日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
16 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 松本 俊明, 中村 孝明
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_1-2_11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    東日本大震災以降、事業継続、ならびに市場への製品供給責任を果たす目的から、一定量のストックを持つ企業が増えている。これを受け、ストックを持つことによる効果や、どの程度の量を持つのが合理的なのかなど、判断のための方法や具体的な基準が必要になっている。本論の特徴は、複数の製造工程(構成要素)からなる生産ラインの地震時復旧過程の算定法に、各工程に備えられるストックの消費量を有限量として考慮し、なおかつ、構成要素間の損傷相関の影響も取り入れた方法を提案した点にある。また、仮想に設定したストックを含む生産ラインを対象に本提案手法に適用し、その地震時復旧曲線の形状の違い等から構成要素間の損傷相関の影響があることを明らかにした。
  • ~東京都足立区千住地区を対象にして~
    高田 和幸, 藤生 慎, 金野 貴紘
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_12-2_26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    首都直下地震が発生した際、その発生時刻によって被災、そして避難の状況が大きく異なることが予想される。千住地域においても、住民のみならず、就業者、通学者、さらに千住地域を通過中の電車利用者や自動車利用者など、当事者も多様となる。そこで「居住者」と「就業者・通学者」に着目しアンケート調査を実施し被害想定の認知状況、避難方法の認知状況、災害状況に応じた避難行動の分析を行った。その結果、従業者・居住者ともに「地震発生時の避難方法の認知」の程度は低いことや「災害状況に応じた避難行動」がとられないことが明らかとなった。
  • 佐藤 吉之, 翠川 三郎
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_27-2_39
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    伝播経路における速度不均質の地震動への影響を調べるために、地震波速度にランダムな揺らぎを与えた媒質モデルを用いた数値シミュレーションに基づき検討を行った。すなわち、3次元不均質媒質中に点震源を仮定した差分法による評価を行い、震央距離約50km (解析波波長比約50) 以内の工学的に重要な近距離での不均質媒質の影響を検討した。不均質媒質でのシミュレーション波には、震源で与えた波形からの乱れ、コーダ波の発生、スペクトル形状の変化が確認され、その影響は震央距離5~10km程度から確認された。均質媒質による計算波との比較を行った結果、震源放射特性の影響を取り除いても、不均質媒質での計算波には伝播の影響による振幅等のばらつきが生じていることが確認され、そのばらつきには不均質媒質の特性による差異、周波数依存性が現れていることがわかった。計算波は、距離とともに均質媒質に対する振幅低下が大きくなり、散乱減衰の生じていることが確認された。また、震源の放射特性を考慮しても散乱減衰には方位による差異はほとんどみられないことが確認された。以上のことから震源から近距離においても、不均質媒質による影響がシミュレーション波形や最大値のばらつきに大きく表れる可能性があることが確認された。
  • 小林 源裕, 儘田 豊
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_40-2_63
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    従来、有限差分法による強震動や長周期地震動の広域予測において、計算機の記憶容量(メモリ)等の制約から取り扱うことが難しかったS波速度100m/sのような表層の低速度層を考慮できるようにするために、表層を含む浅部地盤のモデル化法の工夫を試み、地震基盤から表層までを考慮できる簡易数値解析手法を検討した。具体的には、工学的基盤以浅の浅部地盤における複数層の地盤物性を平均化したいわゆる「浅部等価地盤」を仮想的に設けて、有限差分法により地震基盤から表層までを一体化した地盤モデルを用いて地震動を計算する。一体解析により得られた地表面での地震動を浅部等価地盤に基づく重複反射理論により工学的基盤まで一度引き戻し、最終的に本来(真)の浅部地盤を用いて工学的基盤より立ち上げて地表面における地震動を再計算するものである。また、有限差分法の際の計算機メモリをより一層抑えるために、工学的基盤の地盤物性をそのまま表層まで反映させたいわゆる「浅部一様地盤」を仮想的に設けて、先と同様の手続きにより地震動を計算する手法も検討した。それらの結果、両検討手法ともに工学的基盤で解析領域を分離して地震動を計算する従来のいわゆる分離解析に比べて、より精度の高い地震動評価が可能となることが示された。地震基盤から表層までの一体解析を行うことにより、短周期領域に加えて長周期領域における地震動評価の精度向上を図ることができる。
  • 三浦 弘之, 翠川 三郎
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_64-2_73
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    大地震の際に被害を引き起こすような強い地震動がどの程度の範囲で, どのような条件下で生ずるのかを把握するために, 1995年兵庫県南部地震後に発生し, 震度6弱以上を観測した計21地震における推計震度分布図を用いて, 激震動の出現面積やその地盤条件について整理した.地震規模と出現面積の関係を翠川・五艘(1997)による過去の地震での関係と比較したところ, 震度6弱以上の出現面積は同程度であるのに対して, 震度7の出現面積は小さい傾向にあることを示した.これは, 近年の地震は山間部で発生したものが多く, 震源付近は揺れにくい岩盤上にある場合が多いためと考えられ, 震度7の発生要因として表層地盤の影響が大きいことが再確認された.
報告
  • - 墓石転倒率に基づく推定 -
    笠松 健太郎, 森川 淳, 友澤 裕介, 川角 佳嗣, 江藤 公信, 古川 拓人, 加藤 研一, 元木 健太郎
    2016 年 16 巻 2 号 p. 2_74-2_95
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/02/25
    ジャーナル フリー
    2014年長野県北部の地震MJ6.7における地震動強さの分布を把握するため、2014年11月30日から12月2日の期間に震源域周辺の墓石転倒率を調査した。また、その結果を地盤震動の観点から考察するため、各地で単点微動観測を実施し、水平上下スペクトル比(H/V)を評価した。建物被害が集中した白馬村堀之内周辺の墓石転倒率はほぼ100%であり、既往の墓石転倒率と震度の関係に基づくと、この結果は震度7に相当する。この地域の微動H/Vは、他の地域とは異なるスペクトル特性を示し、地盤条件が特有であることが考えられる。明瞭な地表地震断層が認められた白馬村大出の墓石転倒率は、上盤側で13~56%(平均して震度6弱相当)、下盤側で0~23%(平均して震度5強相当)と違いが見られた。その他、小谷村、小川村、長野市で調査を実施し、本地震の震源域における震度5弱以下から震度7相当の地震動分布を墓石転倒率より明らかにした。
ノート
エラータ
feedback
Top