日本地震工学会論文集
Online ISSN : 1884-6246
ISSN-L : 1884-6246
3 巻, 3 号
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  • 玉置 哲男, 田辺 章, 中村 雅彦, 佐々木 文夫, 水町 渉, 山田 道夫
    2003 年 3 巻 3 号 p. 1-12
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    確率論的耐震設計評価等において従来より大きな地震動を想定する場合、構造物の応答が強い非線形領域に入ることが考えられるため、より観測地震波形に近い位相特性を持った模擬地震動が必要となる。このため観測地震波形の時間-周波数特性を用いて、目標応答スペクトル特性を満たす模擬地震動を作成する、簡明でノンパラメトリックな方法を開発した。提案方法では、観測地震波形をウェーブレット変換して得られる周波数帯域毎のウェーブレット係数列を、複数の波形について加重加算し、これを模擬地震動のウェーブレット係数列とする。このとき、係数列を逆変換した時刻歴データから求めた応答スペクトルと目標応答スペクトルとの誤差が目標値以内になるように、ウェーブレット係数列の重みを繰り返し計算して模擬地震動を得るものである。震源距離の範囲を指定し、複数の地震で観測された地震波形から無作為に選出した20波を元に模擬地震動を作成し、その応答スペクトルと目標に設定した大崎スペクトルとの比が設計条件を満たすようにすることができた。作成した模擬地震動に対して入力した観測地震波形の周波数領域毎の寄与を調べ、模擬地震動には各波の特性が含まれていることを確認した。作成した模擬地震動は群遅延時間の平均値と分散値が入力した観測地震波形群のほぼ中央値となっており、複数の観測地震波形の平均的な時間-周波数特性を示した。
  • 藤本 一雄, 翠川 三郎
    2003 年 3 巻 3 号 p. 13-27
    発行日: 2003年
    公開日: 2010/08/12
    ジャーナル フリー
    日本全国にわたって広域での地盤の増幅度の分布を推定することを目的として、全国1, 785地点での地盤のS波速度に関するデータに基づいて、地盤の平均S波速度と国土数値情報の地形分類・標高データ等との関係を整理した。地形分類と地盤の平均S波速度の関係を地域ごとに整理したところ、同一地形分類での地盤の平均S波速度は、中央日本に比べて東北日本および西南日本において高めの値を示す場合があることを確認した。この結果に基づいて、地域性を考慮した地盤の平均S波速度推定法を提案し、これにより全国での地盤の平均S波速度、さらには地盤増幅度の推定精度が向上することを示した。
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