日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
15 巻 , 2 号
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論文
  • 飯田 福司, 山岸 邦彰, 西村 督, 後藤 正美
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_1-2_10
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    木製水槽は、公共施設、病院等の重要施設で受水槽として使用されており、大地震時における機能保持は必要不可欠な性能である。しかし、木製水槽における耐震設計の研究は進んでいない。本研究では、1Gを超える水平地震動による振動実験から木製水槽の変位応答、加速度応答及び歪応答を分析した。そして、強震動時の挙動に関する実験結果から、本実験で使用した木製水槽の主要構造部材は1Gを超える水平地震動に対して、機能を損なう破壊は生じないと考えられ、地震時の安全性確認のための基礎資料を得た。
  • 既往地震群との対比でみる死者発生の年令等依存性
    太田 裕, 小山 真紀
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_11-2_24
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    この研究の発端は乳幼児・高令者が災害弱者と総称されている一方で、その実態が判然としないままとなっていることに疑問を持ったことにある。この疑問解消への手始めとして、いくつかの地震・津波襲来時の死者発生状況について年令区分別に詳しく調べた。その結果、主な出現パターンが4種類あることが判った。すなわち、通例のように横軸を年令軸、縦軸を死亡率とする座標上でみると、英語大文字のU字型、J字型で代表される年令依存性の高いもの2種類と、年令依存性のほとんどないFlat型のもの2種類である。Flat型の一つは死亡率が低く年令依存性が現れるには至らないもの(Flow)、他の一つは被災域のほぼ全員が死亡という極端ケース(Fextreme)である。こういった整理の中で、2011年東日本大震災に伴う死者がJ字型パターンをなすことを確かめた。次に、各パターンの形成と推移関係について考察した。考慮したのは入力側で地震動(津波)強度、発生年代・時間帯等であり、受け手の側としては被災域がもつハード・ソフト両面の防災対応力の強弱に加えて人間自身がもつ行動能力の年令等依存性である。その結果、死亡率を左右するものとしては、入力側の強度が特に大きいが、受け手側の諸特性によるところも大きく、出現形態は多様である。すなわち、死亡率は先ずFlow型で始まり、防災知識・対応力が「無」の場合U字型となり、一方「有」の場合はJ字型となる。しかし、入力がさらに強くなるとU字型は勿論、J字型も最悪の場合にはFextreme型へ移行する恐れがある。こういった分析結果は防災対策、特に死者の低減を考える際に不可欠な基本知見となる。
  • 若松 加寿江, 先名 重樹
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_25-2_44
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    本論文は、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって関東地方に発生した液状化とその被害、および液状化地点の旧地形、微地形区分、造成履歴、液状化履歴などについて述べている。関東地方で液状化が確認された市区町村は、1都6県130市区町村に及んだ。液状化発生地点は、東京湾岸地域および霞ヶ浦沿岸、利根川とその支流の小貝川・鬼怒川、那珂川、久慈川、涸沼川、荒川などの大河川の沿岸に集中しており、土地の埋め立て・盛土造成、砂礫や砂鉄の採掘履歴、河道の変遷、洪水実績など、液状化の発生が土地の改変履歴や旧地形と関係が深いことが分かった。関東地方全域の計測震度5.0(震度5強)以上の地域において250mメッシュ毎に算出した微地形区分毎の液状化発生率は、埋立地で最も高く25.7%、次いで旧河道、三角州・海岸低地、干拓地、砂丘、砂州・砂礫州の順となった。東北地方で最も液状化発生率が高かった自然堤防と、関東地方の埋立地を比べると、関東地方の発生率の方が約4倍高くなっていた。
  • Panon LATCHAROTE, Yoshiro KAI
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_45-2_58
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    A macroscopic model, macro plate model, was proposed to represent a wall member of RC walls. Both in-plane and out-of-plane behavior were considered for numerical derivations of macro plate model. For out-of-plane behavior, bending deformation was incorporated with shear deformation to consider out-of-plane deformation as same as in-plane behavior. The hysteretic behavior of macro plate model can be directly expressed by stress-strain relationships in any conventional hysteretic rules, which have been proposed by other researchers, for member level. Unless nonlinear analysis of RC walls was proposed in case of earthquake, macro plate model can be proposed for nonlinear analysis of those in case of wind and tsunami by converting distributed force to nodal force.
  • 能島 暢呂
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_59-2_76
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    筆者は観測震度または予測震度を与件とした震度継続時間の条件付予測式を提案した。そこでは震度が確定的に与えられる場合の予測式を提示した。本研究では、距離減衰式に基づく震度予測式と、予測震度を条件とした継続時間の条件付予測式を統合して、震度・継続時間の一貫した経験的予測体系を構築するものである。具体的には、予測震度の不確定性を考慮して、震度継続時間の予測値の期待値および標準偏差の近似解を確率論的に定式化した。提案する震度・継続時間の同時予測手法のケーススタディとして、立川断層帯に発生する地震を想定した震度マップと震度継続時間マップを作成した。
  • 山田 雅行, 羽田 浩二, 今井 隆太, 藤原 広行
    2015 年 15 巻 2 号 p. 2_77-2_90
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/25
    ジャーナル フリー
    断層極近傍における地震動予測を目的として、全無限一様弾性体のグリーン関数公式を用いた理論地震動の数値シミュレーション法を用いて、断層の極近傍において理論地震動シミュレーションを実施する際の積分誤差の評価を行った。その結果、観測点との距離Lに対して積分要素寸法が0.5×L以下となる必要があることを確認し、地表まで露頭した断層を考える場合の効率的な要素分割を提案した。その上で本論文の主題である、地震発生層上端~地表(断層表層領域)においても地震動を発する可能性があると考えた場合に、断層の極近傍における地震動強度の数値シミュレーションを行った。本研究で考察した条件の下では、断層表層領域における地震動の生成を考慮した場合には、断層表層領域を考慮しない場合(破壊開始点が右側下端)に比べて、最大速度(平均)、最大加速度(平均)は、それぞれ1.7倍、1.6倍程度となった。
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