日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
14 巻 , 2 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
論文
  • 西川 貴文, 紺野 克昭, 藤野 陽三, 中山 雅哉
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_1-2_15
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    多数のセンサによるモニタリングを実現するためのネットワーク同期型地震計を開発し、高密度振動観測システムを構築して、高層免震建物に実装した。本文では、システムの構成・特長と、観測データの利活用方法を提案するとともに、実測記録を例示しながらシステムの有意性を論じた。実環境と同等のネットワーク構成である試験環境におけるシステムの時刻同期誤差は最大でも4ミリ秒程度であり、対象建物の振動特性に対して十分に高い精度が確認された。システムの実装後は安定して地震記録が継続されており、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の加速度記録からは、高密度な地震計配置と高精度な時刻同期により、層間変位の分布が推定できることが示された。
  • 高尾 誠, 上田 圭一, 安中 正, 栗田 哲史, 中瀬 仁, 京谷 孝史, 加藤 準治
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_16-2_36
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    確率論的断層変位ハザード解析手法は、地表地震断層の変位の量がある値を超過する確率を評価する手法であり、解析にあたっては、主断層および副断層の変位量をそれぞれ確率論的に評価する必要がある。主断層についてはこれまで日本国内で発生した地表地震断層に関する豊富なデータがあるが、副断層については必ずしもデータが十分とは言えない。副断層の出現確率については、分析に用いる格子寸法に依存することが既往研究によって示されているが、日本国内のデータに基づいて整理された例はないため、本論文では、格子寸法依存性の検討を実施することによって評価式の信頼性向上を図った。また、副断層の変位量のデータを補うために、模型実験結果および個別要素法による数値解析結果を用いることにより評価式の信頼性向上を図った。さらに、認識論的不確定性を取り扱う方法としてロジックツリー手法について述べるとともに、その適用例を示した。
  • Nam-Yi YUN , Masanori HAMADA
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_37-2_46
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    The authors investigate various influential factors (tsunami wave related and evacuation related factors) on the fatality rate in the 2011 disaster. The tsunami wave related factors were the maximum inundation height and its arrival time in each target area, and the evacuation related factors were evacuation starting time and the distance to evacuation areas. Results indicate that the fatality rate increases with elevated tsunami height and its faster arrival time along with longer distance for evacuation, despite little influence of slower evacuation starting time.
  • 新垣 芳一, 栗田 哲史, 安中 正, 森 欣樹
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_47-2_66
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    富士山南東部地域を対象に地震観測記録を利用することで、工学的基盤面における揺れやすさのゾーニングを検討した。揺れやすさの指標には、選定した地震観測記録から算定した解放工学的基盤波の加速度応答スペクトルを既存の推定式で除した比(応答スペクトル比)を用いた。揺れやすさを空間的に分析し、地震観測点ごとの平均応答スペクトル比の形状や地理的・地形的条件と地質を考慮することにより検討した結果、富士山南東部地域を5 つのグループに分類した。ゾーニング結果を基に、各グループについて揺れやすさの特性を反映した地点補正倍率を作成した。揺れやすさ分布特性はこの地点補正倍率により考慮することができ、これを既存の推定式に乗じる方法を、広域を対象とした工学的基盤面の加速度応答スペクトルの推定方法として提案する。
  • その1 フーリエスペクトル・応答スペクトルから分離した平均特性
    仲野 健一, 川瀬 博, 松島 信一
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_67-2_83
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、1996 ~ 2011年の期間にK-NET、KiK-net、JMAで観測された日本全国の強震動記録の加速度フーリエスペクトルおよび加速度応答スペクトルを用いて、スペクトルインバージョン手法に基づき強震動特性を推定し、分離した震源・伝播経路・サイト増幅の各特性について新たな知見を得ることである。フーリエスペクトルから分離された強震動特性は、どれも先行研究と非常に良い一致を示し、より安定した結果となった。分離した伝播経路特性から求められるQモデルについては、これまで得られなかった北海道周辺のものが新たに得られた。応答スペクトルから分離された強震動特性は、1Hz以上10Hz以下の振動数域においてフーリエスペクトルの分離特性と概ね一致する結果となったが、1Hz 以下の低振動数域および10Hz以上の高振動数域においては異なる挙動を示すことがわかった。
  • 鳥澤 一晃, 吉田 聡, 佐土原 聡
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_84-2_103
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    東日本大震災ではサプライチェーンの寸断により企業の事業活動が大きな影響を受けた。本研究では、サプライチェーンを構成する企業の合理的なBCP策定に資するため、震災時の道路通行止め予測モデルとそれに基づく道路網の機能支障によるサプライチェーンへの影響評価手法を構築した。また、実際の道路ネットワークを対象に物流センターから工場への資材輸送を想定した事例解析を行なって、各種対策の効果を定量化できることを示し、本手法がサプライチェーンでのBCP策定に有効な情報提供が可能であることを確認した。
  • 飛田 幸樹, 川瀬 博, 松島 信一
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_104-2_123
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    都市圏での広域の高精度の強震動予測には、地質情報・ボーリング情報をもとに構築された地盤構造モデルの、地盤震動観測データによる検証が必要であるという考えのもと、比較的地盤情報が少ないとされる大阪平野南部を対象として常時微動観測を行った。そして、微動観測記録と既往の研究に基づき仮定した地盤構造モデルの理論計算から得られる微動の水平上下スペクトル比を比較することで修正地盤構造を推定した。その結果、微動アレイ観測やレイリー波の楕円率を用いた既往の研究と比較した場合でも、拡散場理論による微動の水平上下スペクトル比の新しい解釈に基づいて、ピーク振動数と振幅に着目して地盤構造を推定する本研究での提案方法が有効であることを確認できた。
  • 若松 加寿江, 先名 重樹
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_124-2_143
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    本論文は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって東北地方に発生した液状化とその被害、および液状化地点の土地履歴、微地形区分について述べている。東北地方で液状化が確認された市区町村は、東北6県63市区町村に及んだ。最も液状化が多く発生したのは、宮城県、次いで福島県、岩手県である。青森県、秋田県、山形県でも局所的に液状化被害が起きた。液状化発生地点は、北上川、鳴瀬川、吉田川、江合川、阿武隈川などの大河川の沿岸に集中していた。東北地方は、関東地方に比べて埋立地が少なく、海岸部は津波で浸水したこともあり、埋立地で確認された液状化は少なかった。仙台市では丘陵地帯の造成宅地の谷埋め盛土部分での液状化被害も多かった。宮城県の大崎平野には池沼の干拓地が多く存在するが、これらの旧池沼には液状化の発生は確認されなかった。
報告
  • 小泉 秀斗, 坂本 有奈利, 久田 嘉章, 山下 哲郎
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_144-2_163
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    2011 年東北地方太平洋沖地震において、工学院大学新宿校舎の高層階で加速度150350cm/sec 2 の揺れが発生し、システム天井シングルライン工法における天井板の落下被害が生じた。本報では工学院大学校舎に採用されているシングルライン工法のシステム天井の振動台実験を実施した結果、加速度と支持部材および施工条件が落下に大きく影響することが判明した。またシステム天井シングルライン工法の動的実験および静的実験によって、応答加速度や支持部材の変形を考慮した損傷評価を行った。
  • 余 剣華, 金久保 利之, 八十島 章
    2014 年 14 巻 2 号 p. 2_164-2_180
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    2011 年東北地方太平洋沖地震における茨城県内の公立学校施設の被害状況の傾向を把握することを目的として、県内全45 の自治体に調査を行い、公立学校建物3,148 棟の被害状況および耐震性能に関するデータベースを作成した。旧耐震基準で設計された(1981 年以前)鉄筋コンクリート造および鉄骨造建物のX 方向(主として桁行方向)の構造耐震指標IS の分布は、対数正規分布の形状に近い。自治体から被災状況の取りまとめ資料の提供を受けた2,834 棟において、ガラス、天井、内壁、エキスパンション・ジョイント破損に関する被害率は、第一年代の建物(1971 年以前)で大きく、新耐震建物の被害率が小さくなる傾向が見られる。被災度区分判定の資料が得られた287 棟の旧基準の建物について、鉄筋コンクリート造建物の場合、IS が0.6 程度以上あれば中破以上の被害はほぼ生じていない結果となった。耐震性能残存率の分布の下限値に関しては、気象庁計測震度、PGV、SI 値に対して負の相関が認められた。
ノート
feedback
Top