きな被害と相関をもつ1-2 秒応答は小さく,このことが大きな震度にもかかわらず建物の大きな被害が生じなかった原因と考えられる.また,今回の地震で多く見られた屋根瓦被害について,定量的にデータを収集し,屋根瓦被害と相関を持つ地震動の周期帯について検討した.その結果,0.5 秒程度の弾性加速度応答が屋根瓦被害と高い相関をもつという結果になった.
feedback
Top