日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
20 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論文
  • Byunghyun CHOI, Akemi NISHIDA, Ken MURAMATSU, Tsuyoshi TAKADA
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_1-2_16
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
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    This study examines two different seismic response analysis models of a nuclear power plant building, including the three-dimensional finite-element (3D FE) model with shell elements and the conventional sway-rocking model. Further, the results obtained using these models are compared for estimating the effects related with the differences between the modeling methods. In addition, the authors analyzed the spatial variations of the response results based on the merits of the 3D FE model, and the potential applications of this information are discussed.

  • 佐藤 智美
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_17-2_35
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
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    KiK-net強震記録に基づき,上下動の地盤増幅特性の非線形性の有無が,地表での観測加速度波形を積分した速度波形の形状で識別できることを示した.すなわち,上下動の速度波形が負の方向にステップ状に一定になる,あるいは,負の方向に直線状のトレンドが生じた後ほぼ一定となる場合,上下動の強震動の地盤増幅特性が弱震動の地盤増幅特性と異なることを示した.このような場合,上下動の増幅特性の卓越周波数の1/2の周波数付近に水平動の卓越周波数がある特徴がみられた.上下動の地中に対する地表のフーリエスペクトル比は,弱震動のスペクトル比より10 Hz程度以下で大きい場合が多く,上下動のピーク周波数の1/2の周波数付近に存在する水平動のピークレベルも,弱震動より大きくなる場合が多かった.特に,一定となる速度の絶対値Vnonが5 cm/s以上の場合に地盤増幅特性の非線形性が明瞭で,Vnonが最大の3つの記録は,震度7相当の大振幅地震動であった.

  • 引田 智樹, 笠松 健太郎, 友澤 裕介
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_36-2_57
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
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    経験的な地震動予測の高精度化を目的として,伝播経路特性と震源特性の空間変動を考慮した地震動予測モデルの構築を試みた.空間変動をモデル化する手段として混合地理的加重回帰を利用したモデル化を提案し,福島県周辺の内陸地殻内地震によるデータを用いてモデル化の有効性を検討した.提案モデルにより,データの特徴に基づく空間変動がモデル化でき,従来型のモデル化に比べて誤差が小さい予測モデルが得られることを確認した.提案モデルは増大するデータを活用して詳細な地震動予測モデルを構築する手段として有効である.

  • ~実態調査手法の開発と現場状況の傾向分析~
    加古 嘉信, 吉村 晶子, 小山 真紀, 宮里 直也, 関 文夫, 中島 康, 佐藤 史明
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_58-2_78
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
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    災害応急活動にあたる救援部隊の現場対処能力強化は急務であり,警察,消防等の救助実動機関において救助訓練などの取組が進められている.それら検討にあたっては,実際の救助活動事例についての詳細な実態データを得ることができれば極めて有用である.そこで本研究では,平成28年(2016年)熊本地震において救助活動に従事した警察部隊に対して実態調査を行い,建物倒壊・閉じ込め現場における救助活動,すなわちConfined Space Rescueの活動対象となった建物の破壊程度,要救助者の閉じ込め位置,閉じ込め空間の寸法・形状および閉じ込め空間内の要救助者の状況を定量的に把握した.また,同時に,模型による状況再現手法を用いたヒアリングやその結果を踏まえた閉じ込め空間パターンチャートの開発などにより,木造倒壊建物内における救助活動の実態調査手法を開発した.以上により,これまで「不安定」「狭隘」「倒壊建物の下敷き」などの定性的・抽象的表現により把握されてきた建物倒壊・閉じ込め現場の状況をはじめとする救助活動の実態について,具体的な定量データとして明らかにし,今後の取組の推進に有用な基礎データとして整理できた.また,開発した調査票は,継続的な情報収集を可能とするための基盤として機関横断的な調査にも活用しうると考えられ,今後の知見蓄積ならびにそれを通じた災害救助体制強化への寄与が期待される.

  • 宮本 裕司, 佐藤 綾香
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_79-2_89
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
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    1956年に竣工した大阪の通天閣は,2015年に免震改修が行われた.本研究では,免震改修前後の通天閣の振動性状と地震応答性状を把握するため,常時微動測定と地震観測を行った.地震観測では,改修前に2013年淡路島の地震,改修後の2018年に大阪府北部の地震の記録が地下階と屋上階で観測された.これらの地震記録を用いたシミュレーション解析を行い,改修前後の通天閣の応答性状を分析するとともに免震改修の効果を確認した.

報告
  • 久田 嘉章, 田中 信也, 金田 惇平, 寺本 彩乃, 中村 航, 村上 正浩, 鱒沢 曜, 境 茂樹, 仲野 健一, 森 清隆, 木本 幸 ...
    2020 年 20 巻 2 号 p. 2_90-2_132
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/02/28
    ジャーナル 認証あり

    2016年4月16日の熊本地震では,布田川・日奈久断層に加えて南阿蘇地域に出現した断層帯に沿って長さ約34 km,最大で約2 mの地表地震断層が出現した.著者らは地震後の2年間計6回,主要な地表地震断層の直上を中心として,断層から100 m程度以内のごく近傍の地域で建物の悉皆調査を実施し,さらにその後の現存・解体の状況を調査した.地表地震断層の出現位置は,既存の活断層地図とは概ね整合しているが,建築的なスケールでは大きく外れる場合があった.南阿蘇地域を除くと,地表地震断層ごく近傍の地震動は木造建物の全壊率から最大でも震度6弱程度以下と推定され,全壊・倒壊などの大被害の大半は地表地震断層の直上の断層変位で生じていた.盛土地盤がある場合は断層変位が地盤内で分散・吸収され,地表に現れる地盤変位を低減させる効果があることを確認した.一方,南阿蘇地域では非常に高い全壊・倒壊率より震度7相当の強い揺れが発生したと考えられ,断層変位だけでなく,強い揺れによる甚大な被害が発生した.倒壊・傾斜した建物の7割以上は断層走向の直交方向に対応しており,指向性パルスが発生した可能性が示唆された.いずれの地域も耐震性に劣る非常に古い建物に集中しており,2000年の耐震基準以降の新しい建物はRC造基礎等の高い耐震性により地表地震断層の直上でも軽微な被害であった.一方,古い木造建築は,断層変位に対して躯体は大きく変形するが,倒壊に至らないケースも見られた.被災建物の追跡調査により,被害程度が大きいほど解体される割合も高くなるが,半壊以下の被害でも解体される事例が多く確認された.熊本地震では半壊以上から公費解体が行われるなど,修復よりも解体を誘導する政策が行われたことも一因と考えられる.

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