日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
14 巻 , 5 号
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論文
  • 杉野 英治, 岩渕 洋子, 橋本 紀彦, 松末 和之, 蛯澤 勝三, 亀田 弘行, 今村 文彦
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_1-5_18
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    東北地方太平洋沖地震は、日本海溝沿いのプレート境界で発生し、巨大な津波を引き起こした。プレート間地震は、同様な規模や場所でほぼ一定の時間間隔で繰り返し発生する固有地震の概念で捉えられてきたために、ここ数百年の歴史記録における既往最大の地震規模を上回る東北地方太平洋沖地震の発生を予想することができなかった。すなわち、確率論的津波ハザード評価など津波の将来予測においては、既往最大規模を基本とする従来の津波想定とは異なる概念が必要となる。そのための方法として、プレート間地震による津波の波源域やすべり分布等の設定方法をルール化した特性化波源モデルを提案する。また、特性化波源モデルを用いた津波高のばらつきβの検討を行い、波源特性や遡上特性に係るモデル化精度の向上により、既往の知見よりもβを低減できることを示す。
  • 戸髙 正義, 小檜山 雅之
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_19-5_30
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    地区耐震化を支援するために、住宅の耐震補強効果を定量的に評価する手法を提案した。 地震発生後には建物倒壊により道路閉塞が生じうる。本研究ではこの閉塞により孤立する避難者の数に注目して評価地域内の住宅に耐震補強の優先順位を評価した。指標には耐震化前後での評価地域内の避難不能者の合計人数の差を用いた。また、マルコフ連鎖モンテカルロ法を適用することで道路閉塞状況の抽出方法を改良した。提案手法では、震度6強の地震動を想定した際に耐震補強の優先順位を効果的に示すことができる。
  • 三浦 弘之, 真鍋 良輔, 神野 達夫, 阿比留 哲生
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_31-5_49
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    地震記録を用いたスペクトルインバージョンから得られる地盤増幅特性とレシーバーファンクションの同時逆解析により地震基盤から地表に至るまでのS波速度構造モデルを推定する手法を提案し,その適用性を検討した.仮定した地盤モデルを用いた数値実験から,地盤増幅特性とレシーバーファンクションの両者を用いることにより,精度良くS波速度構造を推定できることを確認した.広島県および岡山県のK-NET観測点4地点に対して本提案手法を適用した結果,地盤増幅特性とレシーバーファンクションの両者を精度良く再現するS波速度構造モデルを推定できることを示した.さらに,推定した地盤モデルの妥当性を検証するために,微動アレイ観測による位相速度と比較したところ,推定モデルによるレイリー波の理論分散曲線は観測値とよく対応することを確認した.
  • 能島 暢呂
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_50-5_67
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    本研究は、震度継続時間を予測する簡便手法の確立を目的として、観測震度または予測震度を与件とした条件付予測式を提案するものである。1996~2013年の主要な35地震(Mw =5.0~9.0)で観測された約1万の3成分の加速度記録を用いて、震度閾値(震度階1~6強の8 種類)を上回る震度継続時間を計測し、観測震度と着目する震度閾値との震度差、断層最短距離、モーメントマグニチュード、着目地点における平均S波速度、Vs=1400m層上面深度、地震タイプ(内陸地殻内、プレート境界、プレート内)を説明変数とする予測モデルを構築した。震度予測を外生化することで、常用対数標準偏差0.2以下と精度が高く、震度継続時間1~300秒程度の広いレンジを対象とした予測式が得られた。
  • 奥野 峻也, 登梛 正夫, 山口 亮, 山本 治貴, 越村 俊一
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_68-5_81
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    2011年東北地方太平洋沖地震による津波被害の現地調査データから、個々の非住家建物の被害割合を推計し、建物の再調達価額に対する修復費用の割合(損傷度)を算出した。算出した損傷度と津波による浸水深の分布を整理した上で、データの多いS造建物についてはその用途別(「工場・倉庫」および「一般」)に、データの少ないRC造建物に関しては用途を分けずに津波損傷度曲線を算定した。その結果、S造建物はRC造建物と比べて同一の浸水深に対して同程度以上の損傷度となり、S造建物の用途別には、3.5m程度までの浸水深では「一般」、それ以上の浸水深では「工場・倉庫」の損傷度が大きくなる傾向が見られた。
  • 小林 源裕, 儘田 豊
    2014 年 14 巻 5 号 p. 5_82-5_101
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/07
    ジャーナル フリー
    ほぼ水平な地質構造を持つ第四紀地盤テストフィールドにおいて,得られたダウンホールPS検層及びサスペンションPS検層記録から,地盤の不均質性(S波速度の揺らぎ)を考慮したS波の減衰特性の評価を行った.また,サスペンションPS検層記録に基づく詳細地盤モデルを用いた数値シミュレーションを実施し,原位置データとの比較検討から地盤の減衰メカニズムの解釈を試みた.その結果,得られたS波の減衰特性は地盤の不均質性を良好に反映し,検討対象としたおよそ10Hzより高周波数側の減衰の主要な部分は地盤の不均質性に伴う散乱減衰であり,内部減衰の寄与は比較的小さいことがわかった.従来から行われているQ値の同定解析は,逆解析の際の速度構造モデルで速度の揺らぎが考慮されないため,減衰が見かけ上高減衰に評価されている可能性がある.同定解析において,不均質構造をモデル化する際の不均質スケールと減衰のトレードオフが生じることが見出された.
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